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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
町編

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出発。そして、途中の町で一泊。

 朝起きたセシルは、着替えて訓練場に向かった。

 何時ものメニューをこなす。

 それから、ユーリアと共に小竜の世話をする。


「張り切ってるね。」


「勿論。今日の為に頑張って来ましたから。」


 どうやら他人から見ても分かるぐらいに、やる気が溢れているようだ。

 小竜の世話を終え外に出ると何時ものメンバーがボールを当てあう運動をしている。

 前回のようにシルファがセシルに声をかけてきた。


「セシル、今日はどうなん?」


「やります。」


 逃げてばかりではいられない。

 怖さを知るチャンスを逃すつもりはないのだ。

 ユーリアと共に、運動に混ざった。

 そして、容赦ないグレンの一撃が鳩尾に決まったのだった。


「す、すまない。手は抜いたんだが。」


「大丈夫、です。」


 膝が笑いながらも、大丈夫ですとアピールした。

 何とか堪えれたのだ。


「リーダーはもっと一般的と言うものを知るべきだな。」


「そうなんよな。」


 エリクとシルファは、慌てるグレンに突っ込みを入れた。

 その後も運動は続行された。

 華麗にボールを受けとるセシル他一同。

 だが、セシルだけは一球も取れず。

 しかし、学びは得られる。


「どうだ、セシル。きついか?」


「きついですね。でも、これぐらい見切れないとやっていけませんから。」


 せめて、ボールから目を外さないようにしたい。

 目標を新たに掲げ、運動を終える。

 広間に戻り用意されてある食事を取り準備を済ます。

 しばらく離れる部屋の確認すると、竜車の倉庫へ向かった。


「自分も手伝いますよ。」


「そう? お願いするね。」


「じゃあ、あっしと一緒に押すっすよ。」


 カリネに声をかけ竜車を取り出す準備を手伝う。

 カリネが、動く床のロックを外すとコガラキと共に竜車を押した。

 せーのと、声を上げ竜車を倉庫に出した。

 建物の裏から出てきた小竜に竜車を繋いだ。

 小竜に挨拶をして竜車に上がっていくメンバー達。

 グレンは拠点の鍵を閉める。


「しばらくこの拠点とはお別れだな。」


「まぁ、これで最後って訳じゃ無いけどなぁ。」


 エリクの言う通りしばらく離れるだけだ。

 とは言え、どれぐらい離れるかは分からない。

 別れを惜しむのも仕方ない事なのかもしれない。

 グレンは竜車に乗り込み、確認を取る。

 

「各自、準備は良いか。」


 問題無しとの返事が帰ってきた。

 その時、事前に竜車の中に移した通信機が鳴り出した。

 相手は、ギルドハウスだ。


「時間通りだな。グレンチーム、何時でも行ける。」


『分かりました。商人の方達は町の外で待ってます。』


「分かった。町の外で合流でだな。」


 グレンは、受話器を置きもう一度取る。

 今度は門番に連絡を取る。

 受話器を置いて出発の準備を終える。


「竜車を出すぞ。いいな。」


 返答がないので、前座に座っていたアリアに竜車を出す指示を出した。

 階段を引き上げたのを確認すると、小竜に指示を出し竜車は出発した。


「さて、次の町が楽しみなんよ。」


「残念だけど、娯楽なんてほとんど無いわよ。」


「モンスターの住みかとの境界線に近いからな。」


 シルファの希望を否定するアリアとグレン。

 実際、最前線のような町なので住む一般人は少ないのだ。

 人が少ないと娯楽も少ない。

 竜車は拠点から出てすぐ門についた。

 何時もの如く例の門番が対応する。


「カードの見せてくれ。」


 門番は何だかやつれているようだ。

 何時もの元気が無い。


「どおした? 元気が無いようだが。」


「忙しくてな、通常の入り口の門に駆り出されてたんだ。」


 確かに、並ぶ商人の馬車の列はいつもより多く見える。

 門番は、グレンから受け取ったカードを返し門を開ける。


「しばらくは忙しくなりそうだな。」


「まぁ、頑張れ。」


 門が開き合図が出たので、竜車を動かし門を抜ける。

 ハント組が装備を着たのでセシルも着た。

 グレンは、門の前にギルドの職員がいたので竜車から降りて話しかけた。


「依頼を受けたグレンチームだ。」


「来ましたね。商人は揃ってますよ。」


 ギルドの職員の前にいた商人達はグレンに頭を下げた。

 ギルドの職員が説明を始める。


「今回の依頼は、二つ町まで送る事。ご存じかと思いますが、近くにモンスターが生息しているのでご注意下さい。朝の十一の刻、確認。では、出発して下さい。」


 商人は、各自の馬車に戻り乗り込む。

 グレンも竜車に乗り込んだ。


「出発します。」


 小竜が走り出すと、馬車もその後を着いてくる。

 速度は竜車に合わせゆっくりだ。

 町から離れ整地された道を進んでいく。


「まずは、目的地の中間にある町に寄る。そこで一晩明かして次の町に向かう計画になっている。」


 事前に話し合った内容の説明をするグレン。

 目的地の町までかなりかかる。

 一日でつかないこともないが、夜は危険なので途中の町で泊まるつもりだ。

 その為、その町に向かう馬車の警護も受けたのだ。

 何もない道を順調に進んでいく。

 森を沿う道を通り、山を避け、ハンターと商人の一行はひたすら道を突き進む。

 あいもかわらず外の流れる景色を見ていたセシルに、シルファが声をかける。

 

「楽しそうなんね、何かあるん?」


「特に無いですよ。何かきれいな景色でも無いかなって。」


 いくら見ても同じ景色が続いている。

 しかし、良い景色が無いかと期待してしまう。

 そんな話しをしているのエリクが割り込んできた。


「写真家にでもなりたいのか? そういうのはもっと自然の奥にあるもんだぜ。」


「でも、危険。」


「そうだな、そういう場所に限って獣が潜んでいるからな。」


 一般人が向かえばひとたまりもない。

 選ばれた人間にしか見ることが出来ない風景なのだ。

 セシルは、その話に一つ疑問を持った。


「それじゃあ、写真家の人ってどうやって写真を取るんですか?」


「大抵は、ハンターに依頼をしてんるんよ。」


「写真を取るためにハンターになった人もいるな。」


 写真の為なら、どんな危険な場所にも行く。

 そこまでして取るのにはそれだけの魅力があるからだ。

 

「写真なら良くアリアも取っているよね。」

「確かに、偵察に動いている間に、資料に必要とか言ってな。」


 ハンターの活動をしている時も研究者としてしっかりと活動しているのだ。

 アリアの話に、前座に座る当の本人が反応した。

 

「現地で直接取る写真に勝る資料は無いのよ。」


「さすがだな。」


 アリアの研究者魂に感心するセシル。

 自分に出来る事をしっかりと持っているのだ。

 話を聞いていたのか、先程までの話にアリアがのっかってきた。


「写真に興味があるなら何時でも言ってね。」


「勧誘する気満々だなぁ。」


 話が合う相手が欲しいのだろう。

 勧誘に余念がないアリアに、エリクは呆れた。

 シルファがアリアに質問した。


「いっその事、本でも出したらどうなん?」


「そこまで珍しいものは取ってないわ。せいぜい論文に使えるぐらいね。」


「じゃあ、これからの活動で取れたら出すと言うことか。」


「勿論、フィルムは買い込んでるわ。」


 自慢気にアリアは言った。

 そんな話をしている間にも、竜車の周りに自然が増えてくる。

 コガラキは、周りの景色にはんのうした。

 

「そろそろ、周りを見た方が良いっすかね。」


「頼んだ。」


 グレンの許可を得てコガラキは、竜車の上に上がる。

 生息地に近づいているのは確か。

 警戒するに越したことは無い。

 上に立ち周りを見渡す。


「異常無し。っすね。引き続き、見渡すっすよ。」


「頼む。」


 セシルも協力しようとしたが上がる方法を知らないので、引き続き竜車の中で外の景色を見ながら警戒する事にした。

 外を見ていると空がうっすらと赤くなってきた。

 夜が近づいているのだ。

 すると、前座に座っているアリアが竜車の中に声をかける。


「次の町が見えてきたわ。」


「あっしも確認したっすよ。」


 コガラキは竜車の後ろに行き、商人に声をかけた。


「もう少しで町っすよ。合図で準備に入るっすよ。」


 竜車は、門に真っ直ぐ入れるように道をそれて大きく周りこむ。

 馬車もそれに続いた。

 そのまま、ハンター用の入り口と通常の入り口に別れて入る。

 手続きを済まし中に入る。


「ありがとうございました。無事ここまで来れました」


 この町までの契約となっている商人と別れる。

 そして、明日また共に行く商人と宿屋に行く。

 竜車を専用の土地に止め小竜を貸し小屋へと連れていく。

 そして、一同は宿屋に入る。


「部屋は男組、二部屋。女組一部屋を予約しておいたわ。じゃあ、お先に。」


 女性組である三人は部屋を決める必要が無いので先に部屋に向かった。

 男性組も部屋割りを決めて部屋へと向かった。

 グレン、コガラキ、セシルの三人。

 エリク、シルファの二人に別れてそれぞれ部屋に入る。

 ベッドを決め荷物もつを置くとグレンが声をかけてきた。


「少し早いが食事にしようか。」


 頷いて肯定した二人は部屋を出る。

 宿屋の受け付けに食事が出来る所を聞いてそこに向かう。

 宿屋にも食事が出来る場所があるがせっかく来たので店で食べる事となったのだ。

 セシルは、他のメンバーについて聞いた。


「他の人は呼ばなくて良いんですか?」


「女組は勝手に食事をするだろう。」


「シルファさんとエリクさんは勝手にそこらをぶらついてる頃っすね。」


 グレンは、確かにとがははと笑う。

 コガラキもそれにつられて笑う。

 三人は、紹介された店につくと店の名前を確認し中に入る。

 席について注文を取る。


「しっかりしてるっすね。」


「まぁ、たまのはこういうも良いだろう。」


 一般人向けのお店なので、パン、スープ、おかずがセットで取り扱われている。

 各自好きな物を選び注文する。


「あんまりこういうお店に来ないから気になるな。」


「中にはマナーとかがきちっとしてあるお店もあるっすよ。」


「絶対に無理だな。そんな、綺麗事が出来るほど人間が出来てない。」


「でしょうねっすよ。自分も無理っす。」


 勿論、自分にも無理と思うセシル。

 まぁそんなことが無いだろうと、この話は終わった。

 それと同時に、食事が来たので話は食事の話しに移る。

 感想を言いながら食事を取り、そして食べ終えた。

 店を出ると一直線に宿屋に戻った。

 部屋に戻らず、個室のシャワー室で体を洗い流し休憩室で休む三人。


「こんなにゆっくり出来るのもしばらくは無いだろうな。」


「そうですね。」


「しばらくは、竜車か支援施設でお泊まりっすかね。」


 当たり前だが、外に出ればベッドもシャワーも無い。

 だからこそ、今の時間をゆっくりと堪能するのだ。

 途中で女性三人も加わった。


「こんな所で何してんの?」


「眠くなるまで、話してるんだ。」


 女性組も、シャワー後なのか髪にタオルを巻いている。

 六人で、食事の話しをしたり、雑談を始めた。

 眠くなるまで話しは盛り上がったのだった。

今回の町はクレハ村より近くて、目的の町はクレハ村より遠い感じです。

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