表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/166

懐かしの拠点

 その次の日、ハンターチームの一同は竜車に乗っていた。

 小竜が繋がれ準備が完了する。

 竜車にエメリナが近づいた。


「アリア、そっちはよろしくね。皆さんも、ごゆっくりと休んでください。」


「えぇ、エメリナも頼んだわよ。それじゃあね。」


 竜車が発進し研究所から離れる。

 通路に出ると門を目指して進んでいく。

 その際、沢山の肉食小竜の死体が積まれた竜車が通っていく。

 昨日と違って一台ずつだ。


「まだ片付けに手こずっているんだな。」


「大物を運ぶのに手こずったって話らしいから、まだまだ終わりそうに無いわね。」


 運んではまた戻るを繰り返しているのか、多くの竜車が行き来している。

 その中を通り門へたどり着く。

 邪魔にならないように素早く手続きを済ませ門を出る。

 外に出てもまだ、竜車が行き来している。


「やっぱり多いな。」


「そりゃあ、あれだけの数がいたから当たり前なんよ。」


 床に寝転がっているシルファが答える。

 騎士団とギルドで何とか抑えれていたぐらいの数がいたのだ。

 運ぶのも楽ではないはずだ。

 セシルは昨日の事を思い出す。


「そういえば、漆黒の竜も昨日運ばれていましたよ。」


「あのデカさのを運んだのなら、手こずっても仕方ないな。」


 そう納得するグレン。

 そう話をしながらも、竜車は海から離れていく。

 そのまま、拠点の町へと一直線で向かう。

 途中には、エリアもないので危険はない。

 長い旅路の中、久しぶりの安らぎを堪能する一同。

 シルファとエリクが、この旅の事を振り返る。


「思い返してみれば怒濤の数日間だったんよ。」


「確かにな。普通のハンターなら数回は死んでるぜ。」


 思い返せば、たった数日の事だ。

 その間にあった事にしては濃密すぎる数日だった。

 その分被害も多かった。

 グレンも同意する。


「実際、沢山の人が死んでいるからな。それだけの大変な事件だったということだ。」


「そうよ。大蛇クラスが沢山でたのが異常なのよ。そう連続して相手が出来るような相手じゃないわ。」


 大蛇に限らず、出会った相手のほとんどが一体を相手にして戦うのが普通なのだ。

 そんなのがうじゃうじゃと現れる事で、どれだけ異常なのかが分かる。

 じっさいに、動けないほどの疲れと痛みを受けたのだ。

 しかし、悪いことだけでは無い。


「でも、間違いなく強くなれたぜ。」


「そう、悪いことだけじゃないんよ。」


「同意。」


「確かにな。与える一撃が重くなった感覚がある。」


 ハント組が強くなった事を実感している。

 勿論、裏方組も負けていない。


「それを言うなら私もだよ。色々出来る事が増えて満足だよ。」


「劇的に環境が変わったっすからねぇ。」


「自分も大きく成長できたような気がします。」


「そうね。私達も間違いなく成長している。これからも、全力でサポートするわよ。」


「そうか、それは頼もしい限りだ。」


 ハント組が戦えるのは、裏方のサポートがあっての事。

 改めて、グレンはそう思ったのだった。

 そんな話をしていると、拠点の町が見えてくる。

 竜車の中に伝えるアリア。


「見えてきたわよ。」


「ようやくなんよ。やっと寛げるんよ。」


「ちゃんと休みなさいよ?」


「それはアリアもだぜ。目を話したら何かやってそうだしな。」


「確かに。」


 エリクの指摘にアリアが黙る。

 ユーリアも同じく思っているようだ。

 疲れているのはアリアも同じはずなのだ。


「分かったわ。教授から話を聞いたらちゃんと休むわよ。」


 アリア自身も、思うところがあるのだろう。

 観念して同意する事にした。

 それと同時に、竜車が町へとたどり着く。

 門に入るといつもの門番が現れた。

 一度竜車を見た後、グレンを見るとまた竜車を見た。


「あんたらだよな? 久しぶりに会ったと思ったら随分と物騒になりやがったな。」


「こうしないといけない事情があってな。まぁ、気にしないでくれ。」


 あまりの変わりように、言いよどむ門番。

 なにせ、天井からは複数のボウガンが顔を覗かせ、周囲はトゲや骨で覆われている。

 動く要塞ぶりに変貌した竜車に呆気に取られたのだ。

 門番にギルドカードを渡すグレン。


「そう言うなら何も聞かないが。こんなに離れた事なんて無かったから心配したぞ。」


「確かに、こんなに離れたのは初めてだな。心配かけてすまない。」


 今までに無いぐらいに帰らなかったのだ。

 心配するのも当然だろう。

 謝るグレンに対して、頭を横に振る門番。


「いや、生きてくれているならそれで良い。あんたら、長旅で疲れてるんだろ? 立ち話で止めておくのも悪いし早く通りな。後、早く皆にも顔を出してやりな。」


「そうするよ。じゃあな。」


 カードを返して貰うと、門を抜け町に入る。

 久しぶりの町を堪能しながら拠点へと向かう。

 目の前に現れた拠点に懐かしさを感じる一同。


「なんか久しぶりに帰ってきた感じなんよ。」


「そうだな、実際は少ししか離れていないはずなんだがな。」


 シルファとグレンが、拠点を見上げる。

 そう思うのは、それだけ充実した経験をしたからだろう。

 見慣れているはずの拠点なのに、何だか安心感を感じるのだ。


「それでも、帰ってきたって感じがするぜ。」


「いつもと違う。」


 エリクとユーリアも同意する。

 思っている事は皆同じだ。

 そして、竜車が拠点の敷地に入った。

 倉庫を開けて中にしまう。

 その際、グレンが連絡を伝える。


「何かあれば連絡する。それまで休暇だ。それじゃあ、解散だ。」


 それぞれが、自分の自宅へと帰っていく。

 疲れた体を休ませるのだろう。

 小竜を小屋まで誘導していたユーリアも自宅へと帰る。

 この場に残ったのは、アリアとセシルだけだ。


「研究所に用があるのよね? じゃあ、行くわよ。」


「はい。いきましょう。」


 拠点には入らずに、アリアと共に研究所へと向かうセシル。

 拠点が名残惜しいが、約束があるのだ。

 約束を果たす為でもあるが、ウルフの子の事を聞かなくてはならない。

 拠点を出て、研究所への道を歩き出す。


「久しぶりですけど。元気にしてるでしょうか。」


「大丈夫よ。拠点の薬草で作るお茶には、健康に良い成分が入っているもの。」


「そんなのもあるんですね。」


「アメッサが私と教授の独立した事への餞別に贈ってくれた物の一つだもの。効果はお墨付きよ。」


 アメッサからのプレゼントらしい。

 薬草について詳しい彼女が贈った物なら相当良い物だろう。

 向こうの仲間達に、思いを馳せるアリア。


「まさか、あの子達を紹介する事になるなんてね。そんなつもりは無かったのに。」


「どうしてですか?」


「皆、それぞれの道を歩き出したからよ。迷惑をかけたく無かったの。でも、いなかったらどうなっていたか。」


 学校を卒業し、夢を叶えているのだ。

 それでもアリアの同僚達は、思う存分力を発揮し協力してくれた。

 そして、これからも力を貸してくれるのだろう。


「でも、向こうの皆さんも楽しそうでしたよ?」


「何だかんだ言って、馬鹿しかいないのよ。私も含めてね。」

 

 アリアは何だか楽しそうだ。

 楽しむために馬鹿になる。

 そうやって、自分の才能を伸ばしてきたのだ。

 そうしていると、目の前に研究所が現れる。


「ここも何だか懐かしいわ。もう、第二の拠点みたいな物ね。」


「教授に会うの楽しみですね。」


「そうね、早く行きましょう。」


 アリアも楽しみだったのだろう。

 二人は、研究所の扉を開けて中に入る。

 それに気づいた教授がそちらを向いた。

 教授に向かって二人が挨拶をする。


「ただいま戻りました。」


「お邪魔します。」


 教授が二人に挨拶を返した。

今回は短めです。

都市と荒れ地の町と拠点の町を点で結ぶと、下に長い三角になります(一番下が都市)。

なので、荒れ地の町に向かわなくても帰れます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ