表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/166

学校開始

「自己紹介も済んだところで、皆の組分けをする。運搬用の生き物は赤、耕作用の生き物は青、警備用の生き物は黄色の線に並んでくれ。」


 ギルドマスター達の前にある三本の線。

 そこの線に、生徒達が並んだ。

 もちろんセシルは、黄色の線。

 ウルフの子は、セシルの横でお座り。


「よし並んだな。では、学校案内を始める。では、ギルド長。」


「おぅ、ギルド長だ。お前ら、よく来たなっ。歓迎するぞ。最近は取れる作物が減っていてな。だから、優秀な人材を育てるのに力をいれている。この大陸の生活の未来は、お前達にかかっている。その事を肝に命じておけ。以上。」


 思ったよりまともなスピーチだ。

 ギルド長として、未来を守りたいという思いがこもっている。


「ありがとうございます。ギルド長の言う通り、ここの学校は大陸の未来を担う為にある。そのつもりで、授業に励んで欲しい。では、次にトーパ先生。授業内容の説明を。」


「はいはーい。では、まず初日に全員で体力の測定。次の日に指示だしの練習。その次の日に、実際に外に出て、仕事でする事の練習。最終日に外に出て実際に仕事を体験してもらいまーす。以上。」


「不甲斐ないようなら卒業は認めさせれないぞ。そのつもりで。では、案内を終える。トーパ先生。後は、よろしくお願いします。」


 どうやら不合格もあるようだ。

 案内が終わってギルドマスターとギルド長が奥へと引っ込んだ。

 代わりにトーパが、生徒達の前に出た。


「じゃあ、みんな。自分の相方を連れて自分の色の所に行ってね。」


 生徒達が、小屋へ向かった。

 そして、自分達の相方を出していく。

 出てくる生き物は、馬や草食小竜や鳥といったものだ。

 

「じゃあな。」


「おう。」


「頑張れよ。」

   

 相方を連れた生徒達が挨拶をかわして別れていく。

 セシルも同じく、黄色の線の場所に行く。

 そこには、鳥を木の台に移している男女がいた。


「お、あんたさっきの大変だったな。実は、俺達も勧誘されたんだよな。」


「そうなのよ。私達みたいな警護組と、商業組は専属の契約を結ぶのが当たり前だしね。まさに、こういう場所は勧誘するのに丁度良いのよ。」


「だからお前さんも気を付けろよな。まぁ、こちらにも顔を知ってもらえるってメリットがあるから良いんだけどな。」


 この場所には、将来活躍する者達が集まっている。

 つまり、ギルドを越えた繋がりが出来るという事。

 ここの生徒たちは、既に未来を見据えて動いているのだ。

 そんな話をしていると女性の職員がやって来た。


「どうも。君達の計測を担当します。よろしくね。」


 こちらに向けてお辞儀をした。

 セシル達も、お願いしますとお辞儀をした。

 すると、トーパが拡声器でこの場にいる全員に伝える。

 

『あー、あー。聞こえてるね? じゃあ、始めようか。君達には、これから身体測定をしてもらうよ。赤は持久力。青は脚力。黄色は瞬発力。それぞれの役目の適正を調べる。では、各職員に従って始めてね。』


 それだけ言って、拡声器を置いたトーパ。

 そこにアメッサが近づいて、なにかを話し始めた。

 なにか用事でもあるのだろうか。

 ともあれ、今は身体測定。

 職員が準備を始める。


「さっきトーパ先生が言っていたように、相方の瞬発力を鍛えるから。調べる項目は三つ。指示を出してからの反応速度。行って戻るまでの速度。投げたものを拾う速度。それぐらいの指示は覚えさせているはずよ。」


 すべて、トーパから教わった事だ。

 この為に教えたという事だ。

 職員が、下に木の板をしいた紙とペンを持った。


「ではまず、君から。」


 まず男性が呼ばれた。

 鳥を腕に掴ませて前へ。

 職員が本人かを確認。


「間違いないね。じゃあ、飼い主が指示を出してから測定が始まるからね。基準は一秒以内かどうかで。では始め。」


 男性が笛を吹いた。

 すると、すぐさま鳥が飛んだ。

 笛を吹いて戻す。


「よし。次、奥の線まで飛ばしたら戻してね。基準は、十秒以内。始め。」


 もう一度、笛を吹いた。

 すると、またすぐに飛んだ。

 今度は、線まで飛んだのを確認して戻す。

 素早く方向を変えた鳥が戻ってきた。


「問題なし。順調だな。今度はこの玉を持ってくれ。」


 男性が、ある玉を持った。

 その玉からは、後ろで見ていたセシルまで届くまでの生肉の臭い。


「それを、遠くに投げて拾うまでの速さだ。帰るまでのは含めないから、ゆっくりで良いからね。では、どうぞ。」


 男性が玉を投げて笛を吹いた。

 地面についた玉を拾おうとするも、持てずに通りすぎる。


「あっ、惜しい。」


 もう一度、拾いにいく。

 くわえて空へ。

 今度は、上手く持てたようだ。

 笛を吹いて鳥を戻す。

 男性が職員に聞いた。

 

「失敗した場合どうするんです?」


「特に無いよ。あくまで明日する事を決める為の物だからね。だから、一応最初に失敗して触れた分も計測してあるよ。」 


 男性は、ほっと胸を撫でている。

 あくまで計測、しかし恥ずかしい所を見せられない。

 すると、女性がセシルに話しかけてきた。


「彼、凄いね。私なんてちゃんと指示が出来るか心配なのに。」


「自分もだよ、でも相方を信じるしかないから。」


「そうだね。よし、負けないぞっ。」


 やる気が出たようだ。

 セシルもウルフの子を見る。

 ウルフの子も、首を傾げて見つめ返してくる。


(一緒に過ごした時間は無駄じゃ無いよな。)


 セシルもまた、やる気を出す。

 計測を終えた男性が戻ってきた。

 鳥を木に戻す。


「いやぁ、失敗しちゃった。」


「良かったじゃん。気にする必要はないよ。」


「うん。凄かったよね。」


「そうかな。いつも通りしただけだよ。」


 セシルと女性で褒めると、男性は照れてうつむいた。

 褒められて嬉しいのだろう。

 職員が次の人を呼ぶ。


「つぎは、君ね。」


「私だ。行ってくるね。」


 女性は、相方の鳥を腕に移して計測へ。

 笛を持って、準備をする。


「することは、さっきと同じだからね。では、最初の測定から。」


 先程の男性と同じように、笛を吹いて飛ばす。

 二つ目までは、順調だったけど女性も三つめで失敗した。

 測定を終えて戻ってくる。


「やっぱりむずかしいね。あれ。」


「多分だけど。わざと、拾いにくくしてるんじゃないかな。」


「どうして?」


「本当に欲しいのは、再び拾いに行く時間の方かもって。」


 確かに、計測するのにわざわざ掴みにくい物を選ばない。

 なら、そこに何か理由があるはずだ。

 職員が最後の人を呼ぶ。


「最後に君、セシル君ね。」


「頑張ってね。」


「冷静にな。」


 二人が応援をしてくれる。

 心強い声援だ。

 ウルフの子を連れたセシルが測定へ。


「ウルフの子も同じようにって言われているから、同じ事をするからね。じゃあ、始めていいよ。」


 ウルフの子を見て笛を吹く。

 少し待って走り出した。

 長く吹いて呼び寄せる。


「ギリギリ良し。本当にギリギリだけど。」


「よし、良いぞ。」


 ウルフの子の頭を撫でてあげる。

 ウルフの子は、ワンと吠えて受け入れた。

 気持ち良さそうだ。

 職員が数値を書き込む。


「じゃあ、次。」


 再び吹くと、今度はすぐに走り出した。

 線を越えたのを見て、笛で呼び寄せる。

 ウルフの子は、すぐに帰ってきた。

 また、ウルフの子の頭を撫でる。


「今度は問題ないね。ではこの玉を持って。」


 前の二人と同じ、生肉の臭いがする玉を持つ。

 でも少し大きい。

 セシルが職員に聞いた。


「この玉、他の二人とは違うんじゃ。」


「さぁ、君のはトーパ先生が用意した物だから私には分からないわね。じゃあ、始めて。」


 ボールを投げて、笛を吹くとウルフの子が走り出した。

 何度もやった事だ、自信はある。

 ボールに駆け寄った、ウルフの子がボールをくわえるが落としてしまう。

 今度はしっかりとくわえる。

 それを見て、笛で呼び寄せる。


「よし。こっちだ。」


 すると、目の前でまた落とした。

 再びくわえてセシルの下へ。

 ボールを受け取ると、代わりに頭を撫でた。


「よし。計測完了ね。これで、測定は終わりよ。お疲れさま。トーパ先生が呼ぶまで待機しててね。」


 全ての測定が終了。

 職員が、他の職員と合流しに向かった。

 セシルは、二人の下へ。

 二人がセシルに、声をかける。


「お疲れさま。中々良かったよ。」


「うん。ウルフがここまで人の指示を聞くなんてね。」


「まぁ、最後上手くいかなかったんだけど。」


「やっぱり。僕達に言ってない物も計ってたね。」


 ウルフの子がくわえにくそうにしてたのには、何か理由があるのだろう。

 男性の言う通り何かあるのは間違いないようだ。

 しばらくすると、トーパが拡声器を通して言う。


『おつかれさーん。全員、無事終了。今日はこれで終わりだよ。私達はこれからだけどねぇ。これから職員さんに寮に案内してもらうから従って動いてね。じゃあ、かいさーん。』


 そう言って、職員を引き連れ建物へ戻るトーパ。

 代わりに、二人の職員が来た。

 ともかく、何とか初日は乗り越えたようだ。

ここで書くとネタバレになるのでトーパに任せます。

でも、深い理由はないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ