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異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!  作者: にんじん


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伝説の鉱石

 私が目を覚ますとプリンツが私の膝の上で気持ちよさげに眠っていた。


 

 「あらあらプリンツちゃん、よほど疲れているのね」



 私はプリンツの黒の立派な毛並みを撫でながらほっこりしていた。



 「そういえば、象のような熊さんが、山頂を東に少し下ったところに『万能鉱石』があると言っていたわよね。プリンツちゃんが目を覚ましたら一緒に見に行ってみようかしら?」



 私がしばらくプリンツのモフモフの毛並み【実際は鋭く尖った剣山のような毛並み】に顔を当ててモフモフを堪能していたらプリンツが目を覚ました。



 「ハツキお姉ちゃん・・・僕は眠ってしまったんだね」


 「そうね。気持ちよく眠っていたわよ。山頂まで登って相当疲れていたのね」


 「ごめんなさい。僕はまだまだ力不足だったよ」



 プリンツは魔牛と牛牛王に手こずったことに反省をしていた。



 「そんなことはないわよ。私がちゃんとプリンツちゃんの姿を見てなかったのがいけなかったのよ」



 私は、プリンツと一緒に散歩するつもりだったのに、山彦体験、乳搾り体験に気を取られてプリンツを放置したことに反省をしていた。



 「そんなことないよハツキお姉ちゃん。結局僕はハツキお姉ちゃんに助けてもらった」


 「プリンツちゃんは自分の力でちゃんと頂上まで来れたじゃないの!」


 「そういうことなんだね。僕に幾つかの試練を用意してくれていたけど、その全ての試練を1人で乗り切るのではなく、誰かと協力して一緒に試練を乗り越えて、この山頂までたどり着くことが試練の答えだったんだね。だから、牛牛王は1人で倒すのではなく、僕が牛牛王をひきつけて、ハツキお姉ちゃんがトドメを刺すという連帯して戦闘することを教えたかっんだね。僕は1人で全て乗り越えないといけないと躍起になっていたが、それが間違いだと伝えたいんだね」


 「試練?牛牛王?連帯?無事に頂上まで来れたらそれでよかったのよ。ところで、プリンツちゃん、ちょっと寄りたいところがあるから着いてきてね」



 今度はプリンツとはぐれないように一緒に『万能鉱石』のある場所へ向かった。



 「たぶんこの洞穴だと思うわ」


 「ハツキお姉ちゃん、この洞穴には何があるの?」


 「『万能鉱石』があるって聞いたのよ」


 「『万能鉱石』って確か世界の創造神と呼ばれるアースドラゴンが排出するレアな鉱石だと聞いたことがあるよ」


 「珍しい鉱石なんだね」


 「まだ人間界には発見されていない伝説の鉱石だよ。真っ白な鉱石でどんな魔法も攻撃も跳ね返す世界一硬い鉱石で、僕の無敵の毛も万能鉱石と同じ成分でできていると言われているんだよ」


 「これかな」


  私は洞穴にあった真っ白で50cmほどの石を片手で持ち上げた。



 「それに間違いないよ。『万能鉱石』は世界最高強度を誇る反面、加工次第ではゴムのように伸び縮みする不思議な鉱石なんだよ」


 「本当だわ」



 私は真っ白の石の端を両手で引っ張ってみると、石は壊れることなく1mほど伸びたのである。



 「・・・ハツキお姉ちゃん、加工しないと『万能鉱石』は伸びたりしないんだよ」


 「え!そうなの」


 「そうなの!ハツキお姉ちゃんは、世界一硬い鉱物を強引に引き伸ばしたのだよ」


 「そうなんだ。でも、そんなに硬くないわよ」



 私が少し力を入れて石を横に曲げると石は簡単に折れてしまった。



 「ハツキお姉ちゃんにかかれば『万能鉱石』も小枝のように簡単に折れてしまうんだね・・・」



 プリンツは呆れ顔でつぶやいた。



 「あんまり役に立たない石だね」


 「違うよ。『万能鉱石』は加工は難しいけど、最強の武具を作れる素材だよ」


 「そうなの。それならもらっておくわ」



 私は洞穴にあった全ての『万能鉱石』を麦わら帽子の中に入れた。



 「さて、プリンツちゃん。寄り道は終わったし王都へ向かうわよ」



 私はプリンツとはぐれないように一緒に王都へ向かった。






 「リーゼ!なんて格好をしているのよ」


 「ローゼ、あなたこそを服を着なさいよ」



 リーゼとローゼは破廉恥な幻惑を見て自ら衣服を脱いで、あられもない姿になっていた。



 「本当に乳液砲は危険な攻撃ね」


 「そうね。あんなことやこんなことをさせられてしまったわ。周りに誰もいなくて本当によかったわ」



 リーゼとローゼは服を着てやっとモザイク処理から解放された。



 「しかし、私たちが幻惑で辱めを受けていた頃、ここで何があったのかしら」



 リーゼとローゼが周りを見渡すと、干からびたホルスタインの群れ、喉元をざっくりと切られて死んでいる魔牛の群れ、そして、乳液の泉で耳から血を流して死んでいる牛牛王がいたのである。



 「デスカーニバルでも起こったのかしら?」


 「でも、牛牛王とホルスタインは愛人関係であり、魔牛は牛牛王の支配下にあるはずよ」


 「しかし、冒険者が退治したのなら魔石・素材の回収をしているはずよ」


 「そうね。それならだれがモォーモォー山の頂点に立つ牛牛王を倒したのかしら?」


 「わからないわ。でも、これはラッキーかもね。私たちの目当てのホルスタインの乳袋だけでなく、たくさんの素材と魔石を労をせずにゲットできるわよ」


 「いえ、そんなことはないわ。私たちは魔獣たちにお嫁にいけない姿を披露してしまったのよ。だから、十分苦労はしたはずよ。魔石と素材は私たちのあられもない姿を見た代金としてきちんと頂いておくわ」


 「そうね」



 リーゼとローゼは収納ボックスに入るだけの素材と魔石をゲットして、一旦王都に戻るのであった。

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