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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
都市編

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鳥竜を襲った残酷な結末。

 音がするのはどうやら樹に隠れた奥のようだ。

 出来るだけ近づくと、偵察組が竜車から降りた。

 先が見えないという事は、偵察組の出番だ。


「ちゃちゃっと見てくるっす。」


「頑張ります。」


 樹を掻い潜りながら奥へ進んでいく偵察組。

 その先に空間が出来ており、そこで何かが動いている。

 よく見ると三匹の大翼鳥が何かをつついている。


「あれってもしかして。」


「そうっすね。例の鳥竜っすね。」


 大翼鳥がつついているのは、倒れている鳥竜だろう。

 鱗をつついて食べられないかを調べているようだ。

 それを確認した二人は、急いでその場から離れる。

 竜車に戻った二人は、見たものを報告する。


「見てきたっすよ。三匹の大翼鳥が鳥竜をつついてたっす。」


「大翼鳥にやられたという事か?」


 言葉だけ聞くとそうなるだろう。

 グレンが聞いたが、偵察組は分からない。


「分かんないです。ただ、鳥竜は、まったく動いてなかったです。」


 なにぶん遠い場所でよく見えなかったのだ。

 死んだのかどうかの確認は調べないと分からない。

 アリアが心配事を指摘する。


「早くしないと、食べられて死因が分からなくなるわね。誰が狩ったか知っておきたいわ。」


「なら早く、倒した方がいいな。お前達行くぞ。」


 ハント組が竜車から降りた。

 そして、偵察組に案内されるように現場に向かう。

 たどり着くと、まだ大翼鳥はつついている。


「速攻だ。仕掛けるぞ。」


 他の三人が頷くと一目散に駆け出した。

 武器を取り出しつつ、一瞬で距離を縮める。


「逃げる前にやれっ。」


 グレンが叫ぶ。

 先頭にいたシルファがユーリアが答える。


「任せるんよ。」


「やります。」


 奥の二匹が気づくも、すぐさま二人が飛び乗って首を斬る。

 更に、傷を裂いて広げる

 慌てて逃げようとして振り向いた一匹の首にエリクが槍を刺した。


「何処に行こうってんだ。」


 動きが止まった大翼鳥の首に槍斧を叩き込むエリク。

 その一撃で地に伏して息を引き取る。

 先に仕掛けた二人も、止めを刺して降りた。

 一瞬で方を付ける事が出来た。

 その速さにグレンが驚く。


「俺の出番は無しか。」


「リーダーは、今まで頑張ったんだ。雑魚相手ぐらい休んでおきな。」


 エリクがそう言うと、他二人も頷いて同意をする。

 今まで足を引っ張った分を取り戻したいのだ。

 そんなハント組に偵察組が声をかける。


「乱入はないっす。」


「同じくないです。」


 周りを見ていた二人が安全を主張する。

 すると、グレンが二人に新たな指示を出す。


「とりあえず、この匂いで他の者が来ないように煙玉で誤魔化してくれ。」


 分かったっす、と返事をしたコガラキが煙玉を直接地面にぶつける。

 セシルも、ポーチの煙玉を取り出して同じように地面にぶつける。

 すると、周りが煙で覆われて、匂いも煙の臭いで誤魔化せているだろう。

 ハント組が鳥竜の周りに集まる。

 

 「これでゆっくりと鳥竜の死体を調べれるな。」


 早速、鳥竜の死体を調べる。

 死体を見た一同は、その姿に驚愕して息が詰まる。

 まず、エリクが話を切り出した。


「ちらっと見えてたけどやっぱりか。」


「ありえない。」


「少なくとも、こいつらがやった訳では無さそうなんよ。」


 シルファの言う通り、その死体には大翼鳥には出来ないであろう決定的な証拠があった。

 なんと、鳥竜の片翼が無いのだ。

 ついばむだけの大翼鳥に、骨ごと食べるなんて出来るのであろうか。

 いくら見ても素人の彼らには分からない。

 グレンが、もと来た道を戻っていく。


「アリアを呼んでくる。見張っててくれ。」


「こっちに道があるっす。竜車を誘導するっすよ。」


 広場に繋がる道を辿って行くコガラキ。

 その間に、グレンが竜車に戻った。

 アリアに声をかける。


「すまないが、アリアに力を借りたい。コガラキの誘導に従って竜車を広場に入れてくれ。」


「? 分かったわ。」


 すると、目の前にコガラキが現れる。

 ちゃんと道は繋がっているようだ。

 竜車に向けて手を振るコガラキ。


「こっちっすよ。こっち繋がってるっす。」


 コガラキの案内についていき、広場に竜車を入れる。

 そこにある死体を見たアリアが察知する。

 竜車の前座から降りたアリアは、さっそく死体を確認する。


「なるほど。一撃ね。」


「それって一撃で引きちぎったって事か?」


 エリクが質問をする。

 アリアが頷いた。


「噛みついて振り回した。それで、千切れたのね。」


「振り回しただけじゃ、千切れないんよ。」


 今度は、シルファが質問をした。

 アリアは、淡々と答える。


「それだけ深く歯が刺さったのよ。見て骨が砕けているわ。」 


 はみ出ている骨を見るよう促した。

 骨は、圧力が掛かったかのように砕けていた。

 更に、アリアは死体を調べていく。

 すると、体に歯形があるのを見つけた。


「これは・・・。」


 一つ一つ距離が離れているので分かりにくかったが間違いなく歯形だ。

 自前のポーチからペンを取り出したアリアは、歯形の歯をなぞっていく。

 それが済むと、写真を取る。

 欠けてる部分はあれど、それによって歯形の全容が明らかになる。

 感想を述べるユーリア。


「大きい。」


「おいおい、これがもし本当ならヤバイんじゃねぇか。」


「大きいのか、長いのか。どっちにしろ、これをくわえてしまうほどの大きさなのは間違いないわね。」


 鳥竜の体にある歯形は胴体に収まっていない位の大きさなので、少なくともかじりついたで済まされる次元を遥かに越えている。

 それだけの存在がこの辺りにいるという事だ。

 そもそも何故こんな事になったのか。

 アリアが推測する。


「おそらく、匂いで犯人を呼んでしまったんでしょうね。」


「餌を取る為の匂いで、自分が餌になるとはな。」


 呆れるグレン。

 生きる為に得た能力で命を落とすとは、なんたる皮肉だろうか。

 しかも、いまだに体に残っている匂いを最後まで放出し続けて、死体を食べる生き物を集めている。

 そんな鳥竜を、アリアがフォローする。


「生きる為には、どうしても進化が必要なのよ。それが無ければ、結局命を落とす事になるの。」


 慈愛の目で鳥竜を見るアリア。

 手で死体を撫でる。

 研究者の視点からすると、その過程が尊く見えてしまうのだろう。

 その様子を黙って見る一同。

 彼らもまた、自然で生きる事の大変さを知っているので決して馬鹿になんてしたりしないのだ。

 すると、グレンが手を叩いて場を仕切る。


「さてと、もし犯人がまだいるとしたら放って置けない。探しに行くとしよう。」


 こんな生き物が人里に降りては大変だ。

 一つ目の目的は達成したのだ。

 早く、元凶を追わなくてはいけない。

 アリアが竜車の前座に戻る。


「そうね。早く見つけましょう。」


 ハント組も竜車に乗り込もうと向かう。

 偵察組も周りを見ながら竜車に向かう。

 その直後の事だった。


ぴーひょろろろ。


 コガラキの鳥が鳴いた。

 敵の接近を一同に知らせる。

 その声に、竜車に乗り込むのを中断する一同。

 周りを見て警戒をする。


「煙が晴れている。でも、匂いはもうないはずだ。」


 もう匂いは鳥竜の体にも無いし、周りのも煙の臭いと共に消えているはず。

 しかし、アリアがそれを否定する。


「匂いなら樹や地面に残っているわ。あんなに強い匂いだもの。あちこちに染み付いているのよ。恐らく匂いを辿って来たんでしょう。」


 警戒を続ける一同。

 すると、樹の間から大きな影が飛び出してきた。

 その姿は、大きな蜘蛛だ。

 一同を見ると、餌と認識したのか威嚇をする。


「噂してたのがいきなり現れたわね。皆、糸に気を付けてね。」


「分かった。アリアは、竜車を避難させろ。」


 グレンの指示に、分かったわ、と答え竜車を走らせるアリア。

 入って来た通路を戻ったのを確認した一同は、目の前の大蜘蛛に対面する。

 お尻を上げた蜘蛛は、ハント組に向かって糸を吐いた。

 それを、寸前にかわした一同。


「一度当たったら、動きを奪われる。絶対に当たるなよ。」


「分かってんよっ。」


 飛び出したシルファが、一番前にある足に斬りかかる。

 しかし、それをかわされる。


「早いんよっ。」


 大きい割に起動力があるのだ。

 そして、シルファに向けて糸を吐いた。

 それをなんとかかわす。

 蜘蛛の動きを見ていた次の瞬間、後ろから音が聞こえる。

 グレンが叫んだ。


「危ないっ。」


 グレンが叫ぶ直前にシルファは既に動いていた。

 背筋に寒気が走るのを感じたからだ。

 その場から離れた瞬間、シルファがいた場所を木が通った。

 蜘蛛が糸で絡めて引き寄せたのだ。

 上に飛んだ木をシルファに叩きつけるも何とか避けた。

 更に、木を振り回す蜘蛛。


「これも進化って奴なんか!?」


「だろうな、敵を捕らえる以外で使うなんて初めてだ。だが、それならば。」


 前に出たグレンが木を大剣で叩き落とした。

 そして、木を掴んで引っ張った。

 糸は頑丈で、それでも千切れない。

 しかし、それでいい。


「リーダー、そのままだっ。」


 蜘蛛に向かって駆け出したエリク。

 真正面に向かうと、顔に向かって槍を刺した。

 その後に、シルフぁとユーリアが続く。

 左右の前の足を斬ると、そのまま胴体に上がってお尻との接合部分を切り取った。

 そして、蜘蛛から槍を抜いて離れるエリク。


「いよっしゃあっ。」


 もがく蜘蛛。

 勝利を確信した瞬間だった。

 

ぴーひょろろろ。


 もう一度、コガラキの鳥が敵の接近を知らせる。

 慌てて、周りを見る一同。

 すると、コガラキがそれを見つけた。


「上から来るっす。」


 その直後、コガラキの言う通りに上から影が突っ込んできた。

 蜘蛛に突っ込んだそれは、ハント組を睨み付けた。

 その正体は、飛竜型の大竜。

 先日戦ったのと同じ種類だ。

 それを見てユーリアが言った。


「こんな時に。」


「だけど、前回と違って武器があるんよ。」


「だな、早く倒そう。」


 改めて武器を構えるハント組。

 その直後、口から炎がこぼれている。

 それを見たグレンが叫んだ。


「ブレスが来るぞっ。」


 グレンの言葉通りに、一同をブレスが飛んでくる。

 避ける事が出来たが、更に二発のブレスが飛んでくる。

 それも避ける。

 次の攻撃に対処しようとするも大竜はいない。

 その代わりに、広場に影が落ちる。

 見つけたシルファが叫んだ。


「上に逃げたんよ。」


「コガラキ、セシル。ボウガンで狙えるか。」


 偵察組の二人に指示を出す。

 しかし、コガラキが指示を返す。


「危ないっす。逃げるっす。」


 大竜の口から炎をこぼれていたのだ。

 次の瞬間、ハント組にブレスが降りかかった。

 グレンが叫んだ。

 

「逃げろーっ!」


 地面に落ちたブレスが広がり地面を焼く。

 ハント組は、急いで偵察組がいる樹の中に飛び込んでおり何とか助かっていた。

 シルファが文句を言う。


「どんだけ飛ばすんよ。山が火事になるんよ。」


「確かに、多すぎるな。本来のこいつはこういう戦いかたをしているという事だ。」


 樹を盾に大竜を見守るハント組。

 しかし、残酷な事にそこにブレスが飛んで来た。

 急いで避ける一同。

 しかし、そこで事件が起きた。

 避けた先が崩れていたのだ。

 不運にも、そこに飛び込んでいたシルファとエリクとセシルが滑り落ちる。


「ふざけんなよっ。」「くそがっ。」「何でっ。」


 それを見て、駆け出すリーダー。

 三人は、あっと言うまに消えたのだ。


「おいっ!」


「リーダー、待つっす。」


 しかし、それを止めるコガラキ。

 まだ、飛竜は狙っているのだ。

 武器を構えながら悪態をつくグレン。


「くそっ。急いで倒して助けに行くぞ。」


 広場に向けて走り出すグレン。

 ユーリアと、コガラキも後に続く。

ようやく前の章の最後に書いた奴が残した証拠にたどり着きました。

次回から事件の全容に迫ります。

そして奴もとうとう出す予定です

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