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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
町編

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偵察、作戦会議

 コガラキは鳥に向け笛を吹き自分達の居場所を伝えた。

 ぴーひょろろと、鳥から合図が帰ってくる。


「場所伝わったようっすね。」


 鳥を送ってから場所が大きく変わったので知らせる必要がある。

 確認を終えると再び奥を目指す。

 木を掻い潜り進んで行く。


「気を付けて下さいっす。虫に見つかると厄介っす。」


 森の奥に行くほど巨大な虫がいる可能性が高まる。

 見つかり対処に追われるとコング達に見つかるリスクがある。

 敵はコングだけでは無いのだ。

 そういえばと、セシルは先程の行動について聞いた。


「コガラキさん、勝ったら駄目ってどういう事だったんですか?」


「強い奴がいるぞって思わせない為っすよ。警戒されると対処される可能性が高まるっすからね。」


 戦う際は、いかに奇襲をかけれるかで戦局は変わっていく。

 立ち向かわれるより、隙を狙った方が楽に攻めれるのだ。

 その為に、いち速く情報を集める必要がある。


「待つっす。足元を見るっす。」


 コガラキに促され足元を見る。

 そこには、沢山の葉っぱが落ちている。

 コガラキが葉っぱをどかすと、コング達の足跡がそこに現れたのだ。


「だと思ったっす。足跡を消してるんすよ。これ。」


 コング達の頭脳の高さは、もはや想像もつかない所までいっている。

 セシル一人だと気づく事が出来たのだろうか。

 こういう相手もいるのだと学ぶのだった。


「ま、こんな雑なやり方じゃあ、あっしは欺けないっすよ。」


 楽しそうに笑いながら、コガラキはコングの足跡を辿っていく。

 すると、ぴーひょろろと、空から鳥の声が聞こえる。

 コガラキは、直ぐに笛を吹き返事を返した。

 すると、鳥が違う方向に飛んでいくのがセシルに見える。


「何かあったんですか?」


「何度も連絡を入れると気づかれる可能性があるっすからね。一回だけ見もらった後に通りすがりを装って貰ったんすよ。」


 コガラキと鳥の連携にセシルは素直に感心した。

 あれだけのやり取りでそこまでできるのかと技術の高さに驚いた。


「どうやら、この足跡の先で合ってるらしいっす。行くっすよ。」


 コガラキの言う通りに足音を立てないよう、葉っぱを多い場所を狙って進んでいく。

 目的の場所に向けて進んでいくと凄い臭いが二人を襲う。

 段々と大きくなっていくので、セシルは堪えきれず鼻を塞いだ。

 コガラキも同じように鼻を塞いだようだ。


「何なんですかこの臭い。」


「果物が腐った臭いっすかね。たぶん、食べ残しをその辺に放置してるんすよ。」


 凄まじい臭いに気分が悪くなるセシル。

 しかし、この臭いによって二人はこの先にある真実を理解する事が出来た。


「この先に巣があるって事っすね。」


「俺もそう思います。」


 食事をする場所、つまり巣がこの先にあるのだ。

 コガラキは、セシルに手のひらを向け制止を促す。


「こっから先はあっし一人で行くっす。セシルはここで待ってるっす。」


 セシルは頷き返事をする。

 コガラキは、セシルを残し更に森の奥に向かう。

 臭いが強い方に向かって行った先にそれはあった。

 コング達が戦利品のフルーツを積んでいるのが見える。

 巣穴で間違いないだろう。


(臭いがきついお陰でばれずに近づけるっす。)


 懐から双眼鏡を取りだし巣を見る。

 子分の数を確かめる。

 すると、フルーツの山の奥から一回り大きな影が現れる。

 コングの王だ。

 

(いたっすね。)


 コングの王を確認したコガラキは、その場から離れた。

 見つかる前に動くに越した事は無いのだ。

 音を立てないよう来た道を戻りセシルと合流する。


「ボスを確認したっす。戻るっすよ。」


 頷いたセシルはコガラキの後をついていく。

 帰る際、コガラキは懐から紐を取りだし木に結んでいく。

 迷わない為の印だろう。

 一直線に竜車に向かわず、一度森を出るとそこに印を付ける。


「走るっすよ。」


 そのまま、竜車に向かって駆け出した。

 シルファさんの姿は見えない。

 そのまま、誰とも会わず竜車にたどり着いた。


「偵察隊戻ったっす。リーダー。」


「待ってたぞ。」


 竜車につくと、グレンが二人を迎え入れた。

 セシルは、警備の待機所を見ると、商人と護衛が何か話し合っている。

 無事、たどり着けたようだ。

 早速、コガラキはグレンと竜車に上がり込む。


「アリアが地図を用意してくれていた。これに書いてくれ。」


 台の上に置いてあった地図に線や印を書いていく。

 地図には、森に残した印とほぼ同じ間隔に書かれていく。

 その間に、グレンはセシルを呼び止める。


「セシル、森で見た物を教えてくれ。」


 セシルは、森であった事を思い出しながらグレンに伝えていく。

 葉っぱの事、その下の足跡の事、臭いの事。それらの距離や方角分かる事全て。

 グレンはセシルの話しをただ静かに聞いた。


「コガラキ、どうだ?」


「問題ないっすよ。大体合ってるっす。」


 セシルはコガラキの言葉にホッと安堵する。

 その様子にグレンは真面目な顔を崩し笑顔を見せる。


「第一段階は合格だ。良く無事に帰ってきたな。」


「ほとんど、何もしてないですけどね。」


「そうだな、ここまでは準備段階。後は実戦でいかせるかだな。」


 持ち帰った情報を元にハント組を戦場に案内する。

 そうして始めて偵察任務は達成される。


「出来たっすよ。」


 コガラキが、地図に書き入れる作業を終える。

 グレンとアリアがその地図の周辺に集まる。


「この距離なら竜車で出来るだけ近づいても良さそうね。」


「そうだな、ここで降りて侵入しよう。」


 作戦の段取りを進めていく。

 その間に、他のメンバーは装備とポーチを着けていく。

 作戦会議を近くで聞いていたセシルは、カリネに呼ばれたので向かう。


「はい、セシルの装備だよ。」


 他の人と同じポーチ、そしてボウガン。

 セシルは、カリネに手渡されたそれを体に着けていく。

 そして、ポーチの中から直ぐに取り出せるように確認する。

 ポーチのポケット毎に絵が文字が書かれていて分かりやすい。


「使い方は分かるよね?」


「はい、講習で確かめました。取り扱ったのは矢を撃つタイプでしたけど。」


 セシルが持っているボウガンは、矢の代わりに玉を装着するよう改造されている。

 矢との違いは分からないので心配だ。


「真っ直ぐ飛ばないから注意してね。とりあえず試しておこうか。構えてみて。」


 カリネの指示通りにボウガンを構えるセシル。

 カリネは、ボウガンに手を当て調整する。


「数メートル毎に、先を上げていく必要があるあるからね。」


 それからセシルは、ボウガンのレクチャーをカリネから受ける。

 それは、グレンがメンバーに集合をかけるまで続いた。


「皆、集まってくれ。」


 その声に、セシルはボウガンを下ろした。

 

「後は、実際に撃って確かめてね。」


「はい。」


 ボウガンを腰に下げるとカリネと共に竜車に上がる。

 チーム一同が集ったのを確認したグレンは話しを始める。


「今頃奴らは、食事を済ませ寛いでる頃だろう。そこを俺達は狙うつもりだ。」


 食事後のだらける瞬間、まさに襲撃するのに丁度良いタイミングだろう。

 その作戦にハント組が反応する。


「あー、あの眠たくなるタイミングな。」


「やる気無くなるんよねぇ。あれ。」


「少し、分かる。」


 グレンは地図をメンバーに分かりやすいように向きを代える。

 アリアが目的地に指をさし作戦の説明を引き継ぐ。

 

「ボスがいるのはここよ。途中まで竜車で向かって、そこから森に入る。臭いがきついらしいから気を付けてね。」


「ギリギリまで近づいて、合図でコガラキはとセシルが煙を張って、その間に子分を狩る。今回もまだ俺の装備が無いから盾で戦うことになる。そのつもりで動いてくれ。」


 こうして、作戦会議は終わる。

 アリアは竜車の前座に座り、コガラキは竜車の上に上がる。

 カリネが階段を引き上げ、出発の準備を済ませる。

 グレンは、竜車から顔を出しギルドの職員に声をかける。


「我々は討伐に向かいます。商人達をよろしくお願いします。」


「あぁ任せてくれい。気を付けて行けよ。」


「それでは。」


 職員と挨拶を交わしたグレンは、アリアに指示を出す。

 職員達は、動き出す竜車を手を振り見送った。

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