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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
都市編

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エリア奪還。

 足元をまとわりつく小竜の群れを食べる大蜥蜴。

 牽制しても寄ってくるので食べてしまう。

 囲まれてしまっても、尻尾で払えばいい。

 まさに、大蜥蜴からしたら餌が寄ってくような物だ。 

 尻尾で吹き飛んだ小竜をかわし、ハント組が接近する。


「一発目は貰うんよ。」


 前に出たシルファがナイフで斬りつけた。

 その攻撃で、大蜥蜴がハント組の接近に気づいた。

 シルファを追うが既に後ろに抜けている。


「こっち。」


 続いてユーリアがナイフで斬りつけた。

 追いかけるも、もう抜けている。


「今度は、って三度目はないか。」


 抜けた二人を無視して、エリクの接近に対応する。

 エリアに迫る牙。

 しかし、それを滑ってかわしたエリクがナイフを首に刺す。

 悲鳴をあげる大蜥蜴。

 

「後は、任せろっ。」


 下がった顔にグレンが大剣を叩き込んだ。

 更に、もう一発。

 そして、斬り上げて顔を跳ね上げる。

 さらされた懐に潜り込み首にもう一撃。


「来るぞっ。」


 グレンに懐を譲って下がったエリクが叫んだ。

 大蜥蜴の反撃が来る。

 踏みつけようと前足が迫るが、それを大剣で反らしたグレン。

 体を覆うように大剣を構えて攻撃を防いだ。

 足が地面についた大蜥蜴だが、軸がずれて転けそうになる。


「隙は見逃さん。」


 大蜥蜴の前足に大剣を叩き込むと、支える足が浮き体勢が崩れ横に倒れた。

 そうする事により、無防備となったお腹に三本のナイフが刺さる。

 そして、ナイフを抜くと、お腹を斬って離脱した。

 

「しょせんモドキなんよ。」


「そうだな、ドラゴンほどの固さが全然ない。」


「ナイフでもいける。」


 すでにボロボロとなった大蜥蜴のお腹から血が流れる。

 それでも立ち上がる大蜥蜴。

 かなり弱っている。

 止めを刺そうと、三人が駆け出した。

 それに対し、尻尾が迫る。

 

「構うな。進めっ。」


 迫る尻尾に大剣を叩き込むグレン。

 尻尾はあっさりと切断された。

 しかし、それこそ大蜥蜴の罠。

 尻尾を犠牲にして逃げるはずだった。


「せっかく盛り上がってんのに逃げんじゃねぇよ。」


「もう少し、俺達と遊ぶんよ。」


「逃がさない。」


 すでに、最高速度に達していた三人に追い付かれてしまう。

 前足に向けてシルファがナイフを叩き込むと、大蜥蜴は滑るように倒れてしまう。

 その隙に、首にナイフを刺す三人。

 もがく大蜥蜴。

 そこに、グレンが追い付いた。


「そんなに、体を切断したいなら手伝ってやろう。」


 大蜥蜴の前足に大剣を叩き込んだ。

 すでにボロボロの足は、すんなりと切断された。

 その直後、後ろから迫っていた小竜の群れが大蜥蜴にかぶりついた。

 大蜥蜴から離れるハント組。

 悲鳴をあげながら、大蜥蜴は小竜に食べられていく。

 その光景にエリクが呆れる。


「さっきまで静観してたくせにな。」


「獲物を横取りなんて卑怯なんよ。」


「というか、俺達も見てるな。」


 エリクの指摘通り、小竜達はハント組を囲うように動いた。

 ハント組は背中を合わせて対処する。

 弱いとはいえ数が数だ。


「面倒。」


「早く奥にいかなきゃ行けねぇのによ。」


「これを切り抜けるしかねぇって事なんよ。」


「時間をかけていられん。早く始末するぞ。」


 その直後、小竜が襲いかかって来た。

 それに対し武器を構えて向かう一同。

 攻撃をかわし確実に首を刺したり斬ったりして仕留めるナイフ組。

 一方、数匹をまとめて大剣で吹き飛ばすグレン。

 しかし、斬っても斬っても数が減らない。


「どうなってんだっ。こりゃ。」


「多すぎるんよ。」


「不自然。」


「確かウルフの時は、いくつかの群れが合流していたんだったな。これもそうなのか?」


 悩みながらも、小竜を斬り飛ばすグレン。

 ナイフ組も確実に仕留めていく。

 ウルフの時は、匂いにつられて下りてきたウルフの群れが合流した物だ。

 もしそうなら、と一同は周りを見る。


「ウルフの時のようにボスが他にいるはずなんだがな。」


「でも、いないんよ。」


 どこを見渡してもボスは先程の一体だ。

 そして、群れには不思議な点がひとつある。

 エリクが指摘した。


「こいつら、別の個体が集まってんのかっ。」


「だろうな。このあたり一体のが集まっているのだろうな。」


 更に追加で小竜が現れた。

 それを待ち受けるグレン。

 しかし、次の瞬間、小竜が空へと吹き飛んだ。


「なんだ?」


 急にグレンの前から消える小竜。

 代わりに、よく知るグレンチームの小竜が現れた。

 自慢の角で跳ね上げたのだ。

 空を舞う小竜達は、ぐしゃりと音をたて地面に衝突した。

 後ろの竜車の二階から出るボウガンの矢が辺りの小竜を倒していく。

 前座のアリアがグレンに指示をした。


「乗って! 先に進むわ。」


「分かった。お前達も早く。」


 急いで乗り込むグレン。

 他の三人も小竜を倒しながら近づき乗り込んだ。

 それを確認したアリアが小竜に指示を出して竜車を走らせる。

 二階の偵察組が、ボウガンで群れを牽制する。

 グレンがアリアに説明を求める。


「いったいどうなってんだ。」


「恐らく、ボスを失った群れが暴走。もしくは、大物に追われたか。どっちにしろ、エリアをまたいだ小竜が集まっているわね。」


 結果がどうあれ、いっぱいいるという結果は覆らない。

 しかし、それだけではない。

 空を覆う無数の点が大地に影を作った。

 その内の一部が竜車に迫る。

 その正体を、アリアが見抜いた。


「飛竜種の小竜ね。こいつらも山岳地方の生き物よ。騒がしくしたから来たのね。」


 後ろでは、ハンターや騎士団が争っている。

 そして数々の小竜の鳴き声。

 戦いの音が奥のエリアまで届いているのだろう。

 ハント組が上にあがり、偵察組を支援する。


「この騒がしさに、近くまで下りていた奴等が、餌があると来たわけだな。厄介だ。」


「騒げば騒ぐほど集まってくる。もちろん、小竜達だけでは無いでしょうね。」


 頭上を見上げるアリア。

 案の定、数匹の大羽鳥が飛んでいる。

 後ろを見ると、そこに大羽鳥が下りたのが分かる。

 もはや、阿鼻叫喚だ。

 グレンがアリアに指示を出した。


「戻るぞ。あの数は対処出来ないだろう。」


「ちょっと待つんよ。俺達も結構ギリギリなんよ。」


 飛竜の小竜を払いつつシルファが叫んだ。

 グレン達の竜車もかなりたかられている。

 何とか払えているのが現状だ。

 他にかまけている場合じゃない。

 すると、通信機からギルドマスターの声が流れる。


『その通りだ。我々が受け持つと言った以上、足は引っ張らん。先に行け。』


「しかし、死者がでるぞ。」


『覚悟のうえだ。副団長も戦場で戦っている。もう一度言う、先に行け。』


 きっぱりと言うギルドマスター。

 彼らにも戦わなくてはいけない理由があるのだ。

 分かった、と言って諦めるグレン。

 その直後、通信機から高らかな笑いが聞こえた。


『わっはっはっ。覚悟のうえだ? ちゃんちゃら可笑しい。我々がさせないさ。』


 急な笑い声に、一同は驚いて黙りこんでしまう。

 グレン達でもない、作戦本部でもない。

 しかし、その聞き慣れた声にアリアだけが気づいた。


「ガーネリヤ? なんでいるのよっ。」


『あー、あー、聞こえているか? 今、二つの回線に混ざっている。多分成功だね。』


 声の主であるガーネリヤは、マイクテストを行っている。

 通信の接続の成功を確認すると話を続ける。


『アリア。助太刀に来たぞ。エメリナも乗っている。』


『無理矢理乗せたの間違いじゃないの? そういうことよ、私達が皆を守るわ。』


 越境線を、一台の他より広い自走船が越えた。

 真っ直ぐ戦場へ向かう。

 その自走船の後ろから、小さい自走船が現れた。

 その小さい自走船には、エメリナの研究所にいる獣が乗っている。

 

『よし、出発したな。』


『にゃ。』『にゃ。』『にゃ。』『にゃ。』


『なにを言っているか分からないが良し。展開せよ。』


『この子達に伝達は無理があるわよ・・・。』


 ガーネリヤに突っ込みを入れるエメリナ。

 それを無視したガーネリヤの指示で、小さい自走船が幅を広げて進んでいく。

 その小さい自走船から、煙が大量に空へ流れていく。

 そして、戦場を抜けていく。

 すると、ひどい臭いが戦場に広がる。


『どうだ。数年前に論文でまとめた、獣や、モンスターに影響を及ぼす臭いの成果だ。今、戦場に嫌いな臭いをばらまいた。』


 ガーネリヤの言う通り、小竜達が逃げたり失神したりしている。

 飛竜の小竜も何匹か落ちてきている。

 ついでに、エメリナの獣達も鼻を押さえている。


「そんな事もあったわね。臭いを集めていたら、研究室がとんでもない事になったのよね。」


『臭いが漏れてパニックになったりだね。まぁともかく小物はこれで封殺できる。後は、頼んだよ。』


 鼻を押さえながらも、ハンターや騎士団が小物を倒していく。

 どうやら、人間にも効果が少し出てしまうようだ。

 しかし、大羽鳥は引いてない。


『やはり、大物には効果が薄いようだね。なら、第2段。準備にかかれ。』


『にゃ。』『にゃ。』『にゃ。』『にゃ。』


「なにを言っているか分からないが良し。音波砲発射。」


 獣達が乗る小さい自走船から音が出る。

 その音は、キィーン、という音が一定の波を打って鳴っている。

 それを聞いた大羽鳥は、怯んで縮こまってしまう。


『生き物の声の波長をまとめた論文の成果だね。今のは、大竜の威嚇の声の波を通信機のエラー音で再現したものだ。』


「録音を集めるのに苦労したわね。ハンターに依頼したから資金がね。」


『その分のご飯抜きがきつかったのよね。』


 思い出に浸る三人。

 大羽鳥が怯んでいるのは、大竜の威嚇にびびったからだ。

 本能で、体が動かないのだ。

 それにより、全ての大羽鳥が倒された。


『そういうわけだ。ここは任せて先に行け。』


 地獄のような戦場が、あっという間にひっくり返った。

 グレン達の竜車に群がる小竜達も、逃げてきた小竜達と争いだし数を減らす。

 群がる最後の一匹を払うと、竜車は近くに森が見える所まで来た。


「分かった。二人に任せるわ。」


『任された。我々の成果を自然界に見せつけてやろう。』


「そうね。私も負けてられないわ。」


 そのまま、竜車は森に入る。

後は勝手にやってくれるので、基本的に後方の戦いは描きません

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