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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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新たな施設

 セシルが乗った竜車は、門を抜け町を出た。

 そのまま、支援施設へと向かう。

 竜車の中には、セシルとギルドマスターとそのお付きの者が乗っている。

 セシルがギルドマスターに質問をする。


「場所ってどの辺ですか?」


「町と村の中心ぐらいだな。まぁ、少し村よりにはなるか。」


 どうやら、村の近くに建てられるようだ。

 これで、何かあってもすぐに駆けつけられるだろう。

 村人として、セシルが例を言う。


「村のために、わざわざありがとうございます。でも、やり取りが不便じゃ無いですか?」


「問題ない。通信機の電波は届くし、竜車ならあっという間だ。それに、あの場所にハンターが集まれば、何があっても対処しやすくなるだろう。」


 支援施設があれば、ハンターも休憩や情報を求めて集まる。

 そうなると、対処できる可能性がぐんと上がる。

 ギルドマスターが続ける。


「まぁ、エリア外の施設だからあまり費用を割けなかったから、良いものは作れそうにないがな。」


「充分ですよ。報告が出来るようになるだけでも助かりますよ。」


 以前は、連絡手段が無いせいで、町まで走る目にあった。

 村にいながらも連絡が出来るなら、もうあんな事にはならないだろう。

 お付きの者が外を見た。


「ギルドマスター、そろそろです。」


「って、そんな事を話している内にだな、ほら、なんの問題ないだろ?」


 セシルも外を見る。

 ギルドマスターの言う通り、そこには見たことがある壁があった。

 周りの樹よりも少し低く、隠れて見つけづらい壁が現れた。

 その一部の、開いた場所に竜車が入っていった。

 ギルドマスターが壁を見上げて言う。


「まだ門は出来ていないのか。でも、壁はもう出来ているのか。さすがだ。」


「さすが?」


「行けば分かるさ。」


 ギルドマスターは、にやりと笑う。

 この壁に何かあるのだろうか。

 そんなこんなで、竜車が止まった。

 ギルドマスターとお付きの者が、竜車を降りる。


「セシルも降りてこい。」


 促されたセシルも竜車を降りる。

 外に出ると、壁の中を見渡す。

 まだ建物は出来ていなく、所々に骨組みが立ってあるだけだ。

 しばらく眺めていると、職員がやって来た。

 ギルドマスターに話しかける。


「ギルドマスター。長旅、お疲れさまです。」


「ありがとう。施設長はいるか?」


「はい。案内役を任されています。こちらへどうぞ。」


 歩き出した職員の後を、三人がついていく。

 骨組みを避けて、奥へと向かう。

 その先に、一人の女性と見覚えのある老人がいた。

 ギルドマスターが声をかける。


「やぁ、ルイナ。ご苦労だ。」


「あっ、お疲れさまです。あれ、その少年は?」


「って、あんた、セシルじゃないか。」


 ギルドマスターの代わりに、老人が反応した。

 老人の正体は、クレハ村の村長だ。

 反応するのは当然だろう。

 村長にルイナが聞く。


「知り合いですか?」


「うちの村の出身じゃ。今は、ハンターやっとる。」


「そうでしたか。私は、この施設の責任者を任されましたルイナと申します。よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。セシルです。」


 お互い向き合って頭を下げた。

 どうやら責任者のようだ。

 思ったより若い。

 ギルドマスターが説明する。


「最近、こっちに来たばかりだ。彼女が立候補して施設長に決まった。」

 

「来たばかりで気まずかったのでこっちに来ました。本当なら、あなたと同じぐらいの二人の娘も警備で来るはずだったんですけど、怪我したので休ませています。」


 ルイナの言葉に反応するセシル。

 該当する二人に心当たりがあるからだ。

 もしかしなくても、スイとルイの親だろう。

 ギルドマスターがルイナに謝る。


「あの件は、こちらの不手際だ。申し訳ない。」


「いえ、ハンターに言い訳はききません。でも、おかげであの子達も、状況を見るのも大事だと学んだ事でしょう。」


 親なのに意外とあっさりとしている。

 信じているのか、厳しく指導しているのか。

 ルイスが続ける。


「ともあれ。クレハ村の協力もあり、責任者として施設の設計を監修しています。」


「うむ、クレハ村のためじゃ。いくらでも協力するつもりじゃよ。」


「なるほど、それで村長がいるんですね。」


 納得するセシル。

 まさか、クレハ村が建設をしているとは思わなかった。

 ギルドマスターがセシルに言う。


「どうだ。驚いただろ? セシルがいない間、村長が町に来てな。施設の話をしたら協力するって言ってくださったんだ。」


「当然じゃ。木の備品もは全てクレハ製じゃ。」


「助かります。これ以上の職人はいませんから。」


 ルイナがお礼を言った。

 それで、この速さで壁が出来たのだった。

 ギルドマスターがルイナに質問する。


「それで、進捗はどうだ?」


「あっ。本題を忘れていました。説明をしますね。」


 今いる場所は、二つの建物に囲まれた場所。

 大きく細い建物と、小さく広い建物がある。

 まず、小さい方の建物に指をさすルイナ。


「あっちの建物は職員が寝泊まりする建物です。」


「山から水を引いてくるから、食事を作るのもシャワーも完璧じゃ。」


「本格的だな。」


 村長の説明に、ギルドマスターが驚いた。

 確かに、近くに山がある。

 村長が言うなら、山の情報も調べあげているのだろう。


「まぁ、近くに水が流れる山があったおかげじゃ。」


「それに関しては助かります。」


 ルイナが言った。

 水があるのは大きい。

 それだけで、生活水準が上がる。

 続いて、大きい建物を指をさすルイナ。


「あっちが施設の主な活動場所です。職員用の情報を整頓する場所や、ハンター用の擬似的なギルドハウスみたいなのを作る予定です。」


「そんな所だろうな。広さ的にも申し分なし。よし、本部には順調だと伝えておく。」


「良かったです。それでは、このまま進めておきますね。」


「まぁ、わしらに任せば大丈夫じゃ。」


 自信満々に言う村長。

 実際に、立派な壁を見れば信じざるをえないだろう。 

 ふと、セシルが疑問に思う。


「そういえば、自走船は無いんですか?」


「そりゃあな。セシルが見たのはエリアの施設だろ? 自走船があるのは、そういう危険な場所だけだ。」


 今思えばその通りだ。

 安全な場所にわざわざそんな物を置く必要はない。 

 すると、村長が言った。


「自走船か。面白い事を聞いた。無いなら作ってしまえばいい。」


「作れるのか?」


「本物に比べると人力じゃがな。出来ない事もあるまいて。でも、ここなら充分役に立つじゃろう。」


 職人魂がうずくのだろうか。

 村長の言う通り、少しでも強い武器があるだけで心強い。

 でないと、草原のエリアの二の舞になってしまうだろう。

 ギルドマスターが礼を言う。


「助かります。それで、自走船を保管する場所も欲しいんですが。」


「分かっておる。任せなさい。」


 施設が立派になっていく。

 これが出来るのはクレハ村の技術の賜物だ。

 ギルドマスターとルイナで、ギルドの話をし始めた。

 その間に、セシルが村長に話しかける。


「クレハ村。見ない間にすごく成長していきますね。」 


「セシルのおかげじゃ。お前さんが頑張っているのに自分がのんびりしてられんて、みなが躍起になっとる。お前さんの幼馴染みも、わしに弟子入りしていてな。毎日が忙しいわい。」


 困ったように言っているが、とても楽しそうだ。

 セシルだけでなく村の皆も前に進んでいる。

 それを聞いたセシルは、何だかほっとした。

 そんなセシルに、村長が言う。


「じゃが、まだまだのようじゃな。セシルはもっと先にいるようじゃ。かっこを見れば分かる。負けてられんな。」


 村長が笑いだす。

 まだまだクレハ村は、成長していくのだろう。

 村長が続けて言う。


「じゃから、セシルは安心せい。大方、村の事が気になってここに来たんじゃろう? 心配せんでも、森向こうの村も協力してもらっているし、皆も頑張っておる。だから、セシルは今出来る事に集中しなさい。」


 どうやら、セシルの事はお見通しのようだ。

 セシルは照れ臭く思っている。

 それと同時に、やる気もみなぎっている。

 絶対に守ると、改めて決意する。

 すると、ギルドマスターが話を終えた。


「よし。用事は済んだ帰るぞ。」


「何じゃもう帰るのか。セシルの両親がこれから来るのに。いや、まだ会うには早いかのぅ。もっと成長してからからか。」


「そうですね。立派になって帰ってきます。それまではまだ。」


 両親には会いたい。

 でも、もう少し心も体も成長してからだ。

 ルイナと、村長と別れる。


「さようなら。」


「じゃあの。行っておいで。」


「この施設、立派にします。だから、また会いましょう。」


 二人と離れると竜車に戻る。

 すると、すぐに施設を出る。

 ギルドマスターがセシルに聞いた。


「どうだった。」


「安心しました。」


「それは良かった。我々も、ギルド総出で盛り上げていくつもりだ。」


 それを聞いてセシルは安心した。

 ここに来た事によって、背中を軽く押された気持ちだ。

 不安が無くなったのを感じながら、町へと戻る。



 それから翌日。

 竜車に皆が乗り込んだ。

 アリアが皆に言う。


「さてと、まずは都市に行ってエメリナと合流ね。準備は出来ているかしら。」


 皆が頷いた。

 準備は既に出来ている。

 むしろ、今すぐ戦いたいぐらいだ。

 アリアが前座に向かう。


「それじゃあ行きましょう。」


 竜車が拠点から出発した。

クレハ村が世界トップクラスの交易の町になるのはまだ先の話。

書くかは分からないです。

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