神獣戦。
入り口は塞がっているので一旦戻る。
それから、別の道に入り密林を抜ける。
森に入って、神獣の斜め後ろに竜車をつける。
神獣は、エリアの外へ向かって歩いていく。
シルファがアリアに問う。
「で、どうするつもりなん?」
「取り合えず、遠距離砲撃を与えましょう。それしかないわ。」
今出来る事といったらそれしかない。
上階の設置型ボウガンに、アリア以外の裏方が集まる。
一定間隔の距離で狙いを定める。
それを、カリネが指揮する。
「アリア。もう少し近づける?」
「確か道は。そういえば。でも、かなり近くなるわよ?」
「かーぺきだよっ。がんがん近づいちゃって。」
ルートを変えて神獣に急接近。
後少しで踏み潰されるぐらいの距離に近づいた。
すると、新兵器を取り出すカリネ。
設置してあった一台を取り外し代わりにつけた。
「発射っ。」
ボウガンから爆発音。
その直後、筒状の物が飛び出して神獣の膝裏に直撃。
神獣は、歩みを止めて踏ん張った。
「アリア、もっと近づいて。」
「そういう事ね。任せて。」
さらに、近く。
尻尾のほぼ下へ。
カリネが指示を出す。
「ここでいいよ。皆も狙って。」
「狙いはどこっすか?」
「私の後に続いて。」
竜車の上から、矢や筒が何度も飛び出す。
狙うのは、奥の後ろ足。
集中して、打ち続ける。
カリネが叫ぶ。
「じゃんじゃん撃って。」
「効いているんですか?」
「もちろん。足を見て。」
神獣の足を見るセシル。
血が流れ始めている。
そうしていると、神獣が足を支えきれず膝を折る。
そのまま、神獣が横に傾く。
「アリア戻って。」
「えぇ。」
元の場所へ離れる。
すると、そこには綺麗な坂が出来ていた。
その直後、ハント組が飛び出した。
「なるほど。そういうなんよ。」
「これなら。」
斜めになった、神獣の胴体をシルファとユーリアがかけ上がる。
岩のような皮膚に足をかけ素早く登る。
その後を遅れてエリクとグレンが追いかける。
それと同時に、ボウガンを胴体に向けるカリネ。
「狙いはここっ。」
狙いは砕けた箇所。
先程の自走船からの砲撃でひびが入った場所だ。
そこに砲撃をあたえる。
グレンとエリクが、そこを目印に飛び込んだ。
「エリク合わせろっ。」
「任せなっ。」
カリネの砲撃で、既にボロボロだ。
そこに、大剣と槍斧を叩き込んでいく。
割れた岩皮膚が剥がれていく。
でも、小さい。
「充分だよ。ひびが広がってる。離れてっ。」
そこにもう一度砲撃。
直後に爆発。
さらに、散らばった場所で爆発。
より広い範囲の皮膚が剥がれる。
「最後は任せなっ。」
「合わせるっ。」
上まで登ったシルファとユーリアが飛び降りた。
落下するように、剥がれた箇所を斬る。
体を回転させるようにもう一撃。
剣を刺して落下を止めて、力を込めた一撃を叩き込む。
神獣の胴体から血が流れる。
「おっしゃあ。決まったんよ。」
「初めてのダメージ。」
森の樹へと落下する二人。
グレンとエリクも続けて飛び降りる。
それでも神獣は、倒れず止まる。
咆哮しながら体勢を戻す。
グレンが悔しそうに言う。
「無理か。」
「いや、向きを変えたんよ。」
シルファの言う通り、神獣は向きを変えて歩きだした。
エリアの奥に向かって歩いていく。
エリクが叫んだ。
「おい、逃げる気か。」
「追いかける?」
ユーリアが言った。
繰り返せば、もっとダメージを与えられるはずだ。
「いえ、やめましょう。追いかけるのは危険だわ。」
四人が飛び降りた樹の下に、竜車を止めたアリアが否定した。
エリアの奥という事は危険が増える。
アリアが解説する。
「この先は、危険が増えるわ。前回見たいな協力的なのが出てくれるとは限らない。」
「じゃあ、このまま見逃すのか?」
「えぇ、そうするしか無いわね。」
邪魔が入れば、同じ事は出来ない。
やるなら、邪魔が入らない場所でやるしかないのだ。
神獣を見送る一同。
シルファが呟いた。
「結局進展はないんよ。」
「そんな事無いわよ。エリアの外に出るのを防げた。それに、収穫もあったしね。」
「収穫?」
ユーリアが聞いた。
先の道に落ちた岩皮膚の欠片を見るアリア。
先程、剥がした物だ。
アリアが答える。
「わざわざ残してくれたのよ? 有効に扱わないとね。」
「なるほどな。なんに使うか分からねぇけど、成果はあったって事だな。」
「そういう事よ。」
エリクの言う事を、アリアは肯定した。
研究者として何か考えがあるのだろう。
グレンが一同に指示を出す。
「神獣の事はギルドに任せて、俺達は戻ろう。」
「それが良い。」
同意したユーリアを先頭に樹から降りていく。
そして、竜車に乗り込む。
すると、通信機が鳴り出した。
ボタンを押して繋げる。
出たのはガーネリヤだ。
『アリア。先程のをやったのはアリア達か?』
「その事なんだけど。荷車を用意して頂戴。」
『唐突だな。言えば何でも出るって思ってないかい? まぁ、あるんだけどね。』
「じゃあ、よろしく。」
『え、ちょっ。』
問答無用で、通信機を切る。
まだ何か言いたそうだったが無視をする。
感心したエリクが言う。
「用意してるんだな。」
「彼女はそういう人よ。」
「言ったら何でも出てきそうなんよ。」
呆れたシルファが言った。
竜車に乗り込み、ガーネリヤを待つ。
水を飲みながらしばしの休憩。
「動いた後の水は美味しいんよ。」
「いつも以上に動いたからな。」
「大変だった。」
疲れた体を水が癒す。
しばらくしないうちに、荷車を引いた竜車が現れた。
中から、エメリナとガーネリヤが出てくる。
「到着。やっぱりここだね。」
「まったく、居場所ぐらい言いなさいよ。」
「分かると思って言わなかったのよ。」
「あのねぇ。・・・まぁいいわ。」
諦めて追及を辞めるエメリナ。
言っても無駄だろうと判断したのだ。
そして、降りてきたグレンと向き合う。
「お疲れさまでした。後は、私達で引き受けます。」
「そうか、でも念のためついていこう。」
「よろしくお願いします。」
アリア、エメリナ、ガーネリヤ、グレンで、皮膚片を集めに行く。
落下先をアリアが見ていたので向かう先は分かっている。
欠片を集めて、荷車に乗せていく。
大きいのはグレンが運ぶ。
最後のを乗せたエメリナが、額に汗を拭いた。
「よし、これで全部ね。帰りましょう。」
「帰って良いの?」
「えぇ。後の事は、ジンバルさんがやってくれるそうよ。」
「そうなの? なら研究所に帰りましょう。」
アリアとグレンがチームの竜車に戻る。
そして、エメリナ達の竜車を先頭に走り出した。
森を抜けて、エリアも抜ける。
都市を目指して走り出した。
道すがら、ガーネリヤが言う。
「帰ったら早速研究だな。」
「そうね。手がかりが掴めれば良いのだけど。」
「どうせアリアも既に知っている事だろうけど、間違いなくあいつはこの土地の生き物ではない。」
「集めた皮膚で、上の島か下の島に住んでるかが分かれば良いんだけど。」
「傷をおったあいつは、間違いなく自分の巣に帰る。ここからが正念場だ。」
傷を癒すために、自分の巣に帰るのだ。
他の島に逃げられたら場所が分からなくなる。
それが一番恐ろしい事だ。
知らない場所から来られたら対処が出来ないからだ。
この先の行方は、この研究者達にかかっている。
二人が言い合っているうちに、竜車は都市についた。
神獣戦を真ん中に入れていいか迷いました。
後の出来事が弱く見えるかもだったので。
でも、今回の出来事がウルフの子供に繋がるので中間に入れました。
つぎから、やっと本題です。




