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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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もう一人の生き物係りメンバー

「本当に、あなたという人わっ!」


 肩で息をするレベリアラ。

 アリアに向かって悪態をつく。

 しかしアリアは動じない。

 そんなアリアに、グレンが言う。


「嫌われてるな。」


「そうかしら。仲は良いはずよ。」


「そんなわけ無いでしょっ! 忘れはしないわ。学園にいた時に受けた数々の仕打ち。」


「確かにあったわね。懐かしいわ。」


 レベリアラは、怒っているようだ。

 それに対して、アリアは気にしていないのか表情を崩さない。

 そんなアリアに、レベリアラが言う。


「懐かしんでんじゃないわよ。変な薬を飲まされるし、爆発に巻き込まされるし、挙げ句の果てには意識飛ばされて監禁されるし。」


「それは、ガーネリヤとアメッサね。急に頭がおかしくなったから隠す事になったのよね。」


「一体どうなったのよ私。しかも、起きた時にはぐるぐる巻きにされて変な格好をさせられてたのよ。」


 頭を押さえて、思い出していくレベリアラ。

 その内、足を揺すり始める。

 しかし、アリアが否定する。


「それは・・・トーパの仕業ね。」


「あんたかっ!」


 レベリアラが声を荒げて突っ込んだ。

 まさかの元凶に驚いたようだ。

 一連の流れを、微笑みながら見ていたトーパが説明する。


「ふふっ。折角作ったのに、置いておくだけでは勿体なかったのでついでに。」


「ついでにで、幼馴染みを変な格好にするなっ。他にも色々、実験台にしてくれたわよね。」


「毒物は作って無いはずよ。」


「あのね? 体に悪い影響を与えるものなら、例え命に関わらなくても毒なの。あなた達のようなエリート集団が分からないはず無いわよね。・・・まさかわざとなの?」


 たとえ少しでも何かが起これば毒となる。

 そうじゃないのは薬となるが、副作用が大きければ毒と見なされる。

 こんな常識を、アリアほどの首席が分からないはずがない。


「・・・まぁね。」


「やっぱりそうじゃないっ!」


「でも、貴方が実験途中に現れたせいでしょ。そもそも、ほとんどは貴方の方から巻き込まれに来たはずよ。」


「それは・・・その。」


 レベリアラが言いよどむ。

 つかれたくない事を指摘されたようだ。

 ふと、不思議そうにトーパが言う。


「そういえば、よくアリアの事つけ狙ってましたよね。」


「ぐっ、それは。」


「そうなんですか? トーパお姉様。」

 

「そうですよ。元々は学園のトップで、五年前の惨劇を止めるのに協力したとして首席の座についていたのですけど。」


 優秀な人材ゆえに、良い評価を受けたのだ。

 その結果、学園のトップに立つ事が出来たのだ。

 悔しそうにレベリアラが言う。


「そうよ。私が学園のトップだったの。それなのに、後から入ったアリアに首席の座を取られたのよ。」


「私に言われても。良い成績を取っただけよ。」


「その言い方が腹立たしいわね。」


 口元を引きつらせているレベリアラ。

 トップの座を取られて、引きずり下ろされたのだ。

 説明を続けるトーパ。


「そして、アリアをつけ回した結果、その度に実験に巻き込まれてしまいました。」


「アリア様に引かれたのですね。」


「言い方っ。私は、アリアの弱点を探していただけよ。」


 もう一度勝つために、調査をしていたようだ。

 結局は、つけ回したのを否定出来ていない。

 アリアが結論を述べる。


「えぇ、よく絡まれていたわね。という事は、結局貴方のせいよね。」


「ぐぬぬ。でもっ・・・。」


 レベリアラは、言い返せない。

 今の話を自覚しているようだ。

 代わりにトーパが言う。


「そんな事もあって、彼女の協力のお陰で私達のチームは学園で優秀な成績を残せました。」


「ほんとうに助かったわ。もはや、生き物係りの七人目のチームメンバーよね。」


「勝手にあなた達の仲間にしないで頂戴っ!」


 叫んで突っ込むレベリアラ。

 どうしても嫌らしい。

 そして、溜め息をついた。


「まったく、もう一度教授に怒られた方が良いわよ。もちろん、私のいないところでね。」


「一緒に怒られてましたもんね。」


「なんでかねっ!」


 チームが何かをする度に、巻き込まれていたようだ。

 チームメンバーと思われるのも当然だろう。

 アリアが話を進める。


「取り合えず、役者も揃った事だしこれで話を進めれるわ。」


「そうだな。王として大陸の未来が心配になったが、話を戻すのには賛成だ。」


「えぇ。という訳で、許可証の発行。よろしく頼むわ。」


 見ず知らずの場所で、とんでもない事が起きていたのだ。

 王として気になるのは当然だろう。

 しかし、今気にするべき事は他にある。

 だが、それをレベリアラが止める。


「ちょっ。待ちなさい。私は貴方を止めに来たのよ。」


「取り合えずエメリナに連絡をしましょう。」


「話を聞きなさいっ!」


 無視するアリアに突っ込みをいれるレベリアラ。

 彼女の目的は、協力するためじゃないようだ。

 アリアに指さしたレベリアラが言う。


「あんな所に挑むなんて無謀よ。馬鹿な真似はよしなさい。」


「ですがお姉様、このチームはドラゴンを倒せる程です。」


「ドラゴン? へぇ、凄いじゃない。ってそんなの山ほどいたわよ。」


 はるか昔には、ドラゴンは当たり前のように狩られていた。

 しかし、もうそんなハンターはいないのだ。

 姫様が王様に確認する。


「そうなんですか? お父様。」


「あぁ。確かにいた。皆五年前の惨劇でいなくなってしまったがな。」


「王様の言う通りよ。ドラゴンなんて翼を落とせば、尻尾を振り回すだけの大トカゲよ。そんなのどうとでもなるわ。でもね、あいつらは違うのよ。」


「どう違うんですか?」


「大陸を作り変える程の存在よ。人間なんか相手じゃないわ。だから、閉じ込めて寿命で死ぬまで待つしかないの。何十年経つか分からないけどね。」


 どんなに強くても、永遠の命ではない。

 人の手では倒せないのなら、勝手に死ぬのを待つしかない。

 それが、学者達が行き着いた対策だ。

 学者のアリアも当然知っている。


「アリア、貴方ほどの学者がそんな事も知らないはずが無いわよね。なのにどうしても挑むと言うの?」


「心配してくれるの?」


「・・・っ。どうして貴方を心配しなくちゃならないのっ!」


 なんだかんだ言っているが、心配だからこその忠告なのだ。

 エリア鬼の脅威を知っているからこそ行ってほしく無いのだ。

 もちろん、アリアはその気持ちに気づいている。


「そうなの? 残念ね。」


「はぁ、馬鹿じゃないの? ほんとあなたって人は。」


 冗談を言うアリアに、呆れるレベリアラ。

 知った上で決めた事だと理解したのだ。

 迷わずに、アリアが答える。


「えぇ、学者だもの。新しい思い付きは。」


「馬鹿に宿る、か。・・・はぁ、仕方ないわね。協力するわよ。言っても聞かないのは変わらずね。」


 何度も交わしたやり取りなのだろう。

 だからこそ、言っても無駄だと知っているのだ。

 笑顔でアリアが言う。


「助かるわ。天才の貴方がいれば問題ないわね。」


「ーーーっ。当然じゃない。天才の私があなた達を導いてあげるわ。」


「ちょろいですね。」


「はい。ちょろいですお姉様。」


「そこっ。黙りなさい。」


 はやし立てる、トーパと姫様。

 それに対して、顔を真っ赤にして突っ込むレベリアラ。

 そんなレベリアラに、アリアが言う。


「頼りにしているのは本当よ。」


「当然よ。エリア鬼の事なら何でも聞いて頂戴。」


 自信満々に言うレベリアラ。

 実際に、直接見て来ただけあって誰よりも詳しいのだ。

 話がまとまったという事でアリアが言う。


「では、改めて。エリア鬼の攻略、必ずやりとげます。」


「あぁ。頼んだぞ。」


 強力な援軍を得て、とうとう話がまとまった。

 気持ちを新たに、エリア鬼の奪還を誓う。

ツンデレお嬢様兼アリアのストーカー、レベリアラが参戦です。

実験がある度に、後始末も含めて巻き込まれてました。

こう見えて、生き物係りのチームと仲は良いです。

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