施設奪還へ。
壁の上に上がった大翼猿が、虫の群れに向けて降り立った。
先程のが付いてきたのだろう。
虫を掴むと、口の中に放り込んだ。
味わっている大翼猿に、もう一体の大翼猿が突っ込んだ。
突っ込んだ方は、威嚇をする。
それに対し、飛ばされた方も威嚇を返す。
お互い飛び付いた瞬間、そこに大蛇が噛みついた。
片方の腕が噛まれるた。
そこから体に巻き付いて締め上げる。
更に、そこに大翼鳥。
大蛇に突っ込んで首をくわえて引っ張る。
何とか難を逃れた大翼猿に三本のナイフが突き刺さった。
「争っている内に、孤立した奴を倒すんよ。」
「だな、わざわざまとめて相手にする必要なし。」
「同意。」
振りほどこうと暴れだす大翼猿。
とっさに離れる三人。
「一気に叩くぞ。」
入れ替わる様にグレンが近づき、大剣を叩き込んだ。
さらに一回転して、先程よりも強い一撃を叩き込んだ。
その衝撃で、大翼猿は横に吹き飛び倒れる。
そこに、三本のナイフが再び突き刺さった。
「致命傷にならないな。武器が無いと苦労する。」
「この調子だとやってられんよ。」
「っ。起き上がるよ。」
その場から引く三人。
血を溢れさせらがらも立ち上がる大翼猿。
近くにいたシルファに掴みかかろうとするもかわされる。
その隙に、懐に入ったシルファが大翼猿のお腹を斬る。
ついでに、足を斬って離脱する。
大翼猿はひざまつく。
「確実に急所を狙っていくしかあるまい。」
頭が降りた所に、グレンが大剣を叩き込んだ。
そして、大翼猿の背中に登ったエリクとユーリアが首を左右から斬る。
もがくように暴れる大翼猿の顔をグレンが大剣で突き飛ばす。
後ろに倒れ所に、また三本のナイフが突き刺さる。
「くたばったか。」
「いや、まだなんよ。」
手を払いハント組を離れさせた大翼猿は、立ち上がろうと手を床につける。
しかし、そのまま地面に頭が落ちた。
相当弱っている。
その様子を見て、シルファが駆け出した。
「止めを刺すんよ。」
しかし、その寸前で止まった。
その直後に、影がシルファに迫る。
そして、大翼猿の上に、先程争っていた三匹が吹っ飛んできた。
ギリギリかわすシルファ。
「危なっ。」
「気をつけろっ。巻き込まれるぞ。」
グレンが叫ぶ。
もつれにもつれた争いは、どこに転げるかが分からない。
警戒していると戦局が動いた。
腕から口を放した大蛇が、大翼鳥の体に噛みついた。
その痛みに耐えきれず、大翼鳥は大蛇を口から放す。
その隙に、大翼猿が大蛇の首を掴んで地面に叩きつけた。
その腕を大翼鳥がくわえた。
すかさず払うと、大蛇の頭を大翼鳥にぶつける。
大蛇の締め付けが緩む。
自由になった大翼猿が、逃げようとする大翼鳥の背中に覆い被さった。
そして、孤立した大蛇がハント組を見つける。
すかさずグレンが前に出た。
「この前のような小細工は出来ないぞ。」
「分かってらぁ。」
エリクが駆け出した。
噛みつこうと大蛇が迫る。
滑って避けると顎下にナイフを刺した。
そして、抜いて首を斬った。
しかし、傷が浅い。
振った大蛇の顔が直撃し、エリクが吹き飛んだ。
「くそっ。」
エリクを吹き飛ばした大蛇は、残りの三人へと向かう。
すると、右から噛みつく。
ユーリアが避けた。
今度は左から噛みつく。
シルファが避けた。
グレンが大剣を叩き込もうとするが、大蛇は下がって避けた。
自由自在に動く顔に翻弄されてしまう。
更に、三人を尻尾で囲うように回り込んだ。
そして、逃げれなくして三人に噛みついていく。
それを、大剣で防いでいくグレン。
「こんなにも厄介とは。」
「広い場所は相手の独壇場なんよ。」
「前は狭い場所に呼べただけ。」
大蛇の特長は、とにかく早い。
狭いと動きが鈍くなるが、自由に動ける場所だとその特技が発揮される。
前回は、建物の壁で上手く防げていただけなのだ。
しかし、いつまでもやられる三人ではない。
大蛇の攻撃を防ぎながらグレンが下がる。
迫る顔にシルファとユーリアがナイフを突き刺した。
そして、深く押し込んだ。
「とにかく、首を斬っていくしかないんよ。」
「唯一の方法。」
しかし、払われナイフを持っていかれる。
だけど、その隙に大蛇に登っていたエリクが、ナイフで首を上から刺した。
暴れる大蛇。
建物に突っ込んだ大蛇は、頭に瓦礫が降り注ぎ下敷きになってしまう。
エリクは直前で避難している。
大蛇の尾は、しばらく暴れると動かなくなる。
「何とか、倒したが。」
「ナイフを持っていかれたんよ。」
「竜車まで取りにいくしかねぇな。」
「でも、先が。」
竜車までの道で大翼猿と大翼鳥が争っている。
そこに、先程まで倒れていた大翼猿が起き上がり二匹に襲いかかった。
しかし、体力はほとんどなく弾き飛ばされてしまう。
そのまま大蛇の上に落下した。
それでも何とか立ち上がるも、後ろから現れた大蛇に首を噛まれて、今度こそ絶命してしまう。
瓦礫の下敷きになった大蛇を解放してしまったのだ。
慌てて引く一同。
「余計な事しやがって。」
「言ってる場合じゃない。」
もう一度、ハント組に迫る大蛇。
後退する一同。
「こっち来るんよ。」
「建物沿いに下がれっ。自由にさせるな。」
片側を防いでいる限り自由には動けない。
と、思っていたが瓦礫をくわえて投げてくる大蛇。
「危ないっ。避けろっ。」
すかさず、一同は広い場所へと回避してしまったのだ。
建物を背に大蛇が迫ってくる。
そして、襲いかかって来た瞬間、大蛇は左右から現れた影に体を噛まれてしまう。
その正体は二匹の大虎だ。
「虫を狙って来た奴等を狙いに来たって所か。」
「だが助かった。竜車に戻って体勢を立て直そう。」
別の場所から大きく周れば竜車に向かえる。
早速向かおうとするが、その先に新たに大虎が現れた。
「ちょっ、何でいるんよっ。」
「戻れっ。戻れぇっ!」
前に出たグレンが叫んだ。
ハント組に襲いかかる大虎。
しかし、その大虎に大翼鳥が襲いかかったのだ。
そのお陰で広場に戻る事が出来た一同。
そこでは、片方の大虎をくわえた大蛇が暴れていた。
そのまま飲み込むと、もう一匹もくわえる。
すると、後ろから飛び出した大虎が、大蛇に噛みついて助け出した。
大蛇が噛みついている大虎を振り飛ばした。
「もう一度、撤退するか。」
「いや、後ろから来るんよ。」
先程、大虎が振りほどいた大翼鳥がハント組に迫る。
その瞬間、煙と矢が大翼鳥を襲う。
そして、奥から竜車が現れた。
「騒がしくなったからこっちに来たわ。一度ここから出るから乗って。」
「出るっつっても。もう片方も塞がれてるぞ。」
エリクの言う通り、大蛇と大虎が争っているのが、まさに門の前なのだ。
出るには争っている中を通り抜けるしかない。
そうしている間にも、戦いは激しくなる。
「でも、このままいたら安全な場所が無くなるわよ。」
まさに八方塞がり。
どうすることも出来ない。
その時、通信機からガーネリヤの声が流れた。
『ならば、突っ込めばいいだろう。道が無ければ作ればいい。だよ。』
その直後、広場に自走船が入ってきた。
そして、大翼猿を囲う大翼鳥を弾き飛ばした。
さらに、虫を潰しながら進むと大虎まで弾き飛ばした。
自走船は、竜車の横に止まった。
中からガーネリヤが顔を出した。
「やぁ、元気かい?」
「ガーネリヤ!? どうしてっ。」
「届け物を届けに来たわ。受け取って。」
自走船から三つの包みを投げたエメリナ。
それらは、地面に落ちる。
「あれはまさか。」
「間違いないんよ。」
「私達の武器。」
三人が武器を取りに行く。
それと同時に、煙から抜け出た大翼鳥が迫る。
長い棒を掴んだエリクが先の布のひっぺがした。
そして、それを大翼鳥に叩き込む。
それを受けた大翼鳥は横に吹き飛びかけるも耐えた。
「まだだっ。」
先端にある槍で首を刺すと、更に押し込んだ。
後ろに傾く大翼鳥。
槍を抜くと、晒された体に槍斧を叩き込んだ。
「っしゃあっ。」
動かなくなる大翼鳥。
その間に、シルファとユーリアも武器を取る。
構えるとエリクの前に出つ。
「獲物の独り占めは良くないんよ。」
「試し切りしたい。」
「早い者勝ちだろうよ。」
「それもそうなん、よっ。」
駆け出すシルファ。
ユーリアも続く。
目の前にいる、二匹の大虎にそれぞれ斬りかかった。
避けられるシルファ。
「無駄っ、なんよっ。」
だが、間髪入れずに追撃。
その早さに対応仕切れなかった大虎の首に直撃した。
「次っ。」
大虎が気づいたときには、足が払われていた。
倒れる大虎。
その首に剣を刺すと、剣先の返しを使って引き裂いた。
一方ユーリアは、斬りかかろうと剣を振り上げた。
避けようとした大虎だが、喉に激痛が走り、気づけば空を見上げていた。
大虎の視線を片手に惹き付け、もう片方で喉を刺したのだ。
「ぐっ。」
首の剣を深く刺して大虎を持ち上げると、お腹にもう片方を刺した。
そして、双剣を叩き落とす様に振り落とし大虎の胴体を裂いた。
大虎が一瞬で死んだのだ。
そんな二人に大蛇が迫る。
「させねぇ。」
エリクが槍斧を叩きつけるも避けられる。
構わず踏み込むと、大蛇の胴体に槍を突き刺した。
そのまま、押し込みながら突き進む。
すると、大蛇の顔が地面に落ちる。
「お前ら見違えたな。」
最後に現れたグレンが、大蛇の顔に大剣を叩き込んだ。
とうとう、大蛇まで動かなくなる。
シルファが剣を素振りをする。
「何か、重くなってるんよ。」
「後、長くなってる。」
「それとあれだな。ナイフで戦っている時に、愛用の武器ならこうできたのに、って思っていたら、実際持った時に、前よりスムーズに動けたんだよな。」
二人も頷いて同意した。
こうした方がいいという考えが反映されたのだろう。
しばらく使えなかった事で、武器の上手い使い方が分かったのだ。
そして、一同はある場所を同時に見た。
大翼猿が、三体の大翼鳥についばまれている。
助っ人に手も足も出なかったのだろう。
「鳥っころは任せなっ。」
「続くんよ。」
「続く。」
グレン以外の三人が駆け出した。
大翼鳥がそれに気づいた。
気づいた時には武器が迫っていた。
エリクが喉を刺し、エリクとユーリアが胴体に斬りつけた。
その間に、大翼猿が逃げ出した。
壁を登ろうとするが進まない。
「逃がすわけないだろ。」
グレンが尻尾を掴んで引っ張っているのだ。
後から来る護衛の為に、ここで倒さなくてはならない。
そのまま、壁に捕まっていると重さで壁が傾いた。
「任せるんよっ。」
「そのままで。」
大翼鳥に止めを刺したシルファとユーリアが、傾いた壁をかけ上がり大翼猿の手を斬りつけた。
壁を掴んでいる大翼猿の手が緩んだ。
その隙に、尻尾の持ち方を変えるグレン。
「おらぁっ。」
背負い投げで思いっきり引っ張り地面に叩きつけた。
その、大翼猿の首にエリクが槍を刺して止めを刺す。
これで、施設にいた大物はいなくなった。
獣の特徴は名前で察していただければと思います。




