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ケセラセラⅢ  作者: 遠藤 敦子
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 その頃、シーツを機械に通す部署にいる糸井(いとい)龍子(たつこ)は単発アルバイトで来ていた浜野(はまの)志保(しほ)と雑談していた。志保は20代後半でシフト制の仕事をしている正社員だけれど、休みの日だけ副業で単発アルバイトをしているという。

「浜野さんっていま彼氏いるの?」

 龍子が志保に話を振る。志保は正社員として働きながら1人暮らしをしていて、しっかりした性格なので彼氏くらいいるだろうと考えたからだ。

「あ、ごめんなさい……。私、実は去年婚約破棄になって……」

 志保が口を開く。この浜野さんが婚約破棄経験者? 龍子は驚いてしまい、食い気味に訊いてみた。

「婚約破棄って……。したの? されたの?」

「された方です」

 志保からそう返ってきて、龍子はさらに驚いた。こんなしっかりした女性を婚約破棄するなんて、どんな男かと思ったからだ。話を聞くと相手の男はマザコン気質があり、何度も転職を繰り返しているという。

「……なんちゅう男だ!」

 龍子は志保の元婚約者に良い印象を抱かなかったこともあり、こう返した。それからは今の子って結婚願望がないよねという話になる。

 龍子はシングルマザーで3人の娘を育ててきたけれど、30歳の長女は結婚して3歳の子どもがいる。28歳の次女は昨年結婚したばかりで、将来的に子どもがほしいと考えているという。26歳の三女は大学院を卒業して男性と同じくらいバリバリ働いているので、結婚するつもりはないそう。

 そんな龍子の身の上話をしているうちに12時のチャイムが鳴り、志保の退勤時間ーーシフトが8時から12時までなのでーーとなった。龍子は同僚たちとケセラセラの列に並び、今日は何を買うかという話をしたのだ。

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