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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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次の目的のための会議

 翌日、重たい物を持って練習を行った。

 手に持ったのは近くにあった鉄の棒。

 持ちやすい方法を、探りながら走り込む。

 それから小竜の世話も終わり、広間に向かった。

 そこでは、グレンとアリアが準備をしていた。


「セシル、聞いたわよ。ウルフの子を受け入れるんでしょ?」


「えぇ、自分に出来ない事を補ってもらえないかと。」


「それがいい。初めから何でも出来る奴なんていない。無理に一人でする必要は無いからな。」


 グレンの言葉に、セシルがはいと返事した。

 二人が賛成してくれる。

 アリアが言う。


「それじゃあ、エメリナの方には私から伝えておくわね。いいかしら。」


「お願いします。」


「まぁ、少し待ってもらうけどね。」


 もう引き返せない。

 引き返すつもりもない。

 前に進んでいると実感するセシル。

 話が済んだと同時に、何人かが広間に入って来た。

 真っ先に、シルファが座った。


「なんか、久しぶりなんよ。」


「帰ってきた時は、中までは入ってなかったからな。」


 エリクも座る。

 実質、町から離れた時以来の拠点の中なのだ。

 小竜の小屋からユーリアがやって来て座った。

 シルファがユーリアに聞いた。


「ユーリアは、毎日ここに来てたん?」


「世話があるから。」


「んじゃあ、ユーリアは久しぶりじゃねぇわけか。」


「うん。」


 そう言って、三人は寛ぎ始めた。

 すると、食堂からコガラキが現れた。

 食事を机に並べていく。


「ちなみに自分も久しぶりっすよ。」


「聞こえてたのかよ。じゃあ、コガラキもこっちには来てなかったんだな。」


「そうっすよ。充分に休ませて貰ったっす。」


 食事を並べ終えたコガラキも座った。

 各自、パンを取って食事を食べ始める。

 最後に、この騒ぎを聞きつけてカリネも来た。


「あれ? もう始まってる?」


「これからよ。早く座りなさい。」


「へーい。あー、匂いで空腹が。」


 アリアに促されたカリネが座る。

 ぎょうさんの惣菜を、パンに挟んでかじりついた。

 よっぽどお腹が空いていたのだろう。

 全員が揃ったのを確認したアリアが言う。


「全員いるわね。それじゃあ、始めましょうか。」


 そう言うと、一同の視線がアリアに集まった。

 ボードの端にグレンが立った。

 すると、アリアが言う。


「昨日伝えたけど、私達の目的である巨大な生き物。昔は、神獣と呼ばれていたらしいからそう言うわね。その、神獣が見つかったと、エメリナから報告が来たのよ。」


「神獣ね。で、場所はどこなんよ。」


 シルファが聞いた。

 すると、グレンが地図に印をつけた。

 アリアが説明をする。


「前回、神獣をそらしたでしょ? そのまま、真っ直ぐ進んで海の中に入ったらしいの。顔を水から出して呼吸している所を見つけたのよ。場所的には、都市の北西よ。」


 グレンがその場所に印をつけた。

 陸地からかなり離れている。

 エリクが聞く。


「ずいぶん、遠い所にいるな。よく見つけられたもんだぜ。」


「海にいるかも知れないってガーネリヤに伝えたら、あっさり見つけたわ。元々、そういうのの専門だしね。」


 場所さえ分かれば、後の特定は簡単だ。

 専門家のガーネリヤだからこそ、どんなに離れても追う事が出来るのだ。

 アリアが続ける。


「向こうによると、まだ神獣に動きは無いらしいわ。でも、その近くで海竜が目撃されているから、どうなるかは分からない。だから、私達に合流して欲しいのよ。」


「でもよ。海なら俺達の出番はないだろ。」


「本来なら、海のハンターの管轄なんよ。」


「小竜泳げない。」


 ハント組の三人が言った。

 海には海の、陸には陸のハンターがいる。

 戦うにしても、そこまでいく術がない。

 アリアが答える。


「残念ながら、少しずつ陸に向かっているらしいわ。もしそうなれば、戦う可能性がある。そうなると、ただではすまなくなるわ。」


「具体的に言うと?」


「砲撃音でエリア中の生き物が集まる。そうなると、かなりの数と戦う事になる。」


 追い払うための砲撃の音で、周囲の生き物が集まってしまう。

 そうなると、足止めが必要になる。

 シルファが言う。


「要するに、邪魔をする連中を俺達でどうにかしろという事なん?」


「そうね。今ごろ、私達が倒した生き物の後釜を狙って争い中よ。相等、敏感に周りを警戒しているはずよ。それに、そこまでの道を開かないといけないしね。」


「まだ何かあんのかよ。」


「えぇ。そこまでに行くには、荒れ地と海を挟んだ密林地帯を抜ける必要があるの。」


 海まで行くには、どうしてもエリアを抜けないといけない。

 エリアがあるところに生き物あり。

 海まで自走船を運ぶには、密林の安全を確保しなくてはならない。

 アリアが続ける。


「それで、私達にその役目を頼みたいって、向こう側が言っているらしいわ。」


「他にも参加するチームがいるらしいが、間違いなく俺達の出番は増える。」


 グレンが言った。

 攻めると守るの二つの戦い。

 戦いが増えれば出番も増える。

 しかし、それに怯える一同ではない。

 エリクが言う。


「なんだ、肩慣らしにちょうどいいじゃねぇか。」


「そうなんよ。今更、雑魚にびびる訳がないんよ。」


「同意。」


 ハント組は受けたいようだ。

 なにも神獣と戦えという訳ではない。

 今までの相手と比べると、たいしたことはないのだ。

 コガラキが続く。


「ま、お任せするっすよ。」


「私も良いよ。実験が出来るなら誰でも。」

 

「えぇと。頑張ります。」


 裏方組も受け入れる。

 基本的に、ハント組に任せているので文句は無い。

 同意と受け取ったアリアが言う。


「それじゃあ、明日出発するわね。準備を済ませておいて。」


 話し終えたアリアとグレンがパンを手に取った。

 いつも通りならこれで解散、のはずだった

 その直後、拠点の扉が叩かれた。


「おーい。誰かいるか?」


 扉の奥から声も聞こえてくる。

 取ったパンを戻したグレンが声をかける。


「開いてるぞ。入って来てくれ。」


 その声を聞いた人物が、扉を開いた。

 そこにいたのは、ギルドマスターだ。

 中に入って言う。


「会議中か?」


「いや、終わった所だ。それで、何のようだ?」


「お前達への手紙だよ。場所が分からないからってうちに来た。」


 手紙をグレンに渡す。

 中を開いて確認する。

 手紙の中には数枚の紙が入っていた。

 アリアがグレンに聞く。


「何が入っているの?」


「ちょっと待ってくれ。」


 一番前の折れた紙を取る。

 すると、奥からギルドの印だけの紙が現れた。

 疑問を持つも、折れた紙を開いた。

 そこには、文字が書かれていた。

 グレンが読む。


「リーダーグレン率いるハンターチームに、先日の功績を称えて昇格状を手渡す。」


「昇格状?」


「中にあるこれの事だろう。」


 手紙の中にある紙を、一枚アリアに渡す。

 受け取ったアリアがそれを見る。

 ギルドマスターが説明する。


「要するにあれだ。面倒事まとめて飛ばしてランクを上げるって奴だ。」


「いいのか? そんな事して。」


「まぁ正確には、クエスト外で倒した奴が、昇給するに相応しい相手と認定した場合に出される物だからな。お前達が倒したっていう漆黒の奴が、昇格クエストとして扱われたって事だろうよ。報酬も出るから安心しな。」


「面倒事を押し付けられる気しかしないわね。」


「まぁ、そう言うなって。この国の上級ハンターは少ない。お前達しか頼れるのがいないんだろう。」


 ランクが上がれば出来る事が増える。

 だから、上級ハンターの存在はありがたられる。

 アリアが聞く。


「そんなに少ないものなの?」


「そりゃあな。大きな各町に一つのチームって所か。しかも、あんたら程のハンターとなるといないだろうよ。」


 どんなに強いハンターも死ぬ時は死ぬ。

 何でも出来る分、危険な事を任せられる。

 数は、減っていくものだ。

 それだけ言うと、扉に向かうギルドマスター。

 出る前に、グレンに言う。


「じゃあ、俺は忙しいからな。」


「忙しいなら後でも良かったんじゃないか?」


「新しい支援施設を見に行くついでだ。時間もかからないしお前達も来るか?」


「することがあるから無理だ。そうだ、セシル行くか?」


 話を振られたセシルがグレンを見た。

 口の中のパンを飲み込んで言う。


「自分ですか?」


「あぁ、一番の当事者だからな。この間の事もあるし見ておきたいんじゃないか?」


「そうですけど。」


 実際、気にはなる。

 先日の大トカゲの件で、村の心配をしたのは確かだ。

 どんな所かは見ておきたい。


「でも、明日出発ですよ?」


「今日中には帰ってこれるぞ?」


「だそうだ。どうする?」


 今日中ならば、明日に差し支えない。

 しばらく考えて答えを出す。

 悩みは、解消してから出発した方がいい。

 

「分かりました。お願いします。」


「よし、準備が出来たら外に来い。」


 ギルドマスターが外へ出た。

 残りのパンを食べきったセシルも同じく外へと向かう。

 そこで、ギルドマスターと竜車に乗った。

これからは、巨大な生き物を神獣と呼びます。

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