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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
町編

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真相の考察

 次の日の朝、セシルは起きると着替えて広間に向かう。

 まだ誰も来ていない。

 誰かに言われるまでもなく体を動かす。

 一通り終わると今度はユーリアと小竜の世話に行く。


「張り切ってるね。」


「はい。もっと強くなりたいんですよ。」


「そう。でも、無理は禁物。」


 分かってますと、セシルは肯定する。

 実際、正しい筋肉を動かす以外の事はしていない。

 大事なのは基礎なのだと、しっかり体に馴染ませるのだ。

 昨日と同じ事をこなし世話を終える。


「ありがとう。上がって良いよ。」


 小屋に残り世話の続きを始めるユーリアを残しセシルは広間に戻る。

 広間には、すでにアリアとカリネを除いたメンバーが揃っていた。

 セシルに気づいたグレンは、仲間との雑談をやめ立ち上がる。


「おはよう、セシル。武器屋に行くぞ。準備しておいてくれ。」


「は、はい。おはようございます。分かりました。」


 部屋に戻り荷物を持つと広間に戻る。

 降りてきたセシルを向かえたグレンは拠点から出る。

 そのまま、武器屋へと歩き出した。


「間に合って良かった。さすがに武器無しで向かって良い場所じゃないからな。」


「場所分かったんですか。」


「昨日、研究所に行ったときにアリアに言われてな。今日にも作戦会議をする。セシルも準備をしておけよ。」


 セシルは、はいと頷き肯定する。

 とうとう村を襲う元凶の調査に向かえるのだ。

 やる気は充分だ。

 二人は武器屋にたどりついたので中に入る。


「いらっしゃい。あら、グレンさんね。今、だんなを呼んでくるわ。」


 女性が二人を向かえ入れた。

 どうやら店長の妻らしい。

 しばらく待っていると再び女性が現れる。


「奥に来てほしいそうよ。」


 呼ばれた二人は、店の奥へと向かう。

 そこで店長が二人を向かえる。

 店長は、妻へと指示を送る。


「防具はそっちで確認しておくれ。こっちは手が離せん。」


 店長は、水に浸けてある大きな鉄の塊を取り出した。

 水から引っ張りあげると、台の上に横がける。

 良く見れば、大剣だ


「我ながら面倒な物を作ったわい。」


 そう言って、大剣に付いた水を拭き取り刃を磨き始める。

 その様子を見ていたら、女性が革の防具を待ってきた。


「はい、着けてちょうだい。あっているか確認するわね。」


 言われた通りに体の各所に防具を着けていく。

 ぴったりだ。

 女性も満足そうに頷いている。


「問題なさそうね。あなたはどうかしら?」 

 肩を回したりと確認する。

 相変わらず動きにくいが、そこは慣れていくしかない。

 特に問題は無いので、セシルは大丈夫ですと返事する。


「武器はどうするの。」


「ボウガンで。」


 コングの王との戦いで戦場に出るのは無理だと悟ったのだ。

 ボウガンで後ろからサポートしていくことに決めたのだ。。


「じゃあ、それでお買い上げで良いわね? ギルドから貰った引換券はあるかしら。」


 荷物から引換券を出し女性に渡す。

 受け取った女性は、確かに受け取りましたと奥に引っ込んだ。

 それと同時に、店長が大剣を磨き終えた。


「ほれ、持ってみ。」


 促されたグレンは、大剣を持ち上げ構えた。

 持つ角度も持ち変え重さを確かめる。


「随分と重いな。」


「あんたには丁度良いだろ。」

  

 大きさは、身長が高いグレンよりも少し高いぐらい。

 太さもかなりある。


「確かに重いが、その分威力と耐久力はお墨付きだ。お前さんにしか扱えないだろう。」


「気に入った、これをいただこう。」


「そうか。満足いったようで何よりだ。」


 グレンは、店長に渡し包装してもらう。

 そして、それを肩に担ぐ。

 それと同時にセシルも包装されたボウガンを手渡される。

 用事は済んだので店の外へと向かう。


「じゃあ、店長。支払いは後で届けるよ。」

 

「分かった、それまでくたばるんじゃないぞ。」


「くたばるつもりはない。安心してくれ。」


 店長は、そうじゃなと言い残し店の奥へと引っ込む。

 心配はしてないのだ。

 グレンを信じているから余計な事は言わないのだ。

 二人は店を出て拠点へと帰る。

 その途中、ギルドハウスの方向からアリアが現れた。


「あら? 今、帰りかしら。」


「そうだ、アリアはギルドハウスから戻ってきたのか?」


「そうよ、護衛クエスト受けてきたわ」


 昨日、ギルドマスターと話してた事だ。

 向かう場所が決まったのでそこまでの護衛を引き受けたのだろう。


「詳しくは作戦会議で。」


 グレンは、そうだなと再び歩き出す。

 拠点に付き中に入るが、中には誰もいない。

 しかし、奥から騒がしい声が聞こえる。


「外にいるのか。とりあえず、カリネに武器を渡してしまおう。」


「それじゃあ私は、作戦会議で食べる食事の準備ね。」


 アリアと別れ、カリネがいる作業場へと向かうグレンとセシル。

 作業場に入ると奥でカリネが作業場していた。

 誰か入って来た事に気づき反応する。


「お帰りー。新しい武器だね。預かるよ。」


 気を付けろよとグレンから渡された瞬間、カリネは表情を固めて震え出す。

 重さに耐えているのだ。

 とっさにグレンが下から支える。


「お、お、おおお、重っ!」


「だ、大丈夫か。」


「な、なんとか。」


 武器を持ち直し台に横がけた。

 包装を解き武器を確認する。

 顕微鏡の付いたゴーグルを着け刃を見る。


「しっかりと研かれてるね。後は、錆止めを塗っておく位か。」


 ゴーグルを外すと、今度はセシルからボウガンを受けとった。。

 包装を外しパーツを確認していく。

 

「これ、こっちでいじっておくけど良いよね?」


「あ、はい。お任せします。」


「ついでに、防具も置いてっていいよ。シルファかエリクに竜車にまとめて積め越せておくから。」


 そう言って、セシルのボウガンを持って作業台に向かうカリネ。

 その姿を見届けた二人は広間へと向かう。

 丁度良いタイミングで、ハント組の三人も広間にやって来た。


「何してたんだ?」


「ユーリアが小屋の掃除をしている間、小竜と遊んでやってたんよ。」


「さすが小竜。全然かなわなかったな。」


 一仕事終えたかのように三人はソファで寛ぎ始めた。

 そこに、コガラキとアリアが現れ料理とパンを並べていく。

 邪魔にならないようにグレンとセシルもソファに座った。


「速いな。」


「ほとんど調理は、コガラキがやってたからね。」


「暇だったんで早めに調理してたんすよ。それにシルファさんとエリクさんにも手伝ってもらってたんで楽に出来たんすよ。」


 全員が席につくと食事を取り始める。

 匂いにつられてカリネもやって来た。


「作業はどんなん?」


「順調だよ。作戦までには終わらせるから安心してね。」


 パンに適当に挟んだカリネは勢い良くソファに座った。

 食事を進めていると、パンをくわえながらアリアがボードに地図を張り付けた。

 グレンも地図前に向かう。


「食べながらでいい。始めてしまおう。」


「分かったわ。」


 アリアは、パンを詰め込むと地図に何かを書き始めた。

 蓋を閉めると、それで地図のある部分を指し示した。


「私達が倒したドラゴンの生息地を調べたところ。この辺りね。」


 アリアが指し示したそこは、とても広い荒れ地となっている。

 もはや、そこだけで一つの地方と呼ばれる程の広さだ。

 勿論苦情が出る。


「そんな広い場所どうやって探すん?」


「もしかして、片っ端で探そうって言わないよな?」


 当然の疑問である。

 しかしアリアは、首を横に振る。


「その必要は無いわ。その問題を解決する鍵はウルフのボスと二匹のタイガーね。」


「あいつらが?」


 アリアは、さらに地図に書き加えていく。

 蓋を閉めるとそこを指し示す。


「基本ドラゴンが巣から離れる事はないわ。でも、何であんな所まで来たのか。それは、巣を失ったから。」


「つまり、そいつらが巣を荒らしたわけだな。」 


「いや、違うわね。そこまで無謀な事はしないわ。」


 アリアは、エリクの言葉をしっかりと否定した。

 どんな生き物でも上の存在は絶対なのだ。

 返り討ちにあう事をわざわざしたりしない。


「ここからは、わたしの推測よ。二つの勢力は恐らく縄張り争いをしていた。証拠は無いけどね。」


 ボードにまとめを書いていくアリア。

 頭で整理をしながら説明を続ける。


「その時、巣を追われたドラゴンが現れた。二つの勢力はドラゴンに襲われた。そして、その二つの勢力も追われた。だけどそこは未開の地。餌は無い。そこで、争っていたお互いが相手を食べようと争い始めた。」


 二匹のタイガーからすれば、ウルフの大群は餌の宝庫。逆にウルフからすれば大物二匹はとびっきりのご馳走だ。

 だけどそれで終わらない。


「ドラゴンが追ってきたから、さらに逃げた。遠くにあるクレハ村までそれが繰り返された。」


 アリアは、線を思いっきり引いてその先に矢印をつけた。

 これらは全て事実なのかは分からない。

 そして、説明の締めに入る。


「これは全部、私の憶測。でも、ドラゴンをおおいやる程の存在がいるは確かよ。ほっとけば、生態系が変わって。人里にヤバイのが沢山降りてくるわ。」


 その事実に驚愕したセシルは焦りだす。

 そして、アリアに質問する。


「それってつまり、クレハ村は危ないって事ですか?」


「そんなもんじゃすまないわよ。近くにある全ての人が住んでるところは全部危険だわ。」


 そう考えるのも当然の事だろう。

 遠くのクレハ村が襲われたと言うのなら、それより近い場所は全部対象になるのだ。

 グレンが新たに質問をする。


「それは、ハンターギルド本部に伝わっているのか?」


「先程、ギルドマスターに説明したけど、ひっくり返るぐらい驚いていたわ。本部が隠しているのなら別だけどわざわざそんな事をする必要はないわね。」


「つまり知っているのは俺達と。」


「ギルドマスターだけ。」


 一同は黙り混む。

 だけど肝心の事を言っていない。

 気づいたエリクが質問する。


「最初の話しに戻るけど。探し周る必要はない無いって言うのは?」


「その事ね。それなら簡単よ。ウルフのボスやタイガー種が生息している場所。かつ縄張り争いが多い場所の近くを探せば良いのよ。」


 近い場所に生息しあっていたからこそ今回の騒動が起きたと予想出来たのだ。

 つまり目的地もそこになる。


「場所は見つけてるわ。つまりその近くの町がこれから私達が向かう町ね。」


 勢い良く目的を丸で囲んだ。

 そしてそれは、とある事実を示す。


「これから俺達は、縄張り争いが頻繁に起こる危険地帯に向かう事になる。今までのように一体の大物と戦える訳ではない。乱戦になる。つねに四人で挑めるとは思わない事だ。」


 まさに、地獄へと向かうのに等しい。

 ランクが上がるとはそういうことなのだ。

グレンの大剣は二メートル越えの100キログラム越え。

一般的なハンターは構えることすら出来ません。

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