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世紀末とボク?  作者: さくら
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第一章 世紀末はいつですか?

 ざわつく雑踏の中、いきなりホイッスルに似た音が響いた。とたん、人々は足を止め、車やバイクなども止まる。街頭の巨大モニターとウィンドウに置かれたディスプレイに流れる宣伝だけが、動きがあるものだった。誰もその状態に疑問を持った様子はなく、次々と動き出したと思ったら、鞄やポケットから何かを取り出し始めた。一見、スマートフォンのように見えるものをそれぞれが手にし、何かをジッと待つ。すぐに、館内放送で流れる案内を促すピンポンパンポンという音が流れた。それに合わせ、街頭の巨大モニターとウィンドウに並べられたディスプレイから画像が消える。

『世紀末? スーパーバトルはっじまるよー』

 街頭に響く、少し舌っ足らずな話し方の少女の声が響いたとたん、巨大モニターやウィンドウに飾られたディスプレイに画像が映し出された。何かのタイトルロゴのようなものが映し出され、街頭に設置されているスピーカーから音楽が流れ出す。人々が手にしたスマートフォンもどきも、同じ画像と音楽を流し始めた。すでに世紀末から二十年以上は経っているというのに、誰もアナウンスの内容に疑問を持っていないようだった。

 徐々にタイトルロゴと音楽が小さくなっていく。人影の無いビルが建ち並ぶ街の画像に切り替わり、一人の少女が挨拶を始めた。続いて、簡単な説明を始める。説明が終わると画面が切り替わり、メイド服を着たショートカットの少女を映し出した。画面には『Kazuki Hitotose』と名前が表示された。カメラを向けられたことに気がついていなかったのか、少女は慌てて周囲の様子を確認するように頭を左右に振る。そして、すぐに戸惑いながらも頭を下げた。

「あ、あの。頑張ります。よろしくお願いします」

 そう言い、頭を上げる。画面を見ていた男性たちから声が上がり、手にした機械のボタンを激しく連打する者も現れた。

 画面が動き、少女の隣にいる人物を映し出す。とたんに、今度は黄色い歓声が上がり騒ぎ出す女性の姿が多数見られた。

 画面には、『Shizuki Hitotose』と名前が表示され、一分の隙もない燕尾服を身に纏い優雅にお辞儀をする人物の姿が映し出された。先ほどの少女と比べると少し長めの髪に華奢な体つきをしている。

「本日も、精一杯努めさせて頂きます。どうぞ、よろしくお願いいたします」


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