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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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事態急変

 町を出た竜車は都市に向かって進んでいる。

 その上に、セシルとコガラキが上っている。

 ウルフを飼うことをコガラキに伝える。


「実は、ウルフの子を引き取る事にしたんですよ。」


「へー。じゃあ、覚える事がいっぱいっすね。」


「そうなんです。それで、鳥を飼ってるコガラキさんにも教えてもらいたいと。」


「いいっすよ。あっしに出来る事なら何でも教えるっすよ。」


 好意的に受け入れるコガラキ。

 言うなれば、生き物を飼っている先輩だ。

 頼りになるだろう。

 早速、コガラキに質問する。


「そもそも、コガラキさんにとってその子って何なんですか?」


「もちろん、相棒っすよ。」


 迷う事なく、そう答えた。

 近くで待機している鳥も同意するかのように翼を広げた。

 その鳥を見ながらコガラキが続ける。


「上もなく下もない。ただ、対等な存在っす。」


「難しいですね。」


「いっしょにいれば分かるっすよ。」


 コガラキが鳥に指を近づけると、頭を擦り付けて答えた。

 息があったやり取り。

 対等である証だろう。

 そんな話をしている間にも、竜車は進んでいく。

 ちょうど、道のりの真ん中に差し掛かるであろう時だった。

 突然、通信機がなった。

 アリアが言う。


「リーダー、出てちょうだい。」


「あぁ。」


 受話器を取らず、ボタンを押したグレン。

 通信機自体から、声が出るようになるボタンだ。

 すると、通信機からガーネリヤの声が聞こえた。


『やぁ、私だ。やはりもう出ていたのか。こっちに連絡して正解だったね。』


「そうね、まだ途中だけど都市に向かっているわ。」


『すまないが、進路を変えてくれ。緊急事態だ。』 


 ガーネリヤがそう答える。

 何かあったらしい。

 竜車を止めてアリアが聞いた。


「何があったの?」


『海竜が神獣を攻撃した。おかげで、一気に神獣が動き出した。』


「なっ、海のハンターはどうしたの?」


『もちろん、必死に止めたさ。でも、複数体現れて止めれなかった。そうとう、神獣が迷惑だったんだろうな。』


 海竜から見れば、怪しい者が巣の近くで居座っている。

 しかも、その周りを、複数の船がまとわりついている。

 どうにかしたいと、思ったのだろう。

 ガーネリヤが続ける。


『エメリナもこっちに来ている。幸い、支援施設と協力して密林の前を占拠できた。アリア達も来てくれ。』


「分かったわ。ちなみにそっちの状況は?」


『キャンプを張って、ハンターチームを集結させている。恐らくアリア達が最後だろうね。揃い次第、作戦に移りたいから、着いたら直ぐに密林に入ってもらう。それまで、戦闘準備を済ませておいてくれ。』


 通信機が切れる。

 ガーネリヤの口振りからするに、時間が無いのだろう。

 竜車を走らせて、向きを変える指示を小竜に出すアリア。 

 仲間に指示を伝える。


「聞いてたわよね? いつでも戦える準備をしておいてね。」


「分かった。始めとくんよ。」


 シルファが答える。

 既に着ている防具以外の、武器、ポーチを着けていく。

 セシルとコガラキも、上に置いてある武器とポーチを着けた。

 すると、越境近くの町が見えてくる。

 その横を、竜車が抜ける。

 アリアが、仲間に伝える。


「もう少しで、エリアに入るわ。」


「場所は、分かっているのか?」


「えぇ、密林の入り口ならあの場所しかないわ。ガーネリヤが教えなかったのは、そういう事でしょう。」


 アリアが断言した。

 アリアに任せるまま、竜車がエリアに入る。

 森に囲まれたその場所を竜車が走る。

 その地面には、奥に向かって複数の車輪の後が向かっている。

 つまり、何かの乗り物が何度もそこを通ったというわけだ。

 森の中を進んでいくと、開けた場所に出た。


「ここね。やっぱり合っていたわ。」


「もう皆いるのか。やはり、俺達が最後のようだな。」


 開けた場所には、複数のテントが建っている。

 エリアの端には、自走船が並んでいる。

 そこで、ギルド職員とハンターらしき人達が準備をしていた。

 その中でも、一際大きいテントに竜車を止める。

 中から、ジンバル、ガーネリヤが出てきた。

 ジンバルが、アリアに言う。


「ようやく来たか。準備は既に済んでいるぞ。」


「都市の近くまで行っていたのだから仕方ないわ。それで、どうなっているの?」


「海のハンターが止めているが、いまだ進行中だね。陸地に向けて着々と歩みを進めている。今すぐに向かいたい。」


 あれから、歩みを止めていないようだ。

 いずれ、陸地についてしまうだろう。

 それまでに、どうにかしたいようだ。

 アリアが聞く。


「それで、作戦内容は?」


「お前達が先陣を切って、道を作る。途中に大物クラスがいたら討伐して欲しい。雑魚は無視しても良い。第二陣に狩らせる。」


「分かったわ。早速密林に入るわ。そういえば、エメリナは?」


「自走船の確認中だね。これから連絡するところだ。」


 テントに戻るガーネリヤ。

 備え付けの通信機の受話器を取って連絡する。

 エメリナが出る。


『こちら、エメリナ。どうしたの?』


「アリア達が来た。作戦を始める。」


『了解。指示を出すわね。』


 受話器を置いて、テントを出るガーネリヤ。

 ジンバルも、近くの職員に指示を出している。

 キャンプ場全体が慌ただしくなってきた。

 ガーネリヤが言う。


「準備完了だね。時間が惜しい、早速向かってくれ。」


「えぇ、行くわね。」


「任せたよ。」


 竜車が走り出す。

 向かう先は密林の入り口。

 コガラキが笛を吹くと、鳥が飛んだ。

 ガーネリヤとジンバルに見送られながら、密林に突入した。

 アリアが上を見る。


「森林よりも樹が高い。しかも、植物が多い。物影に注意してね。」


 アリアの言う通り、通常よりも樹が高い。

 もはや、アーチの中を進んでいるような感覚だ。

 視界も悪く、どこに何がいるのかは分からない。

 グレンとユーリアが周りを見る。


「確かに。これだと、何処に何がいるのかは分からないな。」


「見えない。」


「あっしの鳥も、道の上しか確認できないっす。」


 コガラキも同意する。

 これだけ隠れていると、上空からも見えないだろう。

 見えなければ見つけられない。

 エリクが言う。


「おい。見つけられねぇと戦えねぇぞ。」


 エリクの言う通り、見えない相手とは戦えない。

 これでは目的は果たせない。

 すると、アリアがカリネを呼ぶ。。


「カリネ。目的地に近づいているわ。準備して。」


「りょーかい。いつでもどうぞ。」


 カリネが返事すると、その目的地まで向かう。

 樹のアーチの中を潜りながら進んでいくと、その場所に出る。

 そこの部分だけ空間が出来ている。

 そこで、竜車が止まった。


「ついたわよ。」


「こんなぎちぎちの場所に、広い空間があるんよ。」


「ハンターがよくキャンプを張る場所よ。だから、整地されているの。」


 シルファの疑問に答えるアリア。

 整地されてあるため、環境が整っている。

 キャンプを張るには、申し分ない場所だ。

 エリクが質問する。


「で、ここで何をするんだ?」


「もちろん、こうするんだよ。」


 広場の中央に玉を投げるカリネ。

 地面につくと炸裂。

 しかし、何も起きない。

 シルファが聞いた。


「何も起こらんよ?」


「そんな事はないよ。ほらっ。」


「っ。何か匂ってきた。」


 ユーリアがその匂いに気づいた。

 それに続いて、全員が気づいた。

 それは、嗅いだ事のある匂い。

 エリクが言う。


「こいつぁー。前の鳥竜の匂いか。」


「そうだよ。玉に詰めたんだよ。名付けて香り玉っ。」


 以前の戦いの事。

 エリアを荒らした、一匹の鳥竜が放出した匂い。

 この匂いで餌を集めて捕食するつもりが、鳥竜自身が捕食されるという結末を迎えるはめになったあの匂いだ。

 エリクが気づく。


「ってことは、そういう事か。」


「そういうことだよ。」


 つまるところそういう事である。

 辺りが段々騒がしくなってくる。

 アリアが言う。


「戦いたいと言ったのはあなた達よ。今更、びびっては無いでしょうね。」


「当然なんよ。」


「全く、面白そうな事考えてくれるぜ。」


「いつでもどうぞ。」

 

 アリアが煽ると、出口に足をかける事で答えるハント組。

 その直後の事だ。


ぴーひょろろろろ。


 コガラキの鳥が鳴いた。

 すると、大虎が現れた。

 飛び出すやいなや、竜車を見た。

 更に、爪の長い大鼠が現れて大虎に襲いかかった。

 大鼠を撥ね飛ばし、反撃をしかける。

 しかし、新たに現れた肉食小竜のボスが邪魔をした。

 子分が襲いかかる。

 大虎が払うと、ボスが突進。

 そのボスに、大鼠が爪を刺した。


ぴーひょろろろ。


 また、コガラキの鳥が鳴いた。

 その直後、上空から羽ばたきの音。

 以前の香りを出すのとは違う鳥竜が降り立った。

 モンスター級の存在に、他のは引いて牽制をする。

 その鳥竜に向かって、カリネがボウガンを向けた。


「待ってましたっ。」


 その先から出るのは一つの玉。

 鳥竜に当たると炸裂した。

 その玉は、先程と同じ香り玉。

 鳥竜の体に、匂いが着いた。

 殺意が鳥竜に集まった。


「今だっ。」


 グレンの合図でハント組が飛び出した。

 地面に着地するや、武器を抜いて駆け出した。

 探索組も、武器を取り出し後に続く。

 グレンが叫んだ。


「短期勝負だ。時間を取るな、速攻で沈めろ。」


 ハント組が、群れに飛び込んだ。

密林の道は、基本人が作ってます。

そうしなければ、足の踏み場も無いのです。

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