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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
都市編

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お披露目

 朝日が完全に登った頃にメンバーが起き出した。

 昨日は各自、自由に過ごしそのまま寝たのだ。

 起きてきた人から食堂で朝食を食べている。

 いつもの事ながら、ユーリアとセシルは小竜の世話をしていた。


「昨日大丈夫でした?」


「きつかったよ。」


 昨日は酔っていたせいで、体調が悪かった中で小竜の世話をしていた。

 今回は、体調も万全でセシルがいるので世話が楽に終わった。

 今は小屋で、小竜と共に朝食を食べている。


「本当なら昨日世話が出来てたら良かったんですけど。」


「問題ない。これは私の仕事。」


 小竜の世話を譲る気は無いようだ。

 色々な物を挟んだパンでを口にくわえながら朝の一時を満喫する。

 すると、アリアが小屋に入ってきた。


「おはよう。小竜の健診に来たわ。」


「おはよう。」


「おはようございます。忙しいけど大丈夫ですか?」


 昨日からアリアは、ばたばたと忙しそうに動いていた。

 作業もあるがハンターとしての仕事もある。


「いいのよ。好きでやってるもの。」


 そう言いながら、小竜の体調を確かめていくアリア。

 あちこち体を触っていく。

 その際にと、セシルはアリアに質問した。


「そういえば、今日行くアルカルンってどんな所なんです?」

  

「そうね、馬鹿が集まる所ね。」


「え、頭が良い人達がいるって。」


「だからよ。興味がある事にしか頭が回らない馬鹿ばかり。かくいう私も不眠不休でぶっ倒れるまで研究したものよ。」


 昔の事を懐かしくも楽しそうに話している。

 しばらく小竜を触り確認を終えた。

 丁度、二人も食事を終える。

 その時、グレンがやって来た。


「小竜の様子はどうだ?」


「問題無しよ。」


「なら行く準備を始めようか。小竜を小屋から出してくれ。」


 セシルとユーリアで小竜を小屋の外に誘導する。

 ついてくる小竜を竜車まで案内する。


「それじゃあ私はチェックアウトしてくるわね。」


 アリアが宿屋に向かう為に離脱。

 残りのメンバーで、竜車に向かうがどこにも無い。


「竜車無い。」


「あれ、ここに置いたんですよね。」


 辺りを見渡す二人だが知っている自分達の竜車がどこにも見当たらないのだ。

 そこに後から来たグレンが説明する。

 

「そこにあるだろ。」


「もしかしてこれですか?」


「これ?」


「そういえば完成品を見るのは始めてか。これだよ。」


 目の前にある竜車を指差すグレン。

 実は、二人もうすうす気づいていたが、あまりの変容ぶりに困惑したのだ。

 今までの竜車と違い、鉄板だけだった側面じ固定用の木の枠がつけられている。

 それだけでなく、外が見えるように窓もついてある。

 そして、下の枠に棘が並んでいる。

 しかし、一番の違いはそこじゃない。


「二階ですか。」


「らしいな。」


 竜車の上には手すりのような物が着いており、設置型のボウガンがついている。

 天井の先は尖っており、前座を隠してある。

 ただ、二人はこれを見たことがある。

 まるで。


「自走船に見える。でしょ?」


 竜車の中からカリネが現れた。

 そう、少し小さいが荒れ地で見た陸上自走船みたいなのだ。

 カリネは竜車の側面を叩き強度を確かめている。


「自走船で間違いないよ。底を抜いて上につけたんだよ。」


「昨日自走船を持って来たのはこういう事だったんですね。」


 昨日の事を思い出すセシル。

 確かにギルドの竜車に一隻の自走船がついてきていた。

 まさか、その自走船が貰った物だとは思わなかったが。


「気球を直したお礼にまるまる一隻貰っちゃったんだ。」


「ほんと、無茶をするな。」


 自信満々に言うカリネ。

 思ったよりも大胆な事をしたものだと一同は感心する。

 しかし、セシルがある一つの問題について聞いた。


「でも、竜車は大丈夫何ですか?」


「大丈夫だよ。小竜からしたら今までのが軽いぐらいだよ。エンジンも増やしたしね。前みたいに落ちても上げてくれるのも着けてるし。」


 竜車の前の方を見たら、何かしらの装置がついている。

 あそこが下に伸びて竜車を持ち上げるのだろう。


「これを一日で仕上げるのが一番の非常識だがな。」


 声がした方を見るとジンバルが立っていた。

 自走船が来たのは昨日、つまりジンバルの言う通り一日でつけた事になる。

 しかし、カリネは不満げだ。


「リーダーとかコガラキに手伝って貰ったからね。それにまだ不十分な所もあるんだよ。幸いにも次の目的地はアルカルンだしね。そこで最終工程をするつもりだよ。」


「というか、本当に貰っていいのか?」


「構わない。そもそも余らせてて荒れ地の戦いですら使わなかった奴だ。倉庫で腐らせるより良いだろうって思ってな。」


 責任者がそういうのなら問題は無いのだろう。

 何はともあれ竜車がパワーアップした。

 何時でも次の目的地に向かえるのだ。


「それで、ジンバルはこれからどうするんだ?」


「俺はここに残ってギルドハウスのマスターと話し合いだ。論文のコピーも貰ったしな。しばらくのお別れだ。」


 ジンバルとはここで別れる事になる。

 ギルドでやる事があるらしい。

 そんな話をしている間、メンバーが揃っていく。

 事情を知らないシルファとエリクは、そのつど頭にはてなマークをつけていく。


「えーと、これが竜車でいいんだよな。」


「変わりすぎてて分からんのよ。」


「やっぱりそういう反応になるっすよね。」


 意外過ぎて、驚きよりも疑問が先に来る。

 言葉通り、開いた口が塞がらず、ただ竜車を黙って見上げている。

 手伝ったため知っているコガラキでさえ圧倒されているのだ。

 最後にアリアが到着する。


「皆、準備は良いわね? 乗り込んじゃって。」


 カリネが階段を下ろすと、一同が竜車に乗り込む。

 その際、床下から物騒な槍が見える。


「恐ろしいもんがついてんよ。」


「何かあったら槍が飛び出るんだよ。大抵の獣のボスなら串刺しにする威力だよ。」


 さらっと恐ろしい事を言っているカリネ。

 中にもとある変化がある。

 梯子がついているのだ。


「こっから二階に行くんすね。」


「そうだよ、全員がコガラキ見たいに曲芸で上に行けるわけじゃないからね。」


 この梯子で自由に誰でも登り降りが出来るのだ。

 ユーリアとアリアが小竜を竜車につなぎ竜車に上がった。

 これで準備を整った。


「じゃあ、後は任せたぞ。」


「あぁ、武器が出来たら真っ先に届けるからな。」


 ジンバルに別れをつげる。

 階段が上がりアリアが前座に座る。


「直射日光が当たらないのは良いわね。」


 前座を覆っている天井を見上げて満足そうに呟いた。

 そして、小竜に指示を出して竜車を走らせる。

 

「調子はどうかしら。」


 アリアが小竜に調子を聞くと、大丈夫だとばかりにぶもーと鳴いた。

 重さの問題は無いようだ。


「でも一応何かあったら教えてね。」


 大丈夫だと言ってもまだ序盤。

 これからも同じようにとはいかないのだ。

 竜車が門番につくと手続きを済ませて抜けた。

 小竜に方向を伝えるアリア。

 竜車は、目的地に向けて進んでいく。


「境界線とはお別れだな。」


「しばらくは安泰なのよ。」


 竜車は境界線とは反対に向かう。

 なので、大物と会うのはほとんど無い。

 実際、馬車や竜車といったさまざな乗り物が多い。

 それらの横をグレン達の竜車は進んでいく。

 何もない草原の道をひたすら進んでいく。

 

「全員が揃っての移動は良いもんなんよ。」


「だな、三人だけだと寂しいって話をしてたからな。」


「もう、寂しくない。」


「この竜車、広いっすからね。人が少なかったら空間が目立ちそうっす。」


 人数が少し増えただけなのにそれでも大きく変わった様に見えるのだ。

 その事にカリネが同意する。


「そうだよー。私とアリアはそんな場所で皆を待ってるんだよー。」


「そりゃすまんね。これからは早く帰る事にするんよ。」


「それが出来たら苦労はしねぇけどな。」


 軽く冗談を言い合いながら旅路は進んでいく。

 どれだけ走らせたのだろうか遠くに大きな壁が見え始めた。

 今まで見た壁より遥かに大きい。

 シルファが立ち上がってその壁を見る。


「あれがアルカルンなんかね?」


「違うわね。あれは王都シルヴェストよ。」


「王都と言えば、王族がいるって場所か。」


「そうね、後いろんなギルドの本部があるわね。」


 グレンの疑問に答え追加で説明を加えるアリア。

 更に進むと辺りの景色が一面青に変わった。


「あれは海か、始めて見たんよ。」


「すげぇな、奥が見えねぇ。」


「圧倒的だな。ここまでとは。」


「綺麗。」


 始めての海の大きさに見とれる一同。

 唯一知っているアリアが説明をする。


「アルカルンは、海からも必要な物を運び込める様にと海沿いに立ってるのよ。その影響で交易もの場所としても使われてるの。」


「つまり、もうすぐ目的地って訳だな。」


「そうね、そろそろ見えてくるはずよ。」


 綺麗な海沿いを進んでいくと、アルカルンに向かう整地された道に入った。

 そこを通る馬車や竜車も何だか豪華に見える。

 

「いやぁ、竜車を強化して良かったんよ。」


「倉庫のままだと恥ずかしい思いをする所だったな。」


「ん? 私の夢の乗り物にけちつけるきかい?」


 倉庫批判に食い付く持ち主のカリネ。

 シルファとエリクのほっぺを引っ張った。


「じょうはんへふ。」


「すはん。」


「まぁまぁ、それぐらいにするっすよ。」


 そんなやり取りをしている間に、目の前に大きい水色の壁が現れる。

 王都ほど大きくはないが、その分とても広く横に伸びている。

 ついにアルカルンについたのだ。

 アリアが目を細めて感慨に浸っている。


「久しぶりね。懐かしいわ。」


「嬉しいか?」


「そうね、またここに来るとは思いもしなかった。」


 グレンの言葉を素直に返したアリア。

 もう来ないだろうと離れた場所が目の前にある。

 情に浸るのも当然だろう。

 竜車は門へと入った。

竜車の説明が上手く出来ない。

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