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月の下で  作者: 梅木しぐれ
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 彼女のお葬式から俺の日常に、幽霊の彼女が加わった。

 幽霊の彼女と過ごして、わかったことが四つある。

  ・生きているものには触れない。

   ただし、人間の場合は来ている衣類などは触れる。

  ・物には問題なく触れる。たぶんポルターガイストってやつ。

   ドアは開けられるけど、自動ドアには反応されない。

  ・俺以外の人には見えない。(霊感ある人は見えるかもしれない)

   同じく声も俺以外には聞こえていない。

  ・飲食や睡眠などの生物の必要行動はできない。



 幽霊の彼女との生活は存外悪いものではなかった。

 家に帰ったら灯りがついていて、温かいご飯が用意されていて、お風呂も沸かしてある。学生の時はあたりまえのことだったけど、社会に出て一人暮らしを始めて正直なところ自炊する余裕も、ゆっくり湯船に浸かるなんてなかった。改めて母親の偉大さを感じて、彼女にバレないようにこっそり母に電話して改めて感謝をしたら、豪快に「あんたの世話するのが、私たち親の責任で、生き甲斐だから気にしないで」と笑われた。きっと俺の気持ちは伝わっているだろうけど、母の日にカーネーションを毎年宅配で送っていたが、次の母の日にはちゃんと会ってカーネーションを渡しに行こうと決意をした。



一番の変化は、彼女との生活が始まってから自分の鍵をあまり使わなくなったことだ。



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