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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
町編

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準備

「さて、皆揃ってるな。」


 フィーブルは、生徒達を見渡し確認する。

 確認し終えると、扉に近づき誰かに声をかける。

 すると、扉からセシルのよく知る人物が現れた。


「やぁ、皆。初めまして、このギルドを任されてあるダイアルだ。ハンター達からはギルドマスターと呼ばれている。」


 そう、セシルが何度も世話になったギルドマスターだ。

 名前は始めて知ったが、紛れもなく見知った人物がそこにいた。

 挨拶にでも来たのだろうか。


「ギルドの長として、皆に直接講習が終了した証である仮のギルドカードを渡す。」


「そのカードは、まだギルドの判子が押されてないため使えないぞ。明日やるクエストの試験をクリアした者のカード押していく事になっている。」


 フィーブルがいた場所にギルドマスターが立ち、生徒達にカードを配っていく。 

 呼ばれたものから取りに行き手渡せる。

 セシルもまた自分のカードを受け取ったり自分の席に戻ろうとしたが、その途中に他の生徒が色の着いた紙を見ている事に気づく。

 自分の手元を見てみたが色の着いた紙は無い。

 

「皆、カードと共に渡された紙を見てくれ。紙の色は明日の試験に使うチーム分けに使う。それぞれ、お互いの色を確認しておいてくれ。」


 教壇に戻ったフィーブルは、三枚の違う紙を上げ生徒達に見せる。

 なるほど、とセシルは納得する。

 セシルは明日の試験には参加しないのだから貰わないのは当然だ。

 何か不備が合った訳ではないと分かり安心する。


「それでは、今日は解散だ。明日またギルドハウスに来てくれ。」


 そういうと、生徒達は立ち上がり部屋を出る。

 最後にセシルも出ようとしたがフィーブルから声をかけられたので立ち止まる。

「セシル、お前はプロのハンターのクエストに参加するんだっったな。先に防具を渡すから、帰りに受付に寄ってくれ。」


「いきなり大物と戦うんだな。頑張れよ。」


 セシルは、ギルドマスターに応援されながら部屋を出る。

 言われた通り受付に向かうとそこにグレンがいた。

 グレン駆け寄ってくるセシルに気づいた。


「講習終ったか。お疲れ。」


「はい、それでリーダーは何を?」


「クエストが見つかったと言われてな、手続きを済ませた所だ。」


 グレンは、サインしたばかりのクエストの紙をセシルに見せる。

 その紙を、受付に渡し契約が完了した。

 二人の会話に受付の人が反応する。


「セシルさんですね。防具を渡すよう言われてあるので待ってて下さい。」


 受付の人は、横にある縛ってまとめてある防具をセシルに渡す。

 受け取ったセシルは、講習の時に見たのと同じそれを前に抱えた。

 グレンが建物から出ようと動き出したのでセシルもそれに続く。


「帰ったら早速作戦会議だ。」


「防具を着けて動く練習もしたいです。」


「なら、昨日案内した訓練場を使うといい。セシルももう我々の仲間だからな自由に使っていいんだぞ。」


 二人はギルドハウスを出る。

 セシルは他の生徒達を探すももう誰もいない。

 行く場所も無いので来た道を真っ直ぐ戻る。

 何度か防具がずり落ちそうになるのを直しながら歩いていると拠点にたどり着く。

 拠点に近づくと美味しそうな匂いが漂ってくる。

 扉を開けるとメンバー全員が二人を迎え入れた。


「おかえりなさい、ご飯作ったから食べてって。」


 手を洗った二人は、エプロンを着けたカリネによって広間のソファに誘導される。

 ソファの真ん中にいろいろな具材が置かれており、メンバーはそれぞれパンに自由に挟み食べている。

 セシルはカリネに質問をした。


「これ、カリネさんが作ったんですか?」


「そうだよ、まぁ一部コガラキも手伝ったけど。」


「量が量だから、二人係りでやらないと大変っすからね。」


 カリネと同じくエプロンを着けたコガラキが来たばかりの二人の前に沢山のパンを置く。

 セシルは、グレンの真似をしながらパンに具材を挟み食べ始める。

 お腹が空いていたのかあっという間に一つ食べてしまうセシル。


「で、クエストはどうなったん?」


「そうだな、早速作戦会議を始めよう。」


 コガラキの言葉に、グレンはパンを持ったまま広間に置いてあるボードの前に移動する。

 それに合わせ、アリアも席を移動する。

 グレンは、パンを口に詰め込みボードにクエストの内容を書いていく。


「最近、行商人が森に済むフォレストコングに襲われる事件が相次いでいるらしい。調べてみるとボスの個体が確認された。」


「コング種は、頭が良くパワーのある攻撃をしてくるわ。でも、あなたたちならかわせると思う。でも、頭が良いって所。」


「時間をかけると面倒になるってこったな。速攻で潰すのが良いってこった。」


 エリクの言葉にアリアは頷く。

 どんなに賢くても考える暇を与えられなくてはどうしようもない。


「ウルフのボスの時の様に奇襲をかける。ただ、ウルフ見たいに猶予はないわ。頭が良い分周りの変化に敏感だもの。」


「まだ、俺の武器は出来そうにない。だから、今回も盾で挑むが、そうなると決定打はエリクの攻撃のみになる。」


「じゃあ、子分共は、俺とユーリアでやるって事だな。」


 コガラキがそう言って納得すると、ユーリアも頷き同意する。

 これを元に作戦が立てられていく。

 すると、ユーリアが急に手を上げた。


「質問。セシルはどうする?」


 今までの作戦とは違い、今回は新たにセシルが参加する。

 そろそろセシルの役目をどうするのか決めとかないといけない。


「ちゃんと実績を納めないとギルドに認められないものね。」


「戦うのは無理ですよ。」


「分かってるわ。とりあえず今回はコガラキについてもらうわ。コング種の偵察だけでも充分難易度が高いもの。」


 先程も言っていたが、コング種は周りの変化に敏感なので、それを潜り抜けるだけでも評価は高いということなのだ。

 その事を聞いたセシルは、冷や汗を流す。


「それって、作戦の実行するのに大事な事ですよね。自分で良いんですか?。」


「大丈夫だ。コガラキに従えば上手くいくだろう。」


「そっすよ。自分に任せるっす。」


 こうして、だいたいの作戦が決まった。

 後は、場所を特定してからだ。

 ここからは、裏方の仕事。


「じゃあ、明日までにルートを確認しておくわね。」


「研究所は大丈夫なのか?」


「大丈夫よ。後の事は教授がやってくれるわ。」


 とりあえず、アリアはチームの為に動けるらしい。

 いつでも作戦に参加出来る様にはしてあるようだ。

 続いてカリネが手を上げる。


「じゃああたしは、道具の準備だね。竜車の準備もしておくよ。」


 最後にコガラキが手を上げると、セシルに声をかける。


「あっしは、セシルを見るので後で訓練所に来るっす。」


「分かりました。」


 セシルは返事を返す。

 各自のすることを確認したグレンは作戦会議を締めに入る。


「決行日は明日だ。急になったが明日までに各自準備を済ませておけ。」


 作戦会議を終え、各自一息つくとその場で解散してばらばらに動く。

 作業に移る者や、くつろいでいる者もいる。

 セシルは、コガラキに言われた通りに訓練所に向かった。


「早速っすけど、防具を着て欲しいっす。」


 言われた通りに防具を着る。

 体を動かし防具の位置を確かめる。

 やはり、動きづらいのが気になるのだ。


「まずは、ストレッチっす。食べたばかりなので、お腹を落ち着かせるっすよ。」


 ストレッチをし始めたコガラキに合わせ、セシルも体を伸ばしていく。

 正しいやり方は分からないけど、プロに合わせれば問題ないだろう。

 見よう見まねでストレッチをするセシルにコガラキが訪ねる。


「セシルがどれぐらい動けるか知りたいから今日の講習の事を教えて欲しいっす。」


「えーと、防具を着けてたので低く出た結果何ですけど。」


 セシルは、講習で出た測定の結果をコガラキに伝えていく。

 それを聞いたコガラキは黙って何かを考えている様だ。

 しばらくそうしていると、ストレッチを辞め軽く頷く。


「なるほど、一応は合格ラインっすね。防具を着けて動くのは大変っすか?」


「はい、全然上手く動かなくて。」


「まぁ、正しい筋肉の動かしかたが出来て無いっすからね。今日は、その辺を教えていくつもりっすよ。」


 セシルは、よろしくお願いしますと頭を下げる。

 コガラキがポーズを取るとセシルもそれと同じポーズを取る。

 コガラキは、セシルの体に手を当て力の入れ方を教えていく。

 その通りに体を動かしていくと、実際に走ったり跳んだりと教わった事を試していく。

 

「良いっすね。その調子っす。」


 何度も何度も繰り返し体の動かしかたを確認する。

 しばらく続けていると、グレンが訓練所に入って来た。


「どうだ、調子は。」


「なかなか順調っすよ。リーダーも体を動かしに?」


「あぁ、昨日、今日と全然動かなかったからな。」


 体に重りを着けたグレンは二人の訓練に混ざって体を動かし始める。

 ゆっくりと体を動かす二人と違って全力で走っている。

 さらに、そこからしばらく続けると、ようやく終わりをつげられた。


「本当はあれぐらいやりたいんすけど。作戦に響いたらいけないのでここまでっすね。」


 まだ続けているグレンを見ながら、二人は疲れた体を休ませている。

 プロになるにはあれぐらい出来ないといけないのだろう。


「まぁ、今日教えた事を繰り返せば、ちゃんと動けるようになるっすよ。」


 ぼそっと、リーダー見たいになるのは無理っすけどね、と付け加える。

 苦笑いをするセシル。

 素人のセシルでもそれぐらいなら分かるのだ。

 

「あっしは、先に上がるんで後はご自由にどうぞっす。」


 コガラキは、そういい訓練所から出ていった。

 セシルは、一息つくと軽く体を動かし訓練場を後にする。

 シャワーを浴び終えると、晩御飯に昼の残り物のパンを食べる。

 疲れをしっかり取るため今日は早めにベッドに入った。

 ここに来て二どめの夜、昨日と同じく不安を感じるは変わらずだ。

 慣れるのはまだまだらしい。


(とうとう明日か。)


 始めてのクエストでの緊張を抱えたまま眠りにつく。

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