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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
都市編

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チーム合流

 手続きを済ませて、武器屋を出る一同。


「何か酔いが覚めてきたな。」


「確かに、楽になってるんよ。」


「同じく。」


 酔いが覚めた三人の顔色が明るくなっている。

 歩きもスムーズだ。

 調子も戻った所で宿屋に戻ろうとした時だった。

 建物の中から騒がしい声が聞こえた。


「おいふざけんな。いつになったら仕入れるんだ。」


「そんなこと言われましても。」


 喧嘩だろうか。

 一同は顔を合わせる。


「何だぁ?」


「あっちの方から聞こえるんよ。」


 アイテム屋の看板がある建物に向かう。

 中を覗くと、誰かが店員に詰め寄っている。

 建物の中に入ったグレンは仲裁に入った。


「落ち着け、一体何があった。」


「それが、いきなり怒鳴られまして。」


「いきなりじゃあ無いだろ! かなり前に、もう少しで仕入れるっていってただろ! それなのにまだだって。どれだけ待っていると思ってんだ。」


 詰め寄っている男はとても荒れている。

 手が出ないようにグレンはしっかりと間に入った。

 店員は慌てて言い訳を始める。


「仕方ないでしょう。あちこち封鎖されていて物流が滞ってるんですよ。」


「物流を止めているコングの王はいなくなったはずなんよ。」


 グレンの後について店に入ってきたシルファがそう答えた。

 しかし、店員は首を横に振って否定した。


「確かに、そっちの方からの物流は回復しました。しかし、それ以外がまだ。」


「まだって事は、他にも大物が現れたのか?」


「いえ、ただのウルフですよ。ただ、その数が多く観測されているんです。」


 問題が起きているのは一ヶ所だけでは無いようだ。

 多くの場所で物流が滞っている。

 だけど、詰め寄っている男は納得がいっていない。


「ウルフならその辺のハンターを雇えば良いだろ。それに、そろそろ動きが活発になるのは毎年の事だろ? 対策ぐらいとってるだろ。」


 男性の言う通り、この時期はウルフが餌を求めて下りてくるのは当たり前の事なのだ。

 なのに、商人のギルドは何の対策も取れていない。


「先程から言っている通り、私はこれ以上の情報を持っていません。」


「だ、そうだ。仕入れたら優先するということで、ここは勘弁してやってくれないか。いいだろ? 店員。」


「はい、必ず。」


「本当だな? 仕入れたら真っ先に言えよ?」


 男性は、そう言い残し去っていった。

 店員は、汗を拭ってグレンに頭を下げた。


「どうもありがとうございます。」


「いやそれより。物流が滞ったのはいつぐらいだ?」


「少し前ぐらいですよ。いつもこの時期はこんなものなので気にしてなかったんですが。今回は長いですね。」


 いつも通りならすぐに物流は回復するだろう。

 そう思って店員は直ぐに入荷すると言ってしまったのだろう。


「探りをいれた方がいいか。」


「それなら、商人のギルドに行くと良いですよ。場所もこの近くですから直ぐに分かりますよ。」


「そうか、じゃあ行ってみる。」


 一同は店員に別れを告げ商人ギルドへ向かう。

 店員が言った通りの場所を進むと目的の場所はあった。


「ここだな。」


 商人のギルドはハンターギルドとほぼ似た形なので分かりやすい。

 早速一同は中に入り受付に話を聞いた。


「本日はどう言ったご用件で。」


「ウルフが増えて物流が滞ってると言う話を聞いてな。事情を聞きに来たんだ。」


「その事ですか、それなら各地のハンターが討伐していると言う報告があがっているので、もうすぐ物流も戻ると思います。」


 何とか解決に向かっているらしい。

 それなら安心なのだが、原因が分からないのが気掛かりだ。


「ウルフが増えている原因を掴めているか?」


「いえ、そこまではまだ。」


「そうか、ありがとう。」


 受付に別れを告げ離れるグレン。

 待っていたメンバーの下に向かう。


「で、何か情報を掴めたん?」


「いや、物流は回復するらしいが原因については全然だ。」


 芳しい情報は得られなかった。

 仕方なく商人ギルドを後にする。


「で、リーダーは、この事件が俺達が追っている事件と繋がってるって思ってんのか?」


「そうだな。俺達はあのデカぶつをどうにかしないといけないが、あれが残した影響も調べなくてはならないからな。」


「生態系が崩れる。」


「確かにそっちも調べた方がいいんよ。」


 どれだけの生態系がおかしくなっているのか。

 それを調べて納める必要もある。

 環境の変化を少しでも気にしなくてはいけないのだ。

 話をしながら宿屋に戻る一同。


「何だありゃ。」


「ギルドのマークがあるな。」


 竜車を見張っているギルドの職員が、宿屋の前にある豪華な竜車に驚いている一同を見ると駆け寄ってきた。


「グレンさんですね。皆様がお待ちです。どうぞ宿屋に入って下さい。」


 職員に促され中に入ると、誰もいない食堂に案内される。

 別の職員が見張っている入り口を潜ると見知った人物達がそこにいた。


「おい、こっちだ。」


 そこにいたのは、支援施設の長ジンバルと、カリネを除いた裏方組だ。

 グレンは、ジンバルとアリアと同じ机の椅子に座った。

 他の者は、周りの机の椅子に適当に座った。

 グレンがアリアに質問する。


「もう終わったのか。それでカリネは何処だ。」


「竜車よ。改造するって向かったわ。」


「改造?」


「それは後で。驚くわよきっと。」


 何やらはぐらかすアリア。

 今度はアリアが質問する。


「それで、武器の注文は終わったかしら。」


「先程終えた所だ。ほんとなら鎧も欲しかったが。」


「それなら丁度良い。」


 黙っていたジンバルが会話に入ってきた。

 何やら考えがあるようだ。


「お前達が倒した奴らの革や鱗を渡す。それで作れ。」


「それらもそちらに売ったつもりだが。」


「受け取ったのは肉だけだ。素材はハントの証みたいな物だからな。俺達が受け取る訳にはいかない。」


「そしたら私が鎧に変えた方が良いって決めたのよ。丁度良かったわ。」


 鎧が出来る事によって安心して戦える。

 しかし、一つ問題がある。


「また武器屋に行けばいいのか?」


「いいえ、武器屋じゃ無理よ。鱗の加工は別の職人、道具が必要になるわ。残念ながら、この町には無いわね。」


 鱗の加工は鉄とは全く異なる。

 柔らかくして加工する鉄と違って、鱗は固いまま加工する必要がある。

 人の手では難しい代物だ。


「では、それがある場所に行けばいいんだな?」


「それについても含めて今後の話に移りましょう。」


 話を変えるアリア。

 鎧の準備と関係ある事だろう。


「私達の目的は、論文を発表する事。そして、ハンターギルドの本部に伝えて動いてもらう事。と、なると目的地は都市。アルカルン向かうわ。」


「アルカルン、確かこの世界の知識が詰まった場所で世界随一の学校があるって場所だな。」


「ギルドお抱えの都市とも言われてるな。知らない奴はいないレベルだ。でもそんな所どうやって入るんだよ。入るだけでも莫大なお金がいるんだぞ?」


「その辺は問題ないわ。私、フリーパス持ってるもの。」


 目を丸くするジンバル。

 そんな場所のフリーパス何て、誰もが欲しがるような代物だ。

 そんな物をいちハンターチームがホイホイと取り出せるとは普通思えない。


「ちなみに、何でそんな物を持ってるんだ?」


「私の母校だからよ。」


 当然かのように言ってのけるアリア。

 グレンは何か気づいたのか一人で納得した。


「なるほどな、アリアの母校はすごいとは知っていたが、まさかアルカルンだとはな。」


「同じチームだろ。そこは知っとけよ。」


 呆れるジンバル。

 グレンは、メンバーの事を深入りする性格なので知らないのも仕方ない。


「話を戻すけど、アルカルンに行けば目的が達成されるし鎧を加工する職人も当然いる。私もかって知った場所だから気楽に行けるわ。それに、あそこなら間違いなく何かしらの異変に気付いてるでしょう。苦手な子がいるのが気掛かりだけど。」


「よく分からんが。そこに行けばいいんだな? 分かった、次の目的地はアルカルンだ。でも、武器が届くまで動けないか。」


「それなら、俺んとこの職員に持ってこさせる。」


「助かる。それじゃあ、明日の朝出発だ。」


 こうして次の目的地が決まった。

 武器の心配もいらない。

 他のメンバーは安心したのかだらけている。


「じゃあ、明日までゆっくり休むんよ。」


「酔いも覚めたし、たらふく食うかな。」


「私も空腹。」


「これからアルカルンに向かうってのにのんきだなぁ。普通無いぞこんなこと。」


「悪いけど、こちとらそんなとことは無縁の世界で生きてきたからねぇ。実感が湧かんのよ。」

 

 予想が出来ないのなら、どれだけスゴいと言われても分からない物だ。

 それは逆も同じ事だ。


「私は逆にハンターの世界がこんな泥臭いなんて知らなかったわね。」


「そこがいいんだろ。ハンターになって良かっただろ?」


「そうね、教科書じゃあ分からない発見ばかりね。」


 エリクの言葉を肯定するアリア。

 ハンターを満喫しているのだ。

 そこで、カリネが現れた。


「話終わった?」


「あぁ、終わった。そっちはどうだ?」


「まだ時間はかかるかな。で、その事で手伝って欲しい事があるんだけど。」


「分かった。今日は解散しよう。各自、明日までに準備を済ませておけ。」


 一同は自由に動き始めた。

 休むものは休み、作業をするものは作業をする。

 やるべき事を済まし、次の日を迎えた。

武器は鉄と鉱石。

防具は獣やモンスターの素材でいきます。

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