出撃。草原の戦い。
朝、一連の準備を行う一同。
食事を終えると、竜車に集まる。
既に小竜は、繋がれている。
ハンター達は、装備を身に付けていく。
「まずは、偵察組に合流だ。中の様子を聞いて、他の勢力と作戦を立てる。」
「他の連中、もう来てるかねぇ。」
「先程の連絡で既に出発したと言っていたわ。私達も急ぎましょう。」
竜車の前座に乗り込んだアリア。
準備を進めていると、エメリナが来た。
前座に座るアリアに話しかける。
「アリア、私はギルドマスターと行動します。私に連絡をするときは作戦本部に。」
「分かったわ。」
どうやら、エメリナも作戦に参加するようだ。
作戦本部とは、現地の情報を得て、それで作戦を立て現地に伝える所だ。
その作戦を立てる役目に選ばれたのだ。
「私は後で向かいます。皆さん、頑張って下さい。」
「それじゃあね。」
小竜に指示を出すアリア。
竜車が出発し研究所に離れる。
見送ったエメリナが準備を始めようとした時だった。
グレン達と入れ違う様に別の竜車が研究所を訪れた。
そんな事も知らず、グレン達は都市を出た。
「ちらほら見えてんのはギルドか。」
「そうね、一日でよくこんなに集めたものね。」
グレン達の竜車は、同じ場所に向かっている数々の自走船や竜車を抜いていく。
規模は、自走船の数が五は越えているだろう。
それ以外の竜車も、それ以上はある。
中に鎧を来た人が乗っている。
グレン達の竜車は、先頭の一際豪華な竜車に追い付いた。
中にいたギルドマスターがグレン達に声をかけた。
「今日は、よろしく頼むぞ。」
「あぁ、任せろ。」
グレンが答えた。
二つの竜車が進んで行くと、越境線へとたどり着く。
その前に、騎士団の自走船が、五台程、横に並んでいた。
「あそこだな。」
竜車は、地面と同化した色の布で囲われた所で止まった。
代表してグレンとアリアがギルドマスターと中に入る。
「リーダー、こっちっすよ。」
コガラキと、セシルが中にいた。
それと、騎士団の副団長。
副団長がグレンに話しかける。
「来たか。早速、話を始めよう。」
「だな、時間が惜しい。」
地図が置かれてある机に一同が集まった。
副団長が入り口に指をさした。
以前、ウルフの群れと戦った所だ。
「そこの二人に調べてもらった所。回収出来ずにいたウルフの死肉を狙った三体が争っているらしい。私も、先程から音がしているのを確認している。間違いないだろう。」
「何がいるんだ?」
「大鎧鼠、大羽鳥、大熊っすよ。」
ウルフの死肉に寄ってきた者同士で争っているらしい。
餌は沢山あるはずだが独占したいのだろう。
それに、その三匹だけではないだろう。
副団長が指摘する。
「このまま放っておけば、まだ来るかもしれん。幸い、対した事ない三体だ。急いで対処した方が良い。この討伐だけは我々も参加する。」
「でも、一体は空を飛ぶぞ。どうする。」
連携がとれないチームだと翻弄されるだけ。
寄せ集めのハンターだと倒せないと自覚しての事だ。
なので、対処できるのは限られてくる。
副団長が名乗り出た。
「我々がやろう。」
「なら、ギルドで大熊を倒そう。」
「では、俺達で大鎧鼠だな。倒した後の事は任せていいんだな?」
「あぁ、構わず先に進んでくれ。」
倒した後のエリアの守りは気にする必要が無いという事だ。
グレン達は、とにかく前に進めばいい。
とにかくこれで作戦が決まった。
グレンは、副団長とギルドマスターと握手し、布の囲いを出た。
アリアと、偵察組も後に続く。
「それで、どのタイミングで動く?」
「争っている時に突っ込みましょう。わざわざ、待ち構えさせるつもりはないわ。」
「分かった。」
争っている間なら、意識がこちらに集中する事はない。
堂々と奇襲が出来るということだ。
囲いを出た一同が竜車に乗りこんだ。
コガラキとセシルが上にあがる。
そんな二人をグレンが気遣う。
「ちゃんと、休みは取れてるか?」
「問題ないっすよ。途中で騎士団が来てぐっすり休めたっす。」
「自分もです。」
ずっと見張っていたと思っていたグレンだが、二人はちゃんと休めたようだ。
これで、全員が揃った。
出撃の準備が出来ると、通信機が鳴った。
通信機本体から声を出すボタンをグレンが押した。
ギルドマスターの声が、竜車の中に流れる。
『いつでも準備はいいぞ。』
「こちらも問題ない。」
『じゃあ、始めてくれ。』
アリアの指示で竜車が走り出した。
越境線を越えた付近で停止する。
コガラキが鳥を飛ばした。
「奴等が暴れだしたら動く。」
『分かった。そちらに合わせよう。』
しばらく待つと、音が聞こえる。
大きい物がぶつかる音だ。
その音が段々増えていく。
その直後だった。
ぴーひょろろろ。
コガラキの鳥の声だ。
争いだした事を知らせるためだ。
そして、出撃の合図。
グレンがアリアに指示を出した。
「いまだっ。進めっ。」
「分かったわっ。」
小竜に指示を出したアリア。
竜車がエリアを駆け出した。
再びのエリアだ。
一同は、気合いで身が引き締まる。
少し進んだ先に、動く点が見える。
「見えたっ。準備して。」
「問題ない。突っ込めっ。」
段々、点が大きくなっていく。
予想道り、三体は争っていた。
大鎧が、大鎧鼠に噛みついた。
しかし、背中の鎧のような皮膚に防がれる。
そのまま、大鎧鼠が大熊を突進で吹き飛ばした。
その瞬間、大鎧鼠が空から現れた存在に突撃される。
空から現れた大羽鳥が、大鎧鼠をしっかりと爪で掴んだ。
しかし、大熊が突進してそれを邪魔した。
大羽鳥が吹き飛び距離が開く。
その間を竜車が抜けた。
「吹っ飛べっ。」
竜車から飛び出したグレンが大剣を大鎧鼠に叩きつけた。
とっさの事で、守る事が出来なかった大鎧鼠の尾中に直撃した。
吹っ飛ぶ大鎧鼠。
そんな、グレンに大熊が襲いかかるが。
「させねぇよ。」
シルファがナイフで斬って妨害した。
エリクがナイフで突くと後ろに下がる。
一方、大羽根にコガラキとセシルがボウガンを撃っていく。
そこに、ユーリアが斬りつけた。
すかさず大羽鳥は空へと逃げる。
これで、三匹の距離が空いた。
「いまだっ。一斉攻撃っ。」
「いまだっ一斉射撃。」
ギルドと騎士団の攻撃が大羽鳥と大熊を狙う。
二体の視線が襲ってきた方へ向いた。
後は任せて、目の前の大鎧鼠に集中するグレン達。
「行くぜっ。」
「続く。」
シルファと、ユーリアが、斬りかかろうとするも背中で防いだ。
そして、二人に突進をしてきた。
それを、横に避ける二人。
「固いんよ。」
「中々の固さ。」
ナイフだと刃が通らない。
それならばと、グレンが前に出た。
一撃を叩き込むグレン。
防ぐ大鎧鼠。
「まだだっ。」
そのまま押し込んで地面に叩き込んだ。
すると、一撃を受けた部分の皮膚が砕けた。
さらに、斬り上げてひっくり返す。
その無防備になったお腹に、三人がナイフを刺した。
「いよっし。」
「上手くいったんよ。」
「致命傷。」
大鎧鼠が暴れだすと三人が飛び降りた。
お腹から血が流れ出す。
苦痛に身をよじる大鎧鼠。
「こんな所で時間を食っている訳にはいかない。早く仕留めよう。」
「おっし、じゃあ隙を作るぜ。」
エリクが大鎧鼠に突っ込んだ。
大鎧鼠が身を守る前に、お腹に潜り込んで一突き。
体がくの字に曲がった所で、大剣を顔に叩き込んだ。
そのまま横に倒れると、シルファが首、ユーリアがお腹を刺した。
最後に、グレンがお腹を斬り上げて吹き飛ばした。
大鎧鼠は、動かない。
「やっかいな相手だったんよ。」
「大竜がいる所で生息しているんだ。こういう小物もそれに対抗できる進化をしたのだろうな。」
小物だって、黙って食べられる訳ではない。
度重なる戦いで身を守れる様になっていったのだ。
そんな話をしていると、あちこちから歓声が上がる。
グレン達以外も無事討伐出来たようだ。
「問題無さそうだ。俺達は次に行こう。」
「まだまだ敵はいるんよ。」
まだ始まったばかり。
急いで竜車に乗ろうとした時だった。
ぴーひょろろろ。
コガラキの鳥が鳴いた。
敵の襲撃を知らせている。
一同が警戒した直後、小竜が現れた。
次から次へと涌いてくる。
「小竜の群れか。わらわらと来やがって。」
「これだけの群れだ。当然、ボスもいるだろう。」
グレンの指摘通り、子分を引き連れたボスが現れた。
竜車の前に出て守るグレン達。
ナイフを振り子分を牽制する。
「やっかいなのが来たんよ。しかもいっぱい。」
「来る。」
「でも、これぐらいなら。」
ボスが竜車に接近。
しかし、あっさりと横を通りすぎた。
何事かと、後ろを見た直後だった。
遠くを双眼鏡で見ていたコガラキが叫んだ。
「違うっす。本命は、そいつと違うっす。」
「どういう事だっ。」
何事かと聞いたが、その答えはすぐに分かった。
前方から激しい足音。
巨大な生物が迫ってくる。
コガラキがその正体を叫んだ。
「大蛇。いや、手足が生えた蛇がこっちに来るっす。」
「大蜥蜴。ドラゴンもどきと言う奴ね。大蛇の親戚見たいな物だけど。見た目がドラゴンそっくりだからそう言われているわ。興味深いわね。」
「ゆっくりと監察してる場合かよ。」
大蜥蜴の接近に慌てることなく解説するアリア。
その間にも、大蜥蜴は迫ってくる。
その大蜥蜴に向かって小竜の子分が襲いかかった。
しかし、あっという間に食べられてしまった。
「ボスを守るために。健気なんよ。」
「おかげで俺達も助かったな。小竜は後ろに任せてこいつと戦おう。」
「こんなのが、あと何回も来るのか。気が遠くなるぜ。」
「気を引き締めよう。」
武器を構え直し大蜥蜴に突撃する一同。
目の前には手足が生えただけの大蛇。
やることは変わらない。
小竜の群れの間を抜けながら一同は攻撃を仕掛ける。
固い相手との戦いを書きたかったのでこうなりました。
ほぼごり押しになっちゃいましたけど。




