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異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!  作者: にんじん


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ハツキ大ピンチ


 「もうお腹いっぱいで動けないわ」



 私の白のワンピースは今にも破れそうなくらいに膨らんでしまっている。



 「ハ・・・ハツキちゃん。なんだか少し雰囲気が変わったみたいね」



 ブランシュは私の山のようになったお腹を見て目が点になっている。



 「ハツキさん、今日も天気が良いみたいです」



 ノワールはお腹の事に触れてはいけないと感じて天気の話に切り替えた。



 『ドンドン・ドンドン』


 「ブランシュ、少し話をしたいのだが、入っても良いか?」


 「どうぞ、お父様!」



 ノアールが扉を開く。



 「あれ?0の少女は帰ってしまったのか?」



 お腹を大きく膨らました私を見て別人だと勘違いしたようである。



 「お父様、そんなことよりも何か私に用事があったのでは?」



 ブランシュは、私がとんでもないお腹になっていることを気づかせないために話を切り替える。



 「そうだった。実はモォーモォー山の牛牛王がヴォルフロードに殺されたらしい。この前はオークキングが倒されたので、確実にヴォルフロードが王都に近づいている。だから、王都からの外出はヴォルフロードの危機が去るまでは禁止しようと思っている」



 メルクーア大公は、直接『黒天使』に依頼をお願いするのではなく、ヴォルフロードが王都に近づいているので、危険性をブランシュに伝えることにした。



 「ヴォ・・・ヴォルフロードが王都に接近しているのですかぁ!」



 ノアールは体を震わせて怯えている。



 「ヴォルフロードですか・・・それなら!なんとかなるかもしれません」



 ブランシュは、私が黒の怪物ヴォルフ族と魔力奴隷契約をしていると思っているので、プリンツに頼めばなんとかなると思ったのである。



 「そうか!なんとかなりそうなのか」



 あまり表情を表に出さないメルクーア大公だが、ブランシュの言葉を聞いて身を乗り出して喜んでいた。



 「プリンツちゃんにお願い・・・じゃなくてハツキちゃんから『黒天使』さんにお願いしてもらって、ヴォルフロードさんと平和条約を結んでもらいます」


 「それは助かる。白銀狐の時のように人間との争いを避けてもらえるのならばこの国も安泰というものだ」



メルクーア大公は両手を握りしめてガッツポーズをする。



 「しかし、ハツキさんはもう帰られたようだ。また手紙を書いて知らせた方が良いかな」


 「いえ、ハツキちゃんはまだ王都に滞在すると言っていたから、ノアールにお願いしてハツキちゃんを連れ戻してきてもうらわ」


 「そうか、ノアール、悪いがお願いできるか?」


 「私に任せてください」



 ノアールはぎこちない笑みを浮かべながら答えた。



 メルクーア大公は、ホッとした様子で部屋を出ていった。



 「う〜ん。う〜ん。お腹が重いです」



 私は2日連続でケーキをドカ食いしたので、お腹がはち切れそうで苦しんでいた。



 「ノアール、ハツキちゃんをゆっくりと休ませてあげたいから席を外してもらってもいいかしら」



 プリンツの存在は秘密なので、ブランシュはノアールを部屋の外に出すことにした。



 「わかりました」



 ノアールが部屋を出るとすぐにブランシュは私のもとへ駆け寄ってきた。



 「ハツキちゃん・・・こんな姿になってしまって、やっぱり止めるべきだったかしら」


 「大丈夫です。ジョギングをすれば元に戻るはずですぅ〜」


 「ハツキちゃん、こんな大変な時になんだけど、お父様の話は聞こえていたかしら」


 「お腹が苦しくて聞いてませんでした」


 「そうなのね。それなら私から説明させてもらうわね」



 ブランシュは王都に迫り来るヴォルフロードの脅威を説明した。



 「う〜ん、う〜ん。お腹が、お腹が」



 私はお腹が苦しくてブランシュの話が入ってこない。そんな状況を見かねたプリンツが私の胸ポケットから姿を現した。



「話は聞かせてもらったよ。でも、牛牛王もオークキングも倒したのヴォルフロードじゃないんだ」


 「え!そうなの?それじゃ、誰が倒したって言うの?もしかしてプリンツちゃんが倒してくれたのかしら」


 「僕が倒す予定だったけど・・・」



 プリンツは私が倒したと言いそうになったが、秘密事項だったので言葉を止めた。ブランシュは耳をダンボのように大きくしてプリンツの一文一句を聞き逃さないようにしている。



 「いや、これ以上のことを話すことはやめるよ。でも、ヴォルフロードは人間から攻撃を仕掛けてこない限りは攻撃をしないから安心して」


 

 ブランシュは、プリンツが何か大事な事を言うのを避けたと感じていた。もしかしたら、自分の知らないところで、大きな何かが動き出しているのだと勘違いをしてしまった。


 「ヴォルフロードが人間を襲ってこないことは理解したわ。でも、王都に何かが迫っているのね。そして、そのことは絶対に誰にも知られたらいけないのね」


 「いや、違うよ。王都や町も問題ないから安心してね」


 「ハツキちゃんと同じでプリンツちゃんも優しいのね。私たちの知らないところで、王都に迫り来る魔獣の脅威を2人で解決しようとしているのね。わかったわ。私からお父様に『黒天使』さんが王都を・・・いえ、この国を守ってくれるから安心するように伝えておくわ」


 「そうだね・・・」



 プリンツは何を言っても無駄だと悟り、それ以上何も答えなかった。




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