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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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ギルド長

 職員に連れられ、アメッサと共に学校内に入るセシル。

 向かう先は、受け付け。

 アメッサが、荷物から資料を出した。

 受け付けがその資料を確認する。


「登録者はセシル様。相方は、ウルフの原種。身分証はありますか?」


「はい。ハンターギルドのカードなら。」


 取り出したカードを職員に見せる。

 カードと資料を見比べていく。

 しばらくしてカードが返される。


「確認しました。ようこそ、歓迎いたします。」


「は、はい。よろしくお願いします。」


 お互い頭を下げあった。

 無事、登録を済ませれたようだ。

 すると、トーパが追い付いてきた。


「やぁ。登録は済ませれたかな?」


「はい。おかげさまで。」


「いやいや。用意したのは、ほとんどアリアだしね。私達は特に何にもしてないよ。むしろ、出番はこれからだし。」


「出番?」


 何かこれからするようだ。

 しかし、何も答えないで背を向けるトーパ。


「じゃあ、アメッサ。あとはよろしくね。」


「はーい。そっちも頑張ってね。」


「では、トーパ様。こちらへ。」


 職員と共に、学校の中へ消えていったトーパ。

 後から来て先に学校の中へ。

 セシルとアメッサが残される。

 すると、奥から大柄な職員が現れた。


「よぅ。おめぇらが例のか。」


「ちょっ。ギルド長っ!」


「ギルド長?」


 現れた職員はギルド長のようだ。

 意外な人物の登場に驚いてしまうセシル。

 その反応にギルド長が笑った。


「はっはっはっ。そうだぜ、ここで一番偉いのが俺だ。なんだ、ギルド長は初めてか?」


「はい。ギルドマスターなら何度か会いましたけど。」


「ギルドマスターは、俺の命令をしたっぱに伝える奴らだ。他のギルドは各町に配置されているが、うちは特殊で各担当分野に別れてんだ。」


「各担当ですか?」


「そうだ。この辺りにある畑を取るとこや、海の魚を取るとこ、とかな。普段は、任せっぱなしだから。ほとんど顔を出さねぇけど。」


「だから、私が来たんですけどねぇ。」


 ギルド長の後ろから声がした。

 一同がそちらを見ると、別の男性職員が現れた。

 溜め息をついてお辞儀をした。


「どうも。そのギルドマスターです。担当は、ギルドの仕事で使う生き物の管理です。皆さんの担当を任されたので準備をしていたのですが。」


「いいじゃねぇか。スピナ嬢ちゃんの連れだぜ? 俺が顔出さねぇでどうするよ。」 


「言ってくれれば後で連れていきますよ。まず、自分の仕事をしなさいな。」


「あん? んなもん、とっくに終わらせたぜ。」


 したっぱが、ギルド長に注意をしている。

 しかし、ギルド長は怒らずに言い返している。

 上下の垣根がないのだろう。

 これもまた、信頼なのだ。

 今度はセシル達に、ギルド長が質問をする。


「そういえば、スピナの嬢ちゃんは来てねぇのか?」


「スピナは今、エリア改装の指示出し中です。しばらくは来れないかと。」


「そうかい。そんじゃあ仕方ねぇな。まぁいいや。そんで、ここに入学するってのは、そこの少年でいいんだな?。」


「はい。それとこのウルフです。」


「なるほど。こいつが例の。いい目してんじゃねぇか。」


 しゃがんでウルフの子を見るギルド長。

 構わず頭を撫でる。

 セシルが聞く。


「怖くないんですか?」


「あん? たかがウルフだろ? ハンターが間に合わねぇ時は、俺達で追っ払ったりするからな。ウルフ一匹程度にびびる奴は、ここにいねぇよ。いたらつまみ出してやるぜ。」


「えぇ。ここの生徒もですよ。商人もいますが、ウルフ程度に驚いていては大陸横断なんて職業は勤まりませんから。」


 実は、ウルフの子が周りを怯えさせないかと、気にしていたのだ。

 しかし、ギルド長とギルドマスターが、太鼓判を押してくれた。

 何とも頼もしい場所だろうか。

 すると、ギルドマスターが話を切り出す。


「では、そろそろいきましょうか。これから、入学の案内を生徒達にする予定です。」


「おぅ。行こうぜ。」


「あなたも来るんですね。」


 来なくて良いよの気配を漂わすギルドマスター。

 しかし、ギルド長はお構い無し。

 四人と一匹で学校の中へ。


「あぁ、そうだ。実地試験の場所変えれねぇか?」


「何故ですか?」


「この国の姫さんがこっちの港に来るってよ。」


「あぁ。帰国されるってもうすぐですか。でも、なぜここに?」


「なんでも。大陸の上の海が通行禁止になったってよぉ。下は下だしで、都市に行けそうにねぇって。んで、ここの視察もかねてこっちの港から王都に帰るってよ。」


「分かりました。考えておきますね。」


 二人が仕事の話をしている。

 実地試験という事は、セシルに関係ある事だ。

 質問しようとしたセシルの代わりにアメッサが聞いた。


「姫様が? それっていつですか?」


「えぇと。三日後ですね。」


「三日後。どうしよう。」


「何かあったのか? 嬢ちゃん。」


「え、いえ。こっちの話です。」


 誤魔化すアメッサ。

 何か思い悩んでいる。

 ギルド長が言った。


「まぁ、いいか。んで、目的の場所はどこだ?」


「もうつきますよ。って、知ってて下さいよ。って、本当に来るんですね。」


「おぅ。俺が喋る時間作っといてくれな。」


 来るどころか喋るつもりのようだ。

 ギルドマスターは、呆れつつも分かりましたと返答した。

 すると、一同は広場へと来た。

 その場所には、既に何人かの生徒らしき人が来ていた。


「では、もうすぐ始めますのでお待ちください。」


「私も離れて見ているからね。」


 そうして、セシルとウルフの子が取り残される。

 ウルフの子は、律儀にお座りしている。

 その頭を撫でるセシル。


「さて、どうしようか。」


 すると、ワンと返事をした。

 でも、言っている内容は通じてないのだろう。

 しばらく、体をもんでいると人が寄ってきた。


「それってウルフか? 臭いのかぎ分けとかは出来るのか?」


「いえ。まだですけど。」


「じゃあ、出来たらうちで働かないか?」


「えっ。」


 急な勧誘が来た。

 とっさの事で、戸惑うセシル。

 さらに、他の人も来た。


「おい。先に勧誘かよ。卑怯だろ。」


「早い者勝ちだろ。うちに来て、きのこを見つけてもらう。」


「いやいや。それなら土だろ。いい土の場所にはきのこでも何でもある。」


「いいえ。見つけるなら水でしょ。水があるところにいい土もあるの。」


 セシルをほっといて話し合いを始めた。

 恐らく商人だろう。

 ウルフの子の鼻を評価して、引き入れたいようだ。

 商魂たくましい。

 すると、とある男性が大声を出した。


「君達いい加減にしたまえ。彼が怯えているだろう。」


 怯えていませんよ、と言いたいが言えない雰囲気。

 すると、その男性はセシルの所に来た。


「すまないね。商売の事になるとこうなるんだ。」


「当然だろ? 砂に埋もれた小さな砂金も見逃すなが家の家訓だ。」


「そうそう。私の所もそうだよ。」


「えーとその、自分もうハンターなので。」


 同じ生徒達の圧にそう答えるしか出来なかった。

 ハンターなので協力は出来ない。

 しかし、生徒達は引かない。


「なら、尚更だな。」


「あぁ。危険な場所の素材の場所を探せるというものだ。」


 危険な所にいかされるのだろうか。

 まぁ、エリアのような場所はいかないだろう。

 すると、先程大声を出した男性が言った。


「だから、無理矢理押し付けるんじゃない。」


「押し付けてないよ。勧誘しているだけだし。」


 確かに無理矢理な要求をしている者はいない。

 それに、セシルはそれに慣れている。

 なぜなら。


「いえ、その。似たような人達といるんでお構い無く。」


「それって私達の事かーい?」


「ひっ。」


 耳元でぼそりと声がした。

 驚いて振り向くと、そこにはトーパがいた。

 にやにやとこちらを見ている。

 

「はーい。静かに。始めるよー。」


 手を叩いて指示をだすトーパ。

 なぜ彼女がしきるのかと疑問に思うセシル。

 すると、ギルド長とギルドマスターと共に壇上に立った。


「静かになったね。では、どうぞ。」


「えーと。あぁ、じゃあ。今回のまとめ役を勤めるギルドマスターのジャグニスだ。」


 急に話を振られ慌てて話し出すギルドマスター。

 続いて、ギルド長が挨拶。


「飛び入り参加の、ギルド長のファーグルだ。よろしくぅ。」


 まさかの大物の登場に生徒達がざわついた。

 いきなりギルドの頭が出てきたらそうなるのも仕方ない。

 最後にトーパが挨拶。


「やぁやぁ。君達の教師を勤めるトーパだよ。トーパ先生って言ってね。」


 額に開いた手の甲をあて、遠くを覗くポーズ。

 前髪の奥でウインクをして、ニヤッと笑う。

ギルド長は社長。

ギルドマスターは課長。

大体そんな感じです

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