姉妹との出合い
一通り買い物を終えた一同は拠点を目指す。
その前に、軽く腹ごしらえをしておく事になった。
セシルは朝から何も食べてなかった事を思い出す。
「そういえば、忙しくて何も食べれなかったな。」
「そうだね、お腹ペコペコだぁ。」
「じゃあ、ギルドハウスに行こうか。」
少し遠回りをすることになるが、ギルドハウスに向かう事になった。
もう昼はとっくに超えて夕方になるであろうころだ。
お腹はすっかりへっている。
そんな事もあり、ギルドハウスの横に併設されている食堂に着く。
食堂に入ると、沢山の人で賑わっている。
「これ、ここにいる人全員ハンターですか?」
「いいや、普通の人も混ざってるさ。」
「結構良いコックが多いから人気なんだよ。」
人をかわし、空いた席に着く。
呼び鈴をならし従業員を呼ぶ。
グレンはセシルにメニューを渡す。
「お金は俺が出す。気にせず食べてくれ。」
「と言ってもハンターとして会計すると、ギルドが一部出してくれるからね。」
「自分はまだハンターじゃないんですけど。」
「俺の買い物としておくから問題ないさ。」
それが良いのか悪いのかセシルには分からないが、ありがたく従う事にする。
しばらくすると従業員が現れ、それぞれが注文をだしていく。
注文を受け取った従業員を見送ると、カリネが先程の話を切り出す。
「ねぇ、さっき店長が言ってたこと、私達が抱えている問題と関係あると思う?」
「そうじゃないことを願うばかりだな。」
大事になれば色々と問題は増えるであろう。
出来ない事が増えれば、その分足を止められてしまう。
そうならない事を祈るばかりだ。
「急いだ方が良いかもね。」
「そうだな。一応何時でも動けるよう準備は済ませた方が良いな。」
「私も急いで準備をしておくよ。」
そうこう話をしている間に食事が届く。
カリネはソースがかかった麺にフルーツ、グレンは焼いた肉、そしてセシルは、様々な物が挟まれたパンだ。
よく分からない料理を前に、結局食べなれたパンを選んだのだった。
「どうせ他の町に行くなら、その町の食事も楽しみたいよね。」
「あぁ、その町にしかない食べ物か。楽しみだな。」
急ぐのも大事だが気を張り続ける訳にもいかない。
訪れた町の娯楽を楽しむのもハンターによくある事なのだ。
グレンとカリネは食事をしながら他の町について話している。
そのまま、食事を終えるまで話しは続いた。
「ごちそうさま。」
「ごちそうさん。」
「ごちそうさまです。」
ご飯を食べ終え、しばらく寛ぐ一同。
そして、席を離れようとした一同に声がかけられる。
「よう、さっきぶりだな。」
「ギルドマスターか、何のようだ。」
タイミングを見計らったのか、席を離れる瞬間に声をかけてきたのはギルドマスターだ。
ギルドマスターは、グレン達がいる机の空いた席に座る。
「お前達をたまたま見かけてな。丁度良いから話しかけた。」
「丁度良いとは?」
ギルドマスターは、セシルにギルドの印がある小さい封筒を差し出す。
セシルは受けとると中に入っていた紙を取り出し確認する。
紙の上の方に講習の案内と書かれている。
「講習の件だ。早速だが明日に顔を出して欲しい。」
「急だな。数日かかるもんだと思っていた。」
「事情が事情だからな、ねじ込んでおいた。お前達のクエストも速い内に届くと思う。」
何処から見ても特権だが、グレン達にはありがたい知らせだ。
セシルは、分かりましたと受け入れる。
納得したギルドマスターは、満足そうに頷いた。
「じゃあ、明日。そこに書かれてる通りに頼む。」
ギルドマスターは、用事だけ済ませ去っていく。
セシルは、紙を封筒に戻し荷物の中に入れた。
一同は今度こそ席を離れる。
「思ったより早く事が進みそうだ。カリネ、皆を集めておいてくれ。」
「分かったよ。声かけとくね。」
時は一刻と早く進んでいくのをセシルは感じる。
会計を済ませギルドハウスを出た一同は、拠点に帰ってくる。
拠点にいたユーリアは既にいない。
セシルは、二人と別れ与えられた自室に荷物を置きに行く。
「今日は、疲れたな。」
グレンには、明日も速いからと寝るように言われたので、軽くシャワーを浴び部屋に戻るとすぐさまベッドに横たわる。
目を閉じると、今日の疲れがどっとでたのか眠気が襲いかかってくる。
慣れない景色これから起こるであろう出来事に不安を感じつつも、眠気に逆らわず寝て忘れる事にしたセシル。
部屋に入った日の光にセシルは、目を覚ますのだった。
どうやら、眠気を感じてからそのまま眠りに入り朝を迎えるのであった。
着替えを済ませ、昨日渡された封筒を持ち一階の広間に降りる。
「おはようさん、昨日ぶりだねぇ。」
「どうも、早いっすね。」
「おはようございます。」
広間には、シルファとコガラキがソファでくつろいでいた。
セシルを見るとすぐに挨拶を返してくれる。
セシルも、挨拶を返す。
「それ、ギルドの封筒んよね。」
「はい、これから講習に向かいます。」
「ずいぶん早いっすね。おおかた、ギルドマスターが無茶したって所っすかね。」
どうやら、お見通しのようだ。
シルファは立ち上がり伸びをする。
コガラキも続いて立ち上がる。
「さて、特訓に行きますかい。」
「あっしらもセシルに負けてられないっすからね。」
「そういう訳なんで、講習頑張りんさい。」
セシルは、二人を見送られながら拠点を出る。
今日は一人でハウスに向かわなくてはならない。
昨日通った道を思い出しながらハウスに向かう。
「確かこっちの方に。」
「あれ、こっちだったはず。」
昨日見た建物を参考に歩いていると道の先から声が聞こえる。
二人の女の人が地図を持ってこっちに向かって来る。
横を通り過ぎようとしたセシルは、二人の女の人に声をかけられる。
「あの、ギルドハウスってこっちですよね。」
逆である。
このままだとギルドハウスから離れて行ってしまう。
セシルは、二人が来た道を指をさす。
「あっちですよ。」
「あー、やっぱりそっちだ。だから言ったじゃんお姉ちゃん。」
「おかしいわね。ちゃんと線を引いて確かめたんだけど。」
「任せてって言ったから、任せたのにー。」
姉妹だろうか、二人は右だの左だのあーだこーだと喧嘩を始める。
急に始まった喧嘩に、戸惑うセシル。
幸いにもセシルは目的地が同じなので、二人を案内することにした。
喧嘩をしている二人に声をかける。
「あの、目的地が同じらしいので一緒に行きますか?」
「そうして貰うと助かるわ。」
「スイ姉・・・。」
妹のルイは、姉に呆れているようだ。
歩き出したセシルに二人はついてくる。
その間も、何だか騒がしく話している。
セシルは、いつの間にか二人に囲まれている事に気づく。
話を軽く聞き流していたセシルは、急に声をかけられた。
「姉が迷惑かけてごめんね。私は妹のルイ。でこっちが。」
「姉のスイだ。よろしく頼む。」
姉の方は、一見しっかりしてそうだが中身は残念なのだろうか。
そんな失礼な事を考えていると、妹のルイがセシルの封筒をじっと見る。
「それ、ギルドの封筒だよね。もしかして、講習に参加する予定なの?」
「そうですけど。」
「なるほど、私達と同じな訳だ。」
そう言って姉のスイは、地図と共に持っていた封筒を見せる。
ギルドの印が入ったその封筒は、まさしくセシルの持っている封筒と同じの物だ。
妹のルイも同じく封筒を見せる。
「私達の家は元々田舎で住んでいてな。親の都合でこっちに越してきたんだ。」
「そうそう、でもこっちの学校に通うお金が無いって自分達で稼ぐことになったんだ。」
「元々、地元で狩りをしていたこともあってハンターになるのが良いってなってね。」
原因は違えど、状況はセシルと同じらしい。
セシルは、二人に親近感を覚える。
自分と同じならこの町に住むのに不安を感じているはずだろう。
「実は自分も、田舎から来てて。とある事情でハンターになる予定何ですよ。」
「そうか、似た者同士何だな私達。」
「それなら安心です。姉がこんなだから不安で。」
「何だと。」
再び喧嘩を始める二人。
間にいるセシルは、いたたまれない。
「あの、喧嘩はその辺で。」
(というか自分を挟んでしないで欲しい。)
セシルは二人に言うと、二人揃って何を言ってるのかと悩み出した。
思いもしない二人の反応にセシルは反応に困る。
「喧嘩? そんな事してないけど。」
「あぁ、何時も通りだな。」
どうやら本人達からしたら喧嘩では無いらしい。
姉妹とはこういうものなのかとセシルは悩みを深める。
一人っ子のセシルには分からない世界だ。
そう話している間にもギルドハウスについた。
「では、他に用事があるので私達は先にいかせてもらう。」
「じゃあね、また講習で。」
元気に走り出す姉妹は、先にギルドハウスの中に入っていく。
二人を見送ったセシルは、特に用事もないのでゆっくりと歩いてギルドハウスに入る。
二人の姉妹を探すもどこにもいない。
まずは自分の事をしっかりしないとと、封筒を受付に渡した。
「セシルさんですね。番号を取ってどうぞ奥に。講習ルームと書かれた部屋にどうぞ。」
セシルは、渡された十四※と書かれた布の札を取り、言われた部屋に向かう。
部屋の入り口に、ハンター講習と書かれた紙が離れていたので間違いないだろう。
その部屋に入ると、既に何人かが座っている。
「講習参加者だな。番号札を提示してくれ。」
ホワイトボードの前の教壇に座る男性に言われた通り見せる。
男性は紙にチェックを入れると、番号札をセシルに返した。
「例の少年だな。それじゃあ、番号札を着けて番号札と同じ番号の座に座ってくれ。」
番号札を返されると、腕に着けて席に座る。
机の上には本が置いてありどうしていいかと周りを見た。
他の人は、その本を読んでいる用なのでセシルも真似をして本を読む。
ハンターについて書かれた本を読んでいると部屋に人が次々と入って来た。
「来た人から番号札を見せてくれ。」
部屋に入って来た人達はセシルと同じように番号札を教壇の男性に見せていく。
すると、騒がしい二人の人影が部屋に入って来た。
先程会った姉妹だ。
「間に合ったか。」
「よかったぁ。」
番号札を教壇の男性に見せ受け取った二人も席に向かうが、その途中セシルを見つけると手を振ったのでセシルもそれに応え手を振り返す。
これで、番号が書かれた席が埋まったので全員揃ったのだとセシルは判断する。
教壇の男性は、部屋を見渡すと立ち上がった。
「注目、皆揃ったようなので始めようか。」
教壇の男性が声を出すと、部屋にいた全ての人間がそちらを向く。
「ハンターギルドにようこそ。皆を歓迎しよう。」
姉妹はちょくちょく出てくる予定です。
一応他の講習仲間も出すつもりです。




