密林を切り開け。
香りを漂わせている鳥竜が四方から襲われる。
首や胴体といった噛まれている場所から血が流れる。
しかし、それでもモンスター級の存在。
あっという間に振りほどき、尻尾を打ち付け吹き飛ばす。
さらに、ドロッとした炎の塊を大虎に吐いた。
体についたそれは、ひばりついて払えない。
大虎がほえる。
「奴のブレスに気を付けるんよ。」
「危険。」
シルファとユーリアが、目の前にいた大鼠の背中を駆け上がる。
左右から首を斬って、離脱する。
さらに、肉食小竜のボスをユーリア、大虎をシルファが斬りつけた。
「一瞬で決めれば問題ねぇ。」
エリクが槍斧を、鳥竜の顔に叩きつけた。
反れた顔に槍を突き刺して押さえつける。
そして、あらわになった首の付け根にグレンが大剣を叩き込んだ。
耐える鳥竜。
しかし、膝をつかせた。
「まだまだぁっ。」
一度大剣を引くグレン。
そして、下に構えて斬り上げた。
下からの衝撃を受けたことにより、鳥竜がひっくり返った。
そこに、肉食小竜の子分が集まった。
ついでにたかられているエリクが払う。
「邪魔くせぇ。払われるだけなんだからじっとしてろっ。」
案の定、払われて吹き飛ばされる。
解放された鳥竜が、大きく羽を広げた。
突っ込んで来たが、避ける。
そして、振り向き様にブレスを吐いた。
エリクとグレンが、肉食小竜の裏に隠れてやり過ごす。
「あぶねぇ。」
「盾がいたから良かったがっ。」
盾にした肉食小竜を蹴飛ばすグレン。
吹き飛んだ肉食小竜が鳥竜にぶつかる。
肉食小竜にひばりついた炎の塊が、鳥竜の顔に押し付けられてしまう。
槍の一撃で砕けた鱗の隙間に入り込んだ炎が鳥竜の皮膚を焼いた。
暴れる鳥竜。
その鳥竜の首にエリクが槍を突き刺した。
「自分の炎に焼かれちゃあ世話ねぇなっ。」
「全くなんよ。」
「同意。」
槍を押し込んで持ち上げた首に、シルファとユーリアが斬り込んだ。
ついでに、胴体に上がって翼を裂く二人。
すると、エリクの槍を振り払った鳥竜が踏んづけようとジャンプした。
しかしそこには、グレン。
「任せたぜっ。」
「あぁ、終わらせよう。」
横に避けたエリクの代わりにグレンが下へ。
踏まれる瞬間、大剣を振り下ろす。
向かってくる鳥竜を叩き落とした。
地面に落ちた鳥竜は後ろに動かない。
するとまた、肉食小竜が集まってきた。
エリクが怒る。
「こいつらまたっ。」
「いや、放っておこう。俺達の目的はこいつらを倒すことではない。」
「まぁ、そりゃそうだけどな。」
あくまで道を切り開くのが目的。
相手をするのは、大物だけで良い。
用がないなら、早くここから去るべきなのだが。
ぴーひょろろろ。
コガラキの鳥が鳴いた。
また、大物が来たらしい。
周囲を警戒する一同。
すると、沢山の虫が集まってきた。
嫌がるシルファ。
「うへぇ。集まってきたんよ。」
「面倒だな。」
グレンが呟いた。
それと同時に、一回り大きいのが現れた。
群れのボスだろう。
肉食小竜に襲いかかった。
エリクがグレンに聞く。
「あれも倒すんだろ?」
「そうだ。大物は全て倒す。例外はない。」
「じゃあ、とっとと済ますんよ。」
駆け出すシルファ。
ボスは、肉食小竜を前にある足で捕まえ食べ始めた。
そのうちの一本を切り落としたシルファ。
肉食小竜が下に落ちる。
虫のボスが、シルファを睨む
「おっと。こっち見てると、足下すくわれんよ。」
虫のボスがシルファに飛びかかろうとする。
次の瞬間、後ろの足が切り落とされた。
失敗に終わり横に倒れる。
「ほら見たことか。」
足を切り落としたのはユーリア。
真ん中の足も、切り落とす。
シルファの横で止まる。
「すくわれてはいない。」
「そこは、追求しなくていいんよ。」
虫のボスの片側の足は無くなった。
もう片側の足でもがいている。
そこに、グレンが大剣を斬り上げてひっくり返した。
その上にエリクが乗った。
「よっしゃ。くたばりなっ。」
槍斧でお腹を切り裂いた。
さらに、槍を突き刺した。
この一撃で動かなくなる。
エリクが降りた。
「思ったよりちょろかったな。」
「所詮は虫だ。そんなもんだろう。それより、他にはいないよな?」
周りを見渡しても、何もない。
肉食小竜と虫の群れがいるだけだ。
お互い争っている。
コガラキが空を見る。
「反応は無さそうっす。」
「だな、用事が無ければ用はない。」
「こっちを見てない内に離れてしまうんよ。」
「次に行こう。」
他のハント組も同意して、竜車へ向かう。
小物を狩っていた探索組が、牽制しながら後に続く。
全員、竜車に乗り込んだ。
アリアに指示を出すグレン。
「用事は済んだ。進んでくれ。」
「分かったわ。急ぎましょう。」
竜車が走り出した。
それと同時に、各地で音がし始めた。
戦っているのだろう。
声や何かがぶつかる音が聞こえる。
グレンが反応した。
「第二陣って奴か。動き出したようだな。」
「えぇ、後は任せましょう。本部に連絡しておいたからこっちにも来るはずだわ。」
自分の役目を果たすため、海へと進んでいく一同。
雑魚だけなら出番は無い。
道に戻って、樹のアーチの中を潜っていく。
ぴーひょろろろ。
コガラキの鳥が鳴いた
すると、目の前に一匹の大猿が現れた。
立ち塞がっている為、通れない。
「目の前に敵。止まって。」
小竜達は止まらない。
その代わりに、ぶもーと鳴いた。
任せろと、いうことらしい。
「そういう事ね。分かったわ。全力でいきなさい。」
ぶもーと返事する小竜達。
竜車の速度が上がっていく。
一方、向こうもこっちに気づいた。
四足歩行で駆け出して迎え撃つ。
アリアが手すりを掴んだ。
「みんな、衝撃が来るわ。」
一同は、近くにあるものを掴んだ。
次の瞬間、衝突した。
竜車全体に衝撃が広がる。
しかし、竜車は止まっていない。
圧倒的なパワーで大猿を押していく。
そんな中、アリアが気づいた。
「駆猿ね。四足歩行に特化した体。それ故に、他の大猿より力がない。」
どんどん押しながら、突き進んでいく。
なすすべなく、押されていくだけの大猿。
向かう先には、別れ道。
そのまま進んで、分かれ道の樹に突っ込んだ。
また、衝撃が広がる。
大猿は、失神した。
それを確認した竜車が下がる。
すると、グレンが飛び出した。
「後は任せろっ。」
小竜の背中を駆けた。
そして、飛びかかるように大剣を叩きつけた。
血が吹き出した大猿は絶命した。
アリアが、小竜を誉める。
「よくやったわね。」
小竜は嬉しそうにぶもーと鳴いた。
グレンが戻ると、竜車の向きを変える。
迷わず、分かれ道の片方の道へ進んでいく。
アリアが説明する。
「この道を抜けたらすぐに海よ。」
「よし、進もう。」
道を進んでいくと、樹が無くなった。
目の前には、一面の海が広がっている。
そして、何隻かの船が浮いている。
「海に出たわ。」
「第一段階完了だな。」
竜車の中に入ったアリアが通信機で連絡を取る。
そして、報告をする。
「こちらアリア。無事、海に出たわ。」
『了解した。ちょうど第二陣が雑魚を狩っている所だ。そのまま待機してくれ。』
通信機に出たのはジンバルだ。
複数の車輪の音が、密林から聞こえる。
段々と近づいているのか、音が大きくなっていく。
順調のようだ。
すると、海が騒がしくなる。
「おい、何かがこっちに来ているぞ。」
「止めろっ。」
船の上にいる何人かのハンターらしき人達が、武器を抜いて海に飛び込んだ。
何度かの水しぶき。
その直後、それが陸に上がった。
遠くにいるグレン達には見えない。
すると、グレン達を見つけた海のハンターが声をかけてきた。
「あんたらハンターだろ? 作戦に支障がでちまう。あいつを止めてくれっ。」
「っ。分かった。行こう。」
作戦に影響するのなら放っておく訳にはいかない。
アリアに目配せをする。
何も言わずに頷いたアリアが、竜車を走らせる。
声をかけてきたハンターの船がついてくる。
「いいか? 奴は大ワニだ。疲れたら海に飛び込む。そうすれば、後は俺達でやる。それと、顎には気をつけろよ。人間なんてあっという間だ。」
「分かった。急ごう。」
「あぁ、頼んだぜ。」
竜車は、陸に上がった大ワニに向かって進んでいく。
水棲生物を書きたかった。
でもこれ以上出すべきかなと、大ワニで妥協。




