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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
都市編

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責任者の会談

 翌日、起きた者達は既に行動に動いていた。

 目を覚ましたセシルはユーリアと小竜の世話に向かう。

 その途中物資が積んである荷車に寄る。

 朝、ガーネリヤに小竜の餌も買わせてあると教えて貰ったからだ。

 荷車に寄ると、スピナとカリネが荷物を回収している。


「おや、おはようございます。小竜の餌ですね、積んでありますよ。満漢全席です。」


「そんなにはいらない。」


「そうですか。残念です。では、通常のフルーツで。」


 荷車にある、フルーツが入った籠を持ったスピナはユーリアに手渡した。

 荷車の荷物のしていたカリネが藁をセシルに持たした。

 とても大きく持ちづらい。


「それ持っていってね。小竜の小屋、仕上げたばかりだから寝床しか作ってなくて。ついでに仕上げといて。」


 指をさした先に、小屋の設備に使う道具がつまれてある。

 本当に何も出来てないのか、道具がたくさんある。

 水飲み場に使うレンガもある辺り、一から作れと言う事らしい。

 

「これを一日でやるんですか? 二人は手伝ってくれないんですか?」


「協力したいのは山々なんだけど竜車の改造があるから。」


「変わりといっては何ですが、助っ人をお呼びしましょう。良い子達が揃ってますよ。」


 指を鳴らすと、研究所から数匹の獣が出てくる。

 スピナの前に並ぶと敬礼をした。

 その光景を見て、うむと頷くスピナ。


「この子達に任せます。指示を出したらちゃんと聞くので大丈夫ですよ。初心者マニュアルは不要です。」

 

 獣達は、僕達やりますとばかりに目を輝かしてユーリアとセシルを見ている。

 とても、統率が取れている。

 こういう風に教育されたのだろうか。

 カリネが獣達に感心している。


「なるほど、さっきから何か仕込んでいると思ったらそういう事だったのか。」


「種明かしは駄目ですよ。ネタバレ禁止令です。」


「それじゃあ、荷物を小屋まで運んで。」


 二人のやり取りを華麗に無視したユーリアが獣達に指示を出した。

 早速、荷物を運び出す獣達。

 ユーリアとセシルがついていく。

 一方、別の場所では。


「やぁ、来てくれたか。」


「呼ばれたからな。で、何をすればいいんだ?」


 ハント組の男性陣がガーネリヤに呼ばれていた。

 目の前には鉄骨が組まれてある。

 見るからに、倉庫か何かだろう。


「今から、倉庫と作業場を作ってもらう。といっても、後は板を張るだけだけどね。」


「作業場って研究所の中にあるんじゃないん?」


「あるのはあるけど、工具を取り扱う場所は無いんだ。」


 研究所は基本、ガラスといった割れやすい物を扱う。

 工具を振り回すのは危険なのだ。

 そもそも、そういう物を扱う研究は、エメリナはしていない。


「で、必要になったから作る訳だな。」


「大がかりなんよ。」


「まぁ、俺達の為に作るようなもんだ。喜んで協力しよう。」


 近場に積んである板を取る三人。

 ガーネリヤの指示で組んだ骨組みに張っていく。

 一方、竜車がある倉庫では。


「昨日、ダメージを受けた所に傷は無し。」


「結構、がっつりボスが衝突してたはずなんすけど。」


「補強しておいて良かったですね。立派な子供に育ちました。」


 カリネとスピナにコガラキを加えて、竜車の改造をしようとしていた。

 昨日の傷を確認。

 へこみや槍の消耗具合を確かめていた。

 しかし、杞憂に終わったようだ。


「問題無しと言う事で、改造に移ろう。というか、協力してもらっていいの?」


「構いませんよ。エリアの封鎖で仕事はしばらく無さそうですし。あなたの夢をお手伝いです。」


 そう言って、自前の工具を腰に下げる。

 環境の観察を主に行うスピナは、エリアの様子も見ている。

 なので、エリアに入れないなら仕事が出来ないのだ。

 しかし、そんな彼女だからこそ、どのような環境にも耐えれる竜車が出来る。

 二人の話を聞いていたコガラキも工具を持つ。


「それで、もう作業を始めてもいいんすか?」


「そうだね、もう始めちゃっていいかもね。」


 作業に取りかかる三人。

 竜車に乗り込み昨日の続きを始める。

 そう、今日は研究所の大型改装の日だ。

 それぞれが、これからの為に腕を振るう。

 そして、研究所の中ではエメリナとアリアが資料をまとめている。

 今回、新たに起きた事件の全容を考えている。


「やっぱり今回もあなた達が追っているのと関係あるの?」


「いえ、ルート的にはここを通ったとは思えないのよ。もしそうなら人里を通過しているはずだもの。」


「でも、同じ事が起きている。どういう事なの。」


 荒れ地と草原のエリアは繋がっていない。

 もし、両方を通過したのなら人に見られているはず。

 もしそれ以外の方法があるとしたら。

 エメリナが一つの答えにたどり着く。


「犯人は別の可能性がある。」


「確かに、そもそも遠くからでも見えるという前提で人に見られているかを判断している。そうじゃないとしたら。」


「通常の大きさかつ、環境を変えるぐらいのヤバイのがこっちに渡ってきた。」


「それならば、見られる事もないわね。そもそも、襲われて報告が出来なかったという可能性があるわ。まぁ、副産物と言うものかしら。」


 巨大な生き物に、住みかを踏み荒らされた一匹が渡って来たのだろう。

 もし発見されてても、滅ばされていれば報告をしようがないのである。

 しかも、もしそれが本当なのなら一つの問題が生じる。

 それに気づいた、エメリナが指摘する。


「だとしたら厄介ね。現れたほとんどが山岳地帯に生息している生物。エリアの崩壊具合を見るに相当暴れている。随分と好戦的ね。他の住みかを襲いに行く分、巨大な生き物の時より大事になるわね。」


「鳥竜の件もあるわ。誘われて暴れているモンスターをどうにかしないと。」


 巨大な生き物には、他の住みかを荒らしにいくような事はしていない。

 ただ、そこを歩いただけなのだ。

 もし、片っ端から襲っている存在がいるのなら被害はもっと大きくなる。

 そう、予想をつけた時、研究所にお客が現れた。


「はい、今行きます。」


 チャイムを聞いたエメリナが対応する。

 軽く話してその人物を中に招いた。

 招かれた人物は、アリアも知っている。

 昨日会った、ギルドハウスのマスターと騎士団の副団長だ。

 昨日に続いて、改めて頭を下げた副団長。


「お邪魔する。今回、改めてお礼に来た。」


「昨日も言った通り私達が勝手にやった事よ。」


「外で作業をしているハンター達にも、お礼を言ったら同じ言葉が返ってきたよ。」


 既にグレン達にもお礼をしていたようだ。

 そして、グレン達もアリアと同じ考えらしく気にしていない。

 しかし、今回はお礼をしに来ただけではない。

 隣のギルドマスターを見たアリアが指摘する。


「ギルドマスターがいるのは、案内って訳でもないでしょう?」


「鋭いな、確かにそれだけなら他の職員に任せる。今回来たのはこれからの事について話す為だ。」


「それなら、立ち話もなんだし座りましょう。」


 二人は案内されてソファに座る。

 獣達が、お茶を持ってきたのを配っていく。

 それを興味深そうに見ていた二人だが、意識を戻し本題に移る。

 まず、ギルドマスターが話し始めた。


「言われた通り、あのエリアの依頼を止めて立ち入り禁止にした。」


「スピナから聞いたわ。それで、あのエリアをどうするの?」


「ほっとけは置けない。今すぐにでも支援施設を建て直したい所だが、非難した職員によると、使い物にならないぐらい損傷しているらしい。」


 グレン達が踏み込んだ時には、廃墟寸前だった。

 作業が出来る程ではないだろう。

 という事は、全く機能していないと言う訳だ。


「今だからこそ、職員を送って調べたい。だけど、あんな事があった後で送る訳にはいかない。そこで騎士団に頼る事にした。」


「本来は我々の出番。と言いたい所だが、隊が一つ無くなって大騒ぎになっている。だから、出せる隊は少ないのだ。」


 どちらも機能不全に陥っているという事だ。

 しかし、このまま放置していると、エリアどころか越境まで崩壊しかねない。

 そこで、訳知りのエメリナの所に来たと言う事だ。

 それを聞いたアリアが溜め息をついた。

 

「ただでさえ厄介な事になっていると言うのに。」


「厄介?」


 事情を話すアリア。

 先程までに得た暴れているであろう存在について話す。

 さらには鳥竜の件も。

 それを聞いた二人が顔を暗くする。

 それもそうだ、そんな時に動けないのだから。

 すると、アリアが決断を下す。


「仕方ないわね。取り返しましょう。」


「何だって?」「今なんと。」


 思わず聞き返す二人。

 唐突な言葉で判断が追い付かない。

 しかし、アリアは無視をして話を続ける。


「今頃、エリアの崩壊でどうなってるか分からないから、動かせないんでしょう? でも、安全が確認された場所ぐらいは守れるでしょ。」


「まぁ、奥のエリアの生き物じゃないなら何とかなるが。」


「なら、話は早いわ。私達が取る。そこをあなた達が守る。陣取り合戦よ。」


 言い切ったアリア。

 しかし、エメリナが物申す。


「無茶よ。例の奴が襲って来たらどうするの。」


「でも、このままだと安全な場所が無くなるわ。」


 放って置けば、越境に近いこの町だってただではすまない。

 人間が勝手につけた線やエリアなんて、向こうには関係ないのだから。

 だから、誰かが動くしかない。

 そこで、副団長が提案する。


「もちろん、いちハンターチームに任せるつもりはない。我々も援軍を送る。大竜は流石に無理だがな。」


「だそうよ。問題は無いわね。」

 

「そろそろ、あなた達について分かって来たわ。」


 呆れるエメリナ。

 しかし、実際の所、何も出来ないでいるより良いだろう。

 実に分りやすくていい。

 副団長が立ち上がった。


「こうしちゃいられん。早速、部隊を編成しよう。では、私はこの辺で。」


 そのまま、研究所を後にする。

 ギルドマスターも後に続いた。


「私も急いでハンターを集めないとな。では、失礼する。」


 作戦の為に、大きな組織のトップが動き出した。

 アリアとエメリナも動き出す。

強力な水圧でダムが崩壊。

水が全て流れてヤバイ。

みたいなことがエリアで起きてます。

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