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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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レッスン一、座学

「レッスンですか?」


「そう、レッスンだよ。ちゃんと世話が出来ないなら任せられないからね。」


 トーパの言う通りだ。

 世話の出来ない人に預ける訳にはいかない。

 その為の知識が必要なのだ。

 アメッサが、ウルフの子を台に置いた。


「その前に、ここでじっとしててね。」


 ワンと一声。

 柔らかい毛布で包むアメッサ。

 大人しく、毛布に顔を埋めている。

 トーパが、その様子を見ている。


「か、可愛い。」


「そうだね。でも怪我をしているから無茶は駄目だよ。」


「セシル君もこの子を持つときは注意してね、足の下から抱えるように。あ、でも、傷がある方は肘で固定するだけ。そうじゃない方を手で支えてね。」


 傷がある方の足に、圧力がいかないようにしなくてはいけない。

 もう少しで治るというのに、また傷口が開いては大変だ。

 運ぶ時は、慎重にしないといけない。


「じゃあ、セシル君はここに座ってくれたまえ。」


 そう言って、ウルフの子の横に椅子を置くトーパ。

 その椅子にセシルが座った。

 ウルフの子がセシルを見てくる。


「それにしても、ここまで人になつくなんてねぇ。後から来た私にも受け入れてくれたし。」


「やっぱり、ウルフの子の原種なのには間違いないですね。」


「最初聞いたときは驚いたよ。でも、ウルフが人になつくなんてあり得ないからね。」


 これは、アリア達も言っていた事だ。

 やはり、野生のウルフが人になつくなんて絶対にないのだろう。

 セシルが二人に疑問を聞く。


「そもそも、どういう生き物なんですか?」


「とある一族が共存してたって資料が残っているんだ。匂いで獲物を見つけたり、逆にモンスター級との接触を回避したり。見つけた獲物はウルフが首に噛みついて、飼い主がとどめをさすってね。」


「今では村も無くなって、ウルフの原種も野に放たれていなくなったって話です。」


 飼い主がいなくなれば、ウルフの原種の居場所もなくなる。

 野に放たれたウルフは、正しい生き方が分からない。

 その結果、他の品種と混ざって生活。

 違う品種と子供を作っていった事により原種の数が減っていったという事だ。


「まぁ、そういう事だから、文献でウルフの子の扱いは分かるという事だよ。」


「でも、出来ない事は、私達で見つけるしかないんですけどね。」


「ミルクの調合とかだね。一応、アメッサが用意してくれてるから安心していいよ。」


「でも、ミルクの調合とか、自分出来ませんよ?」


「子供の間は私が用意するよ。素人が作ると危険だからね。問題は大人になった時の食事だよ。」


 元々、セシルが飼う事になっている。

 子供のご飯は専門家じゃないと作れないから協力しているだけ。

 大人になってからがセシルの仕事だ。

 アメッサが解説する。


「文献には捕った獲物を分けてるってあるから基本的には肉や魚だよ。」


「肉はまだしも、魚は調理が必要になるんだけどね。」


「骨が刺さりますもんね。」


「そうだよ。取ってからあげないと危険だからね。」


 そう補足するトーパ。

 人間と同じく、犬の喉にも刺さってしまう。

 注意が必要との事だ。

 トーパが続ける。


「そういえば、魚の骨も火を通せば食べれるよ。」


「健康豊富で体に良いですよ。」


「まぁ、要するに自然にある生き物は、大抵食べれるということだよ。あぁ、一つの肉を左右からかじるってやってみたいなぁ。早く大きくならないかなぁ。」


 そう言って、ウルフの子の体を揉むトーパ。

 ウルフの子は、気持ち良さそうに受け入れている。

 アメッサも頭を撫でる。


「それと、水にも注意してね。冷たいのを飲ませるとお腹を壊しちゃうから。」


 それも、人間と同じ事。

 気をつけないといけない。

 アメッサが続ける。


「お腹を壊すと言えばトイレですね。基本、朝と夜だと思う。」


「トイレと言えば、フンとかは研究所とかで買い取ってるから利用するといいよ。」


「へぇ、肥料に出来るんですね。」


「肉食のは難しいけどね。バイ菌がいっぱいだから。でも、研究所なら専門家もいるし取り扱ってると思うよ。ちなみに、私もそういうのを取り扱っている所の仕事を持ってるから、よろしくね。」


 急な宣伝が入ってきた。

 流石、学者の集団なだけあってカバーが広い。

 セシルが質問をする。


「他には、どんな事を?」


「基本的には、モンスターや獣の素材の加工とかしているよ。後、ハンターが取ったお肉の加工とか。生き物から取ったものを人間に使ってもらう、見たいな事をしているんだ。」


「良く押し付けて来るよね。でも、骨で作った医療道具は、丈夫で使いやすいから頼っちゃうんだけど。」


「どんどん使っちゃってねぇ。あ、大蛇のサイフいる?」


「いらないよ。金運だっけ? 興味が湧かないかな。」


 またもや否定される大蛇サイフ。

 取り出そうとしたのを戻すトーパ。

 どこか悲しそうだ。


「残念、生き物の良さを知って貰いたいだけなのに。」


「トーパのは異常なんだよ。」


「マニアだからね。生き物好きなら誰にも負けないよ。」


 今度は、嬉しそうに言っている。

 よほど、生き物が好きなようだ。

 今度は、セシルに詰め寄るトーパ。


「あっ、セシル君。世話で必要な物があったら言ってね。何でも作っちゃう。」


「はぁ、そこまでしてくれるなんて、本当に好きなんですね。」

 

「もちろん。生きたのも素材になったのも全て好き。実家の部屋は、素材で作った小道具ばかりなんだよ。」


 かなりのマニアっぷりだ。

 セシルが圧に押される。

 すると、トーパが懐から何か取り出した。


「そうだ。これ、あげるよ。」


 取り出したのは一つの笛。

 受け取ったセシルがそれを見る。

 材質は骨のようだ。


「この子に指示を伝える奴だよ。必要でしょ? それ。」


「わざわざ作ったんだ。」


「うん、研究でね。生き物の群れを誘導できないかって、スピナに言われてね。それで作った一つだよ。実験作だけどね。セシル君に丁度良いかって持ってきた。」


 実験台という訳だ。

 でも、ありがたい。

 それだけ思ってくれているという事だ。

 セシルが頭を下げる。


「ありがとうございます。」


「いいよ。その代わり、その子が大きくなったら枕にさしてね。」


 この人は、どこまでいってもぶれない。

 とうのウルフは、あくびをしている。

 眠そうだ。


「まぁ、伝えれる事はこんな所かな。」


「そうだねぇ。あとは、水浴びが好きとか、骨をかじるのが好きとか。ウルフの本能は大抵残っているぐらいか。まだ、研究途中だから何とも。」


「動きに関する研究はまだだからね。今のウルフに比べてどれくらい動けるとか。」


 傷が治りきらないと、走らせる事が出来ない。

 そうなると、研究も止まる。

 セシルが質問をする。


「いつになったら糸を取るんです?」


「明日様子を見て明後日かな? それまでは、安静だね。」


「だとすると、出発は三日後かな。学校までには間に合いそうだねぇ。」


 出発は三日後。

 何も聞かされていないけど準備は良いのだろうか。

 セシルが質問をする。


「情報とか特に知らないんですけど。」


「そういえば、こっちで動かしていた事案だからね。うっかりだ。」


「まぁでも、特に必要な物はこっちで用意いているから大丈夫ですよ。」


 セシルにとって初めての学校。

 なので、用意をしてくれているなら安心だ。

 トーパが言う。


「ちなみに当日は、私達の竜車で移動するからチームには言って置いてね。」


「一緒に来てくれるんですか?」


「それは、ふふ、当日のお楽しみだよ。」


「そういう事です。」


 楽しそうに笑っている二人。

 ウルフの子は、とうとう寝てしまった。

ウルフの子の事より、トーパの説明回なような。

生き物好きのトーパとアメッサと行動する事になります。

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