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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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作戦会議

 日付が変わって、次の日の朝。

 都市のハンターギルドに多くの人が集まっていた。

 ハンターギルド関係者と、騎士団の副団長が集結していた。

 その前に、ハンターギルドのギルドマスターが立つ。


「皆さん。集まって下さりありがとうございます。これから、会議を行います。早速ですが、今回の作戦を主導する方々に進行を写します。」


 すると、後ろで作業をしていた者達が前に出る。

 エメリナとガーネリヤとレベリアラだ。

 アリアは、グレンチームと共に職員側から見ている。

 レベリアラが、地図を張った板の横に着く。


「ごきげんよう。エリア鬼の監視リーダーのレベリアラよ。」


「監視リーダー。防衛戦の様子はどうなってる?」


「鬼にちょっかいをかけて返り打ちにあったのが来るぐらいよ。全くいい迷惑ね。」


 副団長の疑問にレベリアラが答える。

 返り打ちにあったのが、防衛戦まで逃げているようだ。

 それを聞いたガーネリヤが言う。


「逃げ道がそこしかないのだから仕方ないだろう。」


「そもそもちょっかいをかけるなって言ってるのよ。その度に、叩き起こされるこっちの身になって。」


 レベリアラが怒っている。

 向こうはこっちの都合を考えない。

 だから、対処するために起こされているようだ。

 呆れる彼女にエメリナが言う。


「まぁまぁ。ほら始めてしまいましょう。」


「そうね。それじゃあ、これから、作戦の手順を伝えていくわ。まずは、地図を見てちょうだい。」


 板に張られた地図に注目が集まる。

 そこには、斜めの四角の上に様々な色の丸が複数描かれている。

 後ろのエメリナが、地図の四角に棒を当てながら言う。


「これは、知っての通りエリア鬼の地図よ。都合によりひっくり返しているけどね。そして、この丸が四体の鬼の巣よ。」


 山や荒れ地やエリアの角、そして四角の角の先の海。

 その場所に記された丸が鬼の巣だ。

 まず、一番下の丸を指すエメリナ。


「この丸を見てちょうだい。入り口から見て右に見える山。そこが、エリア鬼の攻略をする上で真っ先に落とさないと行けない場所ね。」


「コングの鬼がしら。だったか。」


「合ってるわ。さすが副団長。」


 副団長ともなれば、多少詳しいようだ。

 一番大きな丸に巣くうそいつが最初の敵。

 レベリアラが説明する。


「こいつの厄介な所は、活動範囲が広い事よ。しかも、コング種だから巣の出入りが激しいのよ。」


「つまり、他の戦闘の時に乱入されると言うことか。」


「それだけじゃなくて、五年前の惨劇で岩を飛ばしていたと、残された手記にあるわ。そうなると、戦い所じゃ無くなるわね。」


 遠距離の攻撃が出来るほど厄介な相手はいない。

 万能な相手ゆえに、放っておくと何をされるか分からない。

 だからこそ、優先順位が高いのだ。

 代わりに、エメリナが言う。


「コングの鬼がしらを倒したら、次は荒れ地の草食鬼竜ね。」


「草食なら放って置いても害は無いんじゃないか?」


「普通ならそうよ。ただ、こいつは獰猛な性格らしいのよ。」


 ギルドマスターの疑問にレベリアラが答える。

 草食なら巣に入らない限り襲われない

 しかし、例外もある。

 ギルドマスターが聞く。


「どうしてだ?」


「環境のせいでしょうね。後、こいつの周りの草はすぐ枯れるから餌場を探していると言う説もあるわ。」


「全身がマグマに包まれているんだったな。」


「正確には汗ね。そのせいで、常に周りは高温地帯。巣の周辺は全て枯れ果てて、荒れ地になってしまったのよ。」


 そこにいるだけで、周辺の餌が枯れてしまう。

 だから食事をする為には、巣から離れないといけない。

 そこで、遭遇してしまう可能性があるのだ。

 代わりにガーネリヤが言う。


「常に空腹だから、気が荒くなってる可能性があるね。」


「そうか。だから、巣に入らなくても危ないと。」


「結局はそういう事ね。」


 レベリアラが頷く。

 とにかく、危険なのには変わらないのだ。

 鉢合わせてしまえば襲われるので、倒さなくてはならない。

 疑問を抱いたギルドマスターが聞く。


「なら、こっちが優先では?」


「コングの鬼がしらとの戦いに入られるから、かしら? ところがそうじゃないの。地図を見てちょうだい。コングの鬼がしらの巣と離れてるでしょ? むしろ近いのは。」


「もうひとつの巣か。」


 コングの鬼がしらの巣と、草食鬼竜の巣は離れている。

 わざわざ遠い場所までいかないだろう。

 エメリナが、草食鬼竜の巣のすぐ上にある丸を指す。


「そう。三匹目の目的の巣にして、争いが一番多い場所。森に住む鬼鳥竜の巣よ。良く草食鬼竜が向かっているのを確認するわ。」


「近いゆえに襲われてしまうのか。」


「そうよ、しかも一番弱いから巣を移せない。でも、一番強いから追い返せる。」


「弱いのに強い? どういう事だ?」


 副団長がレベリアラに聞く。

 矛盾した説明なので疑問を持つのは当然だろう。

 代わりに、レベリアラが説明する。


「弱いと言うのは、向かい合って戦った場合よ。襲いかかったら返り討ちに合う。だけど、襲われたら、巣に近づける事すらさせない。体質のおかげでね。」


「毒の粉を巻くんだったか。」


「毒と言っても、悪い影響の効果を持つ粉ね。それが常に巣にばらまかれているの。だから入った者を狂わせる。発狂して暴れて、しだいに体が麻痺して倒れ、廃人になって死ぬまでそのまま。そうやって、多くの人が死んでいったと手記に書かれていたわ。」


 本体が強いと言うより、相手を弱くさせる。

 その粉によって誰も近づかせない。

 しかし、それは巣の中での話。

 レベリアラが続ける。


「でも、基本一度に出す粉は一種類。だから、巣に複数の粉を蒔いて身籠る。だから三匹目。」


 外に出ないなら、乱入の可能性が一番低い。

 つまり、警戒が低いので後回しなのだ。

 ギルドマスターが聞く。


「しかし、そんな相手にどう戦えば。」


「大丈夫よ。他のを倒せば勝手に巣から離れて活動する。そこを狙えば良いのよ。それなら、巣に入らなくても良いでしょ?」


「そう上手く行くのか?」


「無理なら砲撃で集中砲火。これで、問題ないわ。」


 巣が危険だと知れば、飛び出してくる。

 それなら、巣の粉を気にせずに戦える。

 納得したギルドマスターが言う。


「なるほど。無理矢理引き出すという事か。それさえすれば、倒すのは簡単という事だな。そうなると残るのは。」


「エリアの外に住む水鬼竜よ。こいつが最後の目的にして最大の敵。」


 海に住むそいつが最後の敵。

 そして、エリアの鬼の一番の難問だ。

 海を指したエメリナが説明する。


「近づいた者をブレスで貫く。しかも、海の中にいるからこっちの攻撃は当たらない。飛び道具さえも打ち落ちす。」


「一方的に攻められるから対処が一番困難な敵だね。」


「えぇ。ガーネリヤの言う通りよ。でも、問題はその威力よ。」


 ガーネリヤの言葉に、レベリアラが頷く。

 遠くから狙われるだけでも大変なのに威力もある。

 疑問を抱いたギルドマスターが聞く。


「何が問題なんだ?」


「遠くにいるなら砲撃を与えるしかない。しかし、兵器を乗せた乗り物を近づけさせれば真っ二つだ。」


「どうしようもないって事か。」


 ガーネリアの説明に納得をするギルドマスター。

 遠くに攻撃をする手段が無いのなら、どうしようも出来ない。

 それならばと、副団長が聞く。


「ならばどうする?」


「安心しなさい。手はあるわ。」


「信じて良いんだな?」


「もちろん。」


 自信満々にレベリアラが答える。

 何か秘策があるようだ。

 エメリナが話を進める。


「水鬼竜の事は任せて頂戴。問題はこの後の事なんだけど。」


「取り戻した土地に、我々が向かうのだな?」


「そうね。お願いするわ。」


 副団長の問いに頷くレベリアラ。

 そこにいるのは、四匹の鬼だけではない。

 子分や、普通の生き物もいる。

 納得したギルドマスターが言う。


「そこを制圧しての奪還か。」


「そうよ。それが済めば。」


「臨時の支援施設を建てる。」


「これもよろしくね。」


 エリア鬼を取り戻して最後ではない。

 下の海に出る為の拠点が必要なのだ。

 最後に、レベリアラが聞く。


「これが一連の流れ。質問は?」


 職員達に聞くも、返事が来ない。

 質問は無いようだ。

 最後にエメリナが手を叩いて注目を集める。


「では、これで決まりね。皆さんよろしくお願いします。」


 そう言って、頭を下げるエメリナ。

 すると、拍手が起こる。

 エメリナのお願いへの返事だ。

 それを締めに、会議が終わった。

エリア鬼は四角(横に長いひし形)です。

正確には入り口で二角なので五角形ですが、大雑把に見て四角です。

入り口が狭いです。その理由はまた今度で。

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