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ケセラセラⅢ  作者: 遠藤 敦子
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 西山(にしやま)裕樹(ひろき)は27歳の会社員で4歳の娘の由奈(ゆな)と2人で暮らしている。元妻が妻子持ちの男性とダブル不倫していたことがきっかけで2年前に離婚したけれど、2人暮らしになってから由奈の笑顔も増えてきた。

「ケセラセラっていうお店行きたい!」

 そんなある日、裕樹は由奈からこう言われる。ケセラセラ? なんだそれ? 裕樹はそう思い、由奈に「ケセラセラ」が何か訊いてみた。話を聞くと、由奈は同じ保育園の友達からケセラセラに行きたこ焼きを食べたと報告を受けたそう。


 今日の裕樹たちの夜ご飯はカレーライスだ。それもただのカレーライスではなく、ご飯と海苔とコーンでペンギンを作り、その周りにカレールーをかけたものだった。すりおろしたりんごを入れ、星型のにんじんも足してある。これは由奈が唯一好きだった、離婚した元妻(由奈の母親)の手料理だった。

 テレビをつけると、トナカイのカチューシャを身につけた女性リポーターが中継している。

「こんにちはー! (いけ)ちゃんでーす! 今日はキッチンカー・ケセラセラさんにやってきましたー! キッチンカー王子こと平塚さんにお話を聞いてみたいと思います」

 池ちゃんと名乗る女性リポーターが直幸にマイクを向け、インタビューしている様子が映し出された。裕樹が

「由奈が言ってたケセラセラってこれか!」

 と言うと、由奈は頷く。テレビに映し出される数々のケセラセラの商品に親子で目を奪われた。

「今度の日曜日、公園にケセラセラさん来るって。パパと行こうな」

 裕樹はそう言って、由奈の頭を撫でる。

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