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ケセラセラⅢ  作者: 遠藤 敦子
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 塩澤莉奈は土曜日の部活終わりに、ケセラセラに立ち寄ることにした。莉奈が行ったのは12時30分頃だったけれど、すでに長蛇の列ができている。テレビに出ていた効果やSNSで拡散された影響もあるのだろう。

「うわ、長っ……。これまじで買えんのかな」

 莉奈がそう呟くと、後ろに並んでいた30歳前後の男性に声をかけられる。

「すみません……。これ、あとどれくらいかかりそうですかね?」

「多分30分くらいはかかるんじゃないですか?」

 莉奈が返事すると、男性はこう言ってきた。

「ありがとう! てか君よく見たら可愛いじゃん。JK? 第二高生? 女優の藍村(あいむら)楓純(かすみ)ちゃんに似てる!」

「は、はあ……」

 莉奈がいきなりそう言われて反応に困っていると、男性はさらに畳み掛けて言ってくる。

「てかさ、この後ホテル行かない? ホテル代は俺出すし、お小遣い5万あげるから」

「は……? 何言ってるんですかあなた……」

 列を整理しながらそのやりとりを聞いていた直幸が、困惑する莉奈の様子に気づいて

「はいそこまでです。警察呼びますね」

 と2人の間に入った。

「何すかあんた、客に向かって……!」

 激昂する男性に、直幸は毅然とした態度で言い返す。

「当店には迷惑行為をされる方に売る商品はありません。あなたのしていることは迷惑防止条例違反になります」

 男性はこんな店2度と来るかと捨て台詞を吐き、立ち去った。

「……大丈夫でしたか?」

 直幸が莉奈に声をかけ、莉奈はほっとしたのか泣きそうになっている。周りからは拍手が湧いた。直幸は並んでいたお客さんに

「お騒がせしてすみませんでした。なるべく早めに提供しますので少々お待ちくださーい!」

 と声をかけ、キッチンカーに戻る。

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