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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
町編

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43/166

大混戦。

「せっかく武器を新調したんだ一発目は俺が貰う。」


 試し切りがしたいグレン。

 反対するものは誰もいない。

 コガラキが煙玉を発射すると同時にグレンが駆け出した。

 煙が双方を包んだ。


「かかってこいっ。」


 怒りが高まっていた小竜のボスが煙から抜けた。

 その瞬間、大剣が胴体に直撃した。

 小竜のボスは体がそれる。

 大剣を薙ぎ払ったグレンはその場で一回転。

 勢いをつけた、先程よりも大きな一撃を小竜のボスに叩き込む。

 その攻撃の直撃を受けた小竜のボスは吹き飛んだ。


「リーダー、来てるぞ。」


 グレンに子分の群れが押し寄せる。

 慌てる様子もなく大剣を一薙ぎ。

 大剣を受けた小竜は吹き飛んだ。


「なかなか良いな。」


 大剣を構え直すグレン。

 煙が晴れた。

 大熊がグレンに襲いかかる。


「させねぇよっ。」


 しかし、シルファが大熊の足を払うことによってグレンの前で転倒。

 グレンは、目の前に差し出された大熊の顔に大剣を叩き込んだ。


「リーダーばかり、活躍はさせねぇよ。」


 エリクが槍で大熊のお腹を一突き。

 耐える大熊。

 エリクは槍をしっかりと押し込む。


「私達も、いるよ。」


 ユーリアが、大熊の背中に飛び乗り首を斬った。

 大熊の首から流れる血で毛が赤く染まる。


「今のは効いたんよなっ。」


 致命傷を与えたと確信するシルファ。

 すると、立ち上がった小竜のボスが大熊に噛みつき投げ飛ばした。

 ハンターに向けて投げたのを察知したメンバーは回避した。

 グレンは仲間に警戒するよう伝える。


「こいつらは元々敵同士。隙を見せたら、容赦なく来るぞ。」


「早く片方片付けたいんよ。」


 駆け出すシルファ。

 シルファに向かって小竜はボスは噛みつこうと襲いかかる。

 それをスライディングでかわしたシルファは、体勢を立て直し首を斬り上げた。 

 シルファを向いた小竜のボスの胴体を槍で突くエリク。

 そして、頭に大剣を叩き込むグレン。

 最後にユーリアが追撃を与え転倒させる。


「意識もうろうだな。」


「リーダーの一撃が頭にヒットしてたからな。」


「くらくら。」


 小竜のボスは何とか立ち上がるも足がおぼつかない。

 止めを刺そうとメンバーが駆け出すが。


「行くな。引けっ!」


 メンバーが足を止めた瞬間、立ち上がった大熊が小竜のボスに追突。

 小竜のボスは吹き飛び動かなくなった。

 大熊はハンターの方を向く。


「代わりに止めを刺してくれたんよ。」


「ありがたい。じゃあ、こっちも早く倒してしまおう。」


 大熊と向き合い武器を構えるハンター達。

 シルファが真っ先に駆け出した。

 その瞬間、森の奥から影が飛び出した。


「危ないっ、シルファ。」


 遠くから見ていたので、その瞬間をいち早く見れたグレンが叫んだ。


「っ、分かってるんよっ!」


 ぎりぎり認識出来ていたシルファは、全力で横に跳ぶ事でそれをかわす。

 その代わりに、大熊がそれに加えられ空高くに持ち上げられた。

 そのシルエットに一同は驚愕する。

 姿を現した大きな蛇が、ゆっくりと大熊を飲み込んだ。

 正体が現れたことにより視認できたアリアとユーリアも驚いた。


「何、何、何なの。あれ。」


『何があったんだっ?』


 様子が変わったのに気づいたジンバルが質問した。

 アリアは、メモを取りながら答えた。


「大蛇ね。さすがの速さだわ。あの図体でどうやって音を立てずに近づいたのかしら。」


「ちょっ! メモを取ってる場合!? と言うか来たって教えてよっ。」


『無茶言うなよ。こっちは全部が見れる訳じゃないんだ。特に、隠れて移動している奴なんか分かるわけがない。』


 無茶ぶりに対し怒った様に返事するジンバル。

 実際、コガラキの鳥も気づけなかったのだ。

 メンバーが警戒していると、大蛇がハンター達を視認した。


「来るっ。」


 大蛇は、真正面からハント組に噛みつきかかった。

 二手に分断された。

 グレンがアイテムポーチから煙玉を取りだし叫んだ。


「煙をまけっ。」


 その声に他のメンバーも煙玉を取りだし地面に投げつけた。

 周りが充満し姿を隠すことが出来た。


「セシル。危険な事をさせてしまうが力を貸してくれ。」


 グレンに呼ばれたセシルが分かりましたと返事をした。

 ボウガンを確認しグレンの指示を待つ。

 煙の奥から見える距離にグレンが現れた。


「セシル。ボウガンを撃ちながら、俺に付いてきてくれ。」


「これだと当てれませんよ。」


「構わんっ。適当で良いから空に撃ってくれ。」


 セシルが一発撃ったを確認したグレンが駆け出した。

 セシルもその後を追う。

 走りながら、新たにボウガンに矢を装着し適当に空に撃つ。

 後ろから何かが追ってきている。


「全力で走れっ。」


 グレンの掛け声通りにセシルは全速力で走り出す。

 後ろから物凄い速さで何か来ている。

 

(正直怖いっ。)


 涙目になりながらも走り続けるセシル。

 先に煙から出たグレンが叫ぶ。


「煙が出たら横に跳べ!」


 セシルの視界が開けると目の前に木が現れる。

 その横にグレンが待ち構えている。

 ぶつからないように横に跳んだ。

 その直後、すれすれで大蛇が現れ木に衝突した。


「上出来だっ!」


 グレンは、大蛇の首に大剣を叩き込んだ。

 その勢いで吹き飛び倒れた。

 そして、すぐさま起き上がり体勢を立て直す。

 それと同時に煙が晴れた。

 大蛇の首から血が垂れている。


「順調だな。」


 改めて武器を構え直すハンター達。

 大蛇は、もう一度襲いかかる。

 その直後、空から降ってきた巨大な影に踏み潰された。


「今度は何だっ!?」


「おいおい、ふざけんなっ。」


「ほんと、飽きさせてくれないんよっ。」


 その姿は、最近見たばかりの獣の頂点。

 コングの王だ。

 しかも、前戦ったのより大きい。

 メンバーに全力で指示を叫ぶグレン。


「下がれっ。下がれーーっ。」


 メンバーは指示通りに下がった。

 幸いにもコングの王は、大蛇に集中している。

 コングの王は、大蛇の首を持ち何度も殴りかかる。

 大蛇も、負けじとコングの王を締め付けた。

 しかし、コングの王は構わず殴り続ける。


「何だぁ。パーティーの開催地か何かかよっ。」


「そんな訳無い。」


「いっそ、そうだといいんよな。」


「現実逃避をしている場合か。警戒を続けろ。」


 まださらに来るかもしれない。

 コガラキの鳥は混乱しながらも空を飛んでいる。

 コングの王は見つけられたがその頃には飛び込んでいた。

 どうすれば良いのか分からないのだ。


「これ以上、あっしの鳥に働いてもらうのは無理っすね。」


「そりゃそうなんよ。あの速さに対応しろ何て無理な話なんよな。」


 そうしている間にも、コングの王は殴り続けついに締め付けが解かれた。

 大蛇の首を両手で持ち投げ飛ばした。

 大蛇はピクリとも動かない。

 そして、コングの王はハンター達を見て吠える。


「やっぱそうなるよな。」


「大蛇持って帰って欲しかったんよ。」


 エリクとシルファの願いも虚しくコングの王がゆっくり迫ってくる。

 一同は武器を構え直す。


「コガラキ、セシル。周りを警戒してくれ。」


「分かったっす。」「分かりました。」


 二人はハント組から離れて周りを見渡す。

 これで、ハント組は戦いに集中出来る。

 グレンは、他のハント組に発破をかける。


「こいつは、以前戦ったのより大きいし力も強い。どうする?」


 勿論、答えは決まっている。

 今更引く様なメンバーでは無い。

 シルファが剣を振り答えた。


「勿論、真っ正面からなんよっ。」


 真っ先にシルファが駆け出した。

 他のメンバーも後に続く。

 近づくシルファにコングの王が殴りかかった。

 それをぎりぎりでかわし、足を斬りつける。


「続くぞっ。」


 コングの王がそちらに視線を向けた瞬間、懐に入ったグレンが全力の一撃を叩き込んだ。

 くの時に曲がるコングの王の体。

 そのお腹に、エリクが槍で突き上げ押し込んだ。

 ついでに、背中に上がったユーリアが首を斬った。


「よし、このまま首を狙っていくぞ。」


 シルファが斬った足の所に槍斧を叩き込むエリク。

 肘を立て体を支えるコングの王。

 そこに、グレンが肘に大剣を叩き込んだ。

 支えがなくなり、遂に倒れた。


「続けっ。」


「分かった、よっ。」


 倒れたコングの王の首を、前からユーリア、後ろからシルファが斬り込んだ。

 立ち上がったコングの王は腕を払いハンター達を退けさせた。

 そして、怒ったのか思いっきり叫んだ。


「図体がでかいだけっ。対した事ねぇな。」


「気をゆるめるなよ。最後まで油断するな。」


 改めて声をかけていくグレン。

 メンバーは、もう一度攻撃するべく体に力を入れた瞬間。


「危ないっすよ。」


 コング王の前に、もう一体のコングの王が現れた。

 今度は以前戦ったのと同じぐらい。

 攻撃を止め警戒体勢に戻る。

 一同は、絶望に乾いた笑いしか出ない。


「あはは、王が二匹? そんな馬鹿な。」


「そんな訳が無いのは確かだ。恐らくつがいだな。女王って所か。」


「そんなのどうでもいいんよ。もう一匹増えたことは変わらなんのよ。」


「面倒。」


 女王は王を庇うように前に立った。

 グレンは新たな作戦を伝える。


「しかし、王の方はダメージは大きい。俺一人で良いだろう。」


「じゃあ、女王を引き離すんよ。」


 ハント組が一斉に駆け出した。

 シルファとユーリアが女王の攻撃を誘導しエリクが牽制する。

 下がる一同につられ迫る女王。


「今だっ。」


 その間に、グレンは王に斬りかかる。

 行きなりの事に対処できず攻撃をもろに食らう王。

 そのまま後ろに倒れた。

 女王がそっちを見たがその隙を一同は見逃さない。


「そっちを見てる場合かよ。」


 エリクが女王のお腹を突いた。

 そして、槍斧を叩き込んだ。

 体勢が崩れた所に、シルファがお腹に一撃を与え押し込んだ。。

 女王が後ろに倒れた隙に上に登るユーリア。

 クロスさせた刃を首に当て左右に引き裂いた。

 血が溢れる。


「油断大敵。」


「王の心配をしてる場合じゃないんよ。」


 後ろに下がったメンバーは手応えを感じる。

 それでも女王は立ち上がる。

 拳を振り回すも血が減っているせいか体勢を崩し跳ぶように前に倒れたのだ。

 余裕がでた一同だが、女王の前を見て急いで駆け出した。

 女王はセシルの前に倒れたのだ。


(やばい。)


 急に跳ぶように倒れてきたので対処が出来なかったのだ。

 ぎりぎり避けたが、セシルが立ち上がる前に女王が立ち上がった。

 当然の如く、セシルを敵と認定し殴りかかった。

 振り上げられた拳に脳が停止する。


「左に跳べっ。」


 エリクの言葉に我を取り戻したセシルは言われた通りに左へ跳んだ。

 その直後、女王の顔が煙で包まれた。

 コガラキがボウガンで煙玉を飛ばしのだ。

 セシルも負けじと、倒れた体制のままで煙の中に向けてホウガンを撃った。

 女王は目を押さえて前屈みになる。


「なかなかやるんよなっ。」


 セシルが作った隙は逃さない。

 シルファとユーリアは背中を駆け上がり、両側から首を斬った。

 女王は倒れる。

 一方グレンも、王の攻撃をかわし大剣を叩き込んでいく。


「当たらなければ意味がないぞ」


 胴体、腕、足に傷が増えていく王。

 また攻撃を避けようとした瞬間、先程まで倒れていた大蛇が王の腕に噛みついた。

 その隙に大剣を叩き込んでいくと、遂に王は倒れた。

 大蛇が腕から王を飲み込んでいく。


「助かった。でも死ね。」


 王の体を上がって大蛇へと飛び込むグレン。

 そのまま、大蛇の首を引き裂いた。

 最後に王と女王にそれぞれ止めを刺した。

 遂に、人間以外の生き物はピクリとも動かなくなった。

あれだけやばいと煽って二匹だけとは、と思ったので少し増しておきました。

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