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異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!  作者: にんじん


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別腹は底なしです


 「お前は巨人のカーネリアン。どうしてここいる」


 「お前は正面の門から堂々と逃げて来ただろ!あんな堂々と逃げておいて何を言っているのだ」


 「さすが『青天の霹靂』。俺が正面の門から逃げることを予測して見張っていたのだな。しかし、1人で俺を追ってきたのは間違いだったのではないのか?」


 「俺にタイマン勝負で勝てると思っているのか」


 「貴様こそ俺が誰かわかっているのか?俺はこの町の冒険者ギルドマスターそして、裏では盗賊ギルドマスターをしているアーベン様だぞ」


 「だからどうした。俺の前ではそんな肩書きは通用しないぞ」


 「俺がアピールしたいのは肩書きではない。俺はたくさんのお金を持っていると言いたいのだ。俺を見逃してくれたなら莫大な報酬をあげると約束をしようではないか」



 アーベンはニヤニヤと笑いながらカーネリアンに近寄ってくる。



 「お金など全く興味はない」



 カーネリアンは拳を握ってアーベンの腹部を殴りつける。



 「・・・」



 アーベンは声を上げることなく意識を失ってしまった。



 カーネリアンがアーベンを捕獲に成功していた頃、クロイツ子爵邸ではショコラが広間に用意させたテーブルの上で荒れ狂っている。



 「早くケーキを持ってくるよん。お菓子を持ってくるよん。ドリンクを持ってくるよん」



 ショコラによって全ての兵士を撃退させられたクロイツ子爵は、ショコラの要求通りにお茶会を開催することにしたが、お茶会をするつもりはなかったので、お茶菓子の用意ができていない。なのでショコラが荒れ狂っていたのである。



 「ショコラ様、もう少しお待ちくださいませ。すぐにお茶菓子を用意しますので」



 クロイツ子爵は使いの者を使って町にお茶菓子を買いに行かせていた。



 「ここにある全てのお茶菓子を無償でクロイツ子爵に差し出せ」



 使いの者は、茶菓子店に入ると無茶な要求をする。



 「それはできません」


 「お前はクロイツ子爵に逆らうのか?ここで平穏に仕事ができるのは誰のおかげだと思っているのだ!クロイツ子爵はシックナザール伯爵と仲がいいのは知っているだろう」


 「売り物を無償で提供することはできません。私たちも生活がかかっています」


 「黙れ!お前たちの生活などどうでもいいだろう。素直に差し出さないのなら無理矢理にでも持っていくぞ」


 「その辺にしておけゲス野郎が!」



 クロイツ子爵の屋敷から出てきた使いの者をバルザックとカーネリアンは尾行していた。



 「お前は・・・冴ない男」


 「黙れ!名前がないお前よりかは俺は冴えているぞ」


 「うるさい。俺の邪魔をするな。俺はお金など持っていないのだ。だから無償で茶菓子を渡せと言って何が悪いのだ」


 「お金がないのならこいつに出して貰えばいい」



 カーネリアンがアーベンを使いの者の前に投げ落とす。



 「アーベン様。クロイツ子爵様は借金まみれでもうお金がありません。今回の件はアーべン様の発案した案件です。責任をとってもらえないでしょうか?」


 「・・・」


 「アーベン、お前がお茶会を提案したのならきちんとお茶会を開催すべきではないのか?」


 「わかった。たかがお茶菓子だ。俺が用意しよう」



 アーベンはお茶菓子を買うことを承諾した。



 「店の主人、カリーナさんから話は聞いているよな」


 「はい。今日は全ての品を1000倍の値段で売るように言われています。なのでお茶菓子1つ大金貨1つになります」


 「お茶菓子1つが大金貨1つだと・・・ふざけるな」


 「今日は特別価格の日になっていますので、もし、お支払いができないのでしたら適正価格の明日にお越しください」


 「アーベン。お茶菓子を用意できなかったらわかっているよな。お茶会を開くことができなければ、お前はセリンセ嬢の誘拐に関与した罪で王都に連行する。お前は調べたらたくさん余罪が出てきそうだな」


 「・・・わかった」

 


 アーベンは冒険者ギルドに戻って今まで溜め込んだ全てのお金を使ってお茶菓子を購入した。


 

 しかし、アーベンが購入したお茶菓子だけでショコラは満足しない。



 「こんなの少なすぎるよん!もっともっとお茶菓子を用意するのよん」


 「クロイツ子爵、まさかこれだけの量でお茶会を開いたと言うつもりですか?あなたはこのお茶会の主催者ですよね。ショコラが満足するまでお茶菓子を用意するのが、主催者としての役割だと思いますわ」


 「しかし・・・私にはお金がありません」


 「この屋敷を売り払ってお金にすれば良いのですわ」


 「そんな・・・私はただでさえ借金があり家計は火の車です。屋敷を失ってしまったら、この後どうやって生活をすればいいのですか?」


 「何をバカなことを言っているのですか?お茶会をきちんと開かなければ、あなたは屋敷ではなく、囚人の町レクイエムに行くことになるのですわ」


 「嫌だ。あの町には俺は行きたくない。そうだ!シックナザール様お助けください。このお茶会の後見役はシックナザール様です。あなたにも責任はあるのです」


 「ふざけるな!違法な値段でお茶菓子を売っているのに、買えるわけがないだろう。お前の屋敷を売り払って買えばいいだろう。俺は関係ない」



 シックナザール伯爵は帰ってしまった。クロイツ子爵は、泣き崩れながら屋敷を売却する決断をして、茶菓子店の全てのお茶菓子を購入した。しかし、底なしの胃袋を持つショコラを満足させることはできなかった。

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