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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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115/166

都市へ帰還

 パーティが終わってから農業ギルドの町に戻ってきた。

 それから二日後の事だ。

 学校では卒業式が行われていた。

 それが終わり、卒業生が外に出てくる。


「じゃあな。皆。」


「えぇ。しっかりね。」


「誰に言ってんだ。」


「そうだぜ。今度は、仕事の場で会おう。」


 卒業生達が別れていく。

 今度は、プロの場所で。

 これからも、彼ら彼女らの絆は続いて行くのだろう。

 その中から、セシルが現れる。


「じゃあな。セシル。」


「うん、また。」


「ハンター業の合間で良いから来てくれよ。いつでも歓迎するからな。」


「考えとくよ。」


 セシルもまた、仲間と絆を深めていた。

 そんなセシルとウルフの子を一台の竜車が迎え入れる。

 隣に立つアメッサが言う。


「準備出来た?」


「はい。荷物もばっちりです。」


「良かった。じゃあ、後はトーパだけだけど・・・。」


 トーパは、最後の挨拶を交わしているのだろう。

 教師としてやる事があるのだ。

 しゃがんだアメッサが、ウルフの子を撫でる。


「一緒に待ちましょうね。」


 それに対して、わんと吠えるウルフの子。

 気持ち良さそうに受け入れている。

 すると、一台の竜車がやって来た。

 前座のアリアが言う。


「こっちは、準備出来たわよ。」


「こっちは、トーパが来るだけ。」


「分かったわ。先に行ってこの周辺を見ていくわね。」


 もう何も無いか調べるためだ。

 念には念の見回りだ。

 それを聞いたセシルが言う。


「自分も行きます。」


「いえ。貴方は、その子の面倒を見てなさい。まだまだその子の教育は続くわよ。」


「そうだね。先に帰って、最後のチェックをしておくよ。」


「よろしくね。じゃあ、エメリナの研究所で会いましょう。」


 そう言って、竜車を走らせるアリア。

 その際、小竜と竜車の大きさに近くの卒業生達が驚いていた。

 その竜車と入れ違いに、トーパがやって来た。


「おーい。って、アリア達来てたんだ。」


「うん。周りを見ていくからって。で、準備出来た?」


「もちのろん。さぁ帰ろう。」


 竜車に三人と一匹が乗り込んでいく。

 その際、卒業生達が乗ろうとしたトーパを呼んだ。

 トーパに向かって手を振っている。


「先生さようなら。」


「元気でね。」


 別れの挨拶を送る卒業生達。

 トーパもまた絆を深めたのだ。

 呼ばれたトーパが手を振り返す。


「じゃあね。これからも、ちゃんと頑張んなさいよ。」


 別れを告げて乗り込むトーパ。

 そして、竜車の扉が閉まる。

 座席に座ったトーパが、操縦士を呼ぶ。


「準備完了。出してちょーだい。」


 ゆっくりと竜車が走り出す。

 そして、学校を離れていく。

 竜車の中から、それをトーパが見送る。


「終わったんだね。」


「もう少しいたかった?」


「まぁね。情ぐらい沸くとも。」


 短い間とはいえ、共にいたのだ。

 寂しくなるのは当然だろう。

 トーパがセシルに話を振る。


「セシル君は、学校どうだった?」


「楽しかったですよ。知り合いも増えたましたし。」


「それは良かった。先生冥利に尽きるよ。」


 笑顔になるトーパ。

 生徒達の為になった事が嬉しいのだ。

 そんなトーパを見てアメッサが聞く。


「このまま、先生になっちゃう?」


「・・・やめておくよ。本来の仕事もあるしね。」


 そう言うものの名残惜しそうだ。

 でも、トーパにもやる事がある。

 さらにアメッサが聞く。


「本来の仕事と言えば、あれどうなったの?」


「無事引き継いだらしいよ。只今制作中。」


「何の事ですか?」


 突然の話に、セシルが疑問を持つ。

 要領を得ない内容だから気になったのだろう。

 素直にトーパが答える。


「グレンさん達が倒したドラゴンの事だよ。アリアから譲渡されてね。昨日、私の仕事場から防具に加工し始めてるって連絡が来たんだよ。」


「トーパも参加するの?」


「いんや。途中経過を覗くだけだよ。時間が無いからね。待たせちゃうといけないから先にやって貰ってるんだ。」


 合流まで待って貰うと、作業が進まなくなる。

 そうなると、時間が足りなくなる。

 その事を知っているアメッサが言う。


「エリア鬼の攻略まで間に合わせなきゃだからね。」


「そーいうこと。」


 時間が無いとは、攻略に間に合わせる為だ。

 その準備の為に、既に動き始めているのだ。

 不思議そうにセシルが聞く。


「エリア鬼って大変な場所なんですよね? 自分はどうすれば良いんですか?」


「いつも道りで良いんだよ。後は、この子との連結だね。」


「この子も一緒に行くんですか?」


「そうだよ。鳥だと落とされるからね。地上からの索敵能力も必要なんだよ。」


 上からだと見つけやすいが、見つけられやすくもある。

 そうなると、狙われてしまうのは当然だ。

 そんな話をしている内に、柵の門を抜ける。

 一息ついてトーパが言う。


「なにはともあれ休息が一番だよ。その為に私達がいるんだから。」


「うん、そうだね。今頃、エメリナとガーネリヤも走り回っている頃だろうし。」


「私達に任せて、くつろいじゃってくれたまえ。」


 自信満々に言うトーパ。

 この時の為に、エメリナ達が協力を名乗り出たのだ。

 それからしばらく、学校での事を話ながら竜車が進んでいく。

 長い道を越えて都市に着く。


「帰って来たね。」


「うん。長かったね。」


 都市を離れてから、かなりの日にちがたっている。

 懐かしいと思うのは当然だろう。

 門を抜け都市に入ると、エメリナの研究所へ。

 その前で、竜車が止まる。

 すると、研究所からエメリナが出てきた。


「お帰りなさい。」


「ただいまだよ。進捗は?」


「進んでいるわ。今、レベリアラが情報を確認しているわ。」


 後は、エリア鬼の情報を得るだけのようだ。

 レベリアラが自身の情報と比べているらしい。

 それを聞いたトーパが聞く。


「来てたんだね。」


「昨日来たのよ。さぁ、あなた達、疲れてるでしょ。立ち話もなんだし入っちゃって。飲み物用意するわ。」


「お世話になるよ。」


 研究所の中へ入る一同。

 入り口のソファで飲み物を飲みながらゆっくり寛ぐ。

 ウルフの子には特製の水。

 しばらくすると、ガーネリアが入り口から入って来た。


「やぁ。もう戻って来てたんだね。」


「どこ行ってたの?」


「私の仕事場で、海の情報を集めていたんだよ。」


 そう言って、開いた席に座る。

 そして、近くの獣に自分の飲み物を頼む。

 そんな彼女に、エメリナが聞く。


「一度、荒れたんだっけ。あれからどうなったの?」


「無事、いつもの海に戻ったよ。影響なしだだね。」


「じゃあ、神獣はこもりっぱなしと。」


 海が静かという事は、神獣の動きが無いという事だ。

 依然として、巣で傷を癒しているようだ。

 ガーネリアが答える。


「そうだよトーパ。エリア鬼の攻略目標は変わらずだね。」


「そうなるよね。やっぱり。」


 獣が飲み物を持ってくる。

 それを飲むガーネリヤ。

 すると、奥から誰か来た。

 レベリアラだ。


「アリアっ、あれ、貴方達だけ?」


「アリアならまだだよ。残念だったね。」


「なっ。何も言ってないでしょ。」


 焦って言い返すレベリアラ。

 アリア達が戻って来たと思ったようだ。

 気づいたトーパが言う。


「おつかれー。アリアなら、チームで襲撃現場の見回りだよー。」


「あーはいはい。そっちの振るまいね。ここでぐらい普段ので良いんじゃない?」


「・・・そうですね。セシル君を驚かせる事になりますが。」


「知ってますよ。何なら学校の皆も。」


「え、何でっ。」


 実は知られていたようだ。

 しかも、隠せていたと思っていた生徒達にまでだ。

 驚く彼女にセシルが説明する。


「パーティの時、見ていた生徒がいたんですよ。元々、貴族って噂があったのでそういう事かとなったんです。」


「じゃあ、言って下さいよ。」


「隠している物をわざわざ掘り下げる必要は無いってなったんですよ。」


「あぁ。そういう事ですか。」


 思わぬ事実にトーパが落胆する。

 それと同時に生徒達の思いやりに感謝する。

 レベリアラがにやつきながら言う。


「だそうよ。諦めなさい。そもそも、人見知りだからあんなのになったのよね。」


「そうですね。なら、隠す必要はないですよね。」


 観念したようだ。

 諦めて髪を上げる。

 それを見たエメリナが言う。


「ふふっ。私は、どっちのトーパも素敵だと思うわ。それよりレベリアラ、終わったの?」


「当然よ。私を誰だと思ってるの。」


「そうか、ようやくだね。」


「うん。ようやくね。」


 ガーネリヤとエメリナが言う。

 つまり全ての情報が集まったという事だ。

 すると、外で竜車が止まった。

 それにガーネリヤが気づく。


「アリア達だ。」


「帰って来たのね。じゃあ、早速アリアと情報の共有ね。」


「会議はいつする?」


「明日ギルドで。ガーネリヤ、連絡しておいて。」


 分かったよと、席を立つガーネリア。

 通信機の下に向かったと同時に、アリアが入ってくる。

 ついに、エリア鬼の奪還に向けて動き出す。

とうとう動き出します。

その前に準備回がありますが。


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