表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/166

王様一家

 王都に、朝から沢山の竜車が走っている。

 そのほとんどが城に向かっている。

 パーティに呼ばれた人達だ。

 生徒達を乗せた竜車も城の前に停まる。


「おい。固まってるぞ。」


「あんたもね。」


 竜車を降りた生徒達が、城を見上げる。

 その後に、トーパの竜車も来る。

 グレンとアリアが降りて、トーパが続く。


「じゃあ、生徒達の所に行くよ。」


「えぇ、頑張ってね。」


 トーパが生徒達の元へ。

 すると、竜車が離れて行く。

 残された二人が城に入る。

 そして、入り口の受付に向かう。


「招待状の提示をお願いします。」


「えぇ。」


「確認しました。奥へどうぞ。」


 受付を済ませて、会場の扉に向かう。

 その扉の前に人が並んでいる。

 あまりの多さに、少しずつ入場させているようだ。

 その列に、二人も並ぶ。


「人が多いな。」


「そうね。一応は貿易の成功を祝うパーティだもの。貴族に加えて、ギルドの重鎮が沢山招かれているはずだわ。」


「なるほどな。どうりで。」


 祝いの席であると同時に、報告もかねている。

 その情報を多くの人に伝えるため、ギルド関係者も来ているのだ。

 二人が並んでいると、生徒達が城に入ってくる。

 そして、トーパの指示で階段を上がっていく。


「セシルの奴、体が固くなってるな。」


「緊張しているのよ。モンスターには慣れても、こういう場所は駄目なのね。」


「気持ちは分かる。俺もそうだしな。」


 苦笑いするグレン。

 戦い慣れしているグレンですら緊張するらしい。

 そうしていると、二人の番が来る。

 案内をしているメイドの前に立つ。


「人数は何人ですか?」


「二人よ。」


「はい。では、お二人様どうぞ。」


 グループに分けて、入れているようだ。

 二人が会場の中に入る。

 会場の中は、おしゃれな衣装を着た人でごった返している。

 赤の絨毯の上にいくつかのテーブルがあり、それを囲んで談笑している。

 グレンとアリアも開いたテーブルに着く。


「はぁ。慣れないな。」


「頑張ってちょうだい。」


「と、言われてもなぁ。周りの視線も気になるし。」


 時々、グレンを見る人がいる。

 ぱっと見て驚いているようだ。

 口元が引きつるグレンにアリアが言う。


「リーダーは、大柄だからね。目につきやすいのよ。」


「端のテーブルにつけて良かったよ。」


 心の底からの言葉である。

 端にいる為、見つかる事も少しですんでいるのだろう。

 そんなグレンをアリアが励ます。


「まぁ。ほとんどは興味を持ってるだけよ。」


「そういうものなのか。」


「そうね。だから、気にしちゃだめよ。」


 アリアの言う通り、嫌な視線は感じない。

 物珍しいから見ているだけなのだ。

 気持ちを切り替えるように上を見上げる。

 すると、誰かが歩いているのが見える。


「ん? 姫様か?」


「確かに、王様と女王様もいるわ。」


「あと、小さい子もいるが。」


 グレンの指摘に、アリアが目を凝らしてみる。

 床に隠れて見えないけど、確かに四人いる。

 その場所をアリアが確認する。


「んー? あっ、本当ね。妹さんだわ。」


「姫様のか?」


「えぇ。会った事は無いけどね。間違いないわ。」


 騎士が並ぶ、会場の二階の通路。

 そこを、王様の一家が進んでいく。

 前髪を上げたトーパが四人を迎え入れる。


「お久しぶりです。王様。」


「トーパか。久しいな。君の父とは、良く合うんだがな。」


「本当に。仕事を放って遊びにね。」


 女王の言葉に、王様が言葉が詰まる。

 女王は笑顔だけど、目は笑っていない。

 トーパも続いて言う。


「えぇ。私も聞いてますよ。良く出掛けると。」


「おほん。まぁこの話はやめにしよう。うん。」


 わざとらしい咳をして話を誤魔化す王様。

 自分から話を振ったのに、痛いところを指摘されてしまった。

 今度は、姫様と妹が前に出る。


「お姉さま。会えて嬉しいです。」


「あるもー。」


 妹がトーパに抱きついた。

 その頭をトーパが撫でる。

 姫様がお辞儀をする。


「今回は、来てくれてありがとうございます。」


「ふふ。元気そうで何よりです。」


「元気と言えば、レベリアラお姉様に会いましたよ。相変わらず元気な挨拶でした。」


「そうですか。お変わりないようで安心です。」


 そんな話をしていると、一人のメイドが来る。

 その手には、派手な装飾の箱がある。

 それに、王様が気づく。


「王様。持ってきましたよ。」


「ありがとう。それじゃあ、生徒達に合おうか。トーパ、頼む。」


「はい。アル離れてね。」


「うん。」


 姫様の妹が離れると、トーパが扉を開く。

 その中は個室となっており、会場と同じく赤を基準に装飾されている。

 部屋の真ん中に長いテーブルがあり、そこに生徒が座っている。

 生徒達は、食事をしていたようだ。

 生徒達の前に、王様一家が立つ。


「皆さん。良く来てくれた。私は、この大陸をまとめる王です。」


 生徒達に頭を下げる王様。

 それを聞いた生徒達の動きが止まる。

 生徒達と一緒に座っていたギルド長が立ち上がる。


「農業ギルドのギルド長です。今回は、お招き頂いてありがとうございます。」


「いや。お忙しい中、足を運んで頂いて感謝する。」


 農家ギルドの事情も良く分かっているようだ。

 それでも、来てもらいたかったようである。

 王様が頭を下げる。


「ドラゴンの一件。農業科ギルドには迷惑をかけた。申し訳ない。」


「いいえ。皆無事で良かった。これがギルドが出した結論です。気にする必要はありませんよ。」


「そうか。では、代わりに感謝を。ありがとう。」


 今度は、王様一家で頭を下げる。

 そして頭を上げると、メイドに目配せする。

 メイドが箱を王様に渡す。


「つきまして、生徒達と農業ギルドに勲章を授与する事にした。受け取って欲しい。」


 箱を開けると、王家の紋章が入っている。

 それを見た生徒達がざわついた。

 ギルド長が生徒達の様子を見ると、王様に頭を下げる。


「ありがたく受け入れます。」

 

 代表してギルド長が言うと、王様が頷いた。

 満足のいく答えだったのだろう。

 そして、勲章を王様と王女様みずから生徒達に配っていく。

 生徒達は、緊張した手でそれを受け取る。

 そして、ギルド長に特別大きいものが手渡される。


「これからも、大陸の食べ物ををよろしく頼む。」


「はい。共に大陸を良くしていきましょう。」


 ギルド長と、王様が握手を交わす。

 そして、配り終えた二人が、再び前に立つ。

 王様が改めて頭を下げる。

 

「本当にありがとう。これからパーティを始める引き続きゆっくりしていってくれ。」


 そう言うと、王様一家が部屋を出る。

 付き添いのメイドも外に出る。

 トーパが迎え入れる。


「お疲れさまです。いかがでした?」


「あぁ。しっかりした子達で安心したよ。トーパが教えているんだったな。」


「はい。自慢の生徒達です。」


 迷いなく、そう言ったトーパ。

 生徒達がこうやって称えられるのが嬉しいのだ。

 そんな光景を、笑顔で見ていた王女が言う。


「そろそろ時間かしら。」


「もうそんな時間か。パーティを始めないとな。」


「王様。例の件もお忘れなく。」


「うむ。分かっている。準備が出来たら執事を送る。」


 グレン達の件の事だ。

 頷いた王様と王女が歩き出す。

 姫様と妹も、後に続く。

 その際、後ろを振り向いてトーパを見る。


「では、また後で。」


「またねー。」


「えぇ。後で。」


 お互い手を振り合って別れる。

 王様一家と別れたトーパは、会場へと降りる。

 会場で目立つ大男を目印に、そこへ向かう。


「どうも。楽しんでますか?」


「うおっ。トーパか?」


 声をかけると、グレンが驚いた。

 トーパである事に自信が無いようだ。

 それもそのはず・・・。


「あー。リーダーは初めて見るのよね。この姿。」


「あぁ。声と衣装で気づけたが、やはりトーパか。」


「はい。いつものでいると、こういう場所だと目立つので。」


 周りの人は、丁寧な言葉で話している。

 なので、いつもの話し方だと違和感が出て目立つのだ。

 様になっているトーパの姿にグレンが感心する。


「使い分けてるんだな。」


「言葉なら誤魔化せるものね?」


「あぁ、羨ましい限りだな。」


「どういう事です?」


 首をかしげるトーパ。

 グレンを見ると、何か諦めたような顔をしている。

 そんなグレンの代わりにアリアが答える。


「体格で目立って困っているのよ。」


「なるほど。確かに、私も会場に戻ってきた時に一目で分かりました。」


「そんなにか。まぁ、気にしない事にしたから良いんだがな。」


「それが良いですよ。」


 トーパが励ます。

 実際に、目の入るのは一瞬の事。

 周りも慣れたのか気にしていない。

 すると、会場の奥が騒がしくなる。

 その様子にトーパが気づく。


「そろそろですよ。」


「ようやくだな。」


 真ん中にある王家の印に装飾がされたオブジェ。

 その上にある広場に王様一家が現れた。

 それに気づいた人々が、黙ってそっちを見る。

 すると、王様が前に出る。


「みなさま。本日はお越しいただきありがとう。先日より行っていた、他の大陸との貿易は無事成功した。その事を祝うためのパーティをこれより開始する。」


 王様一家が、飲み物が入ったグラスを持つ。

 そして、王様がそれを掲げる。

 それに合わせて、一同もグラスを掲げる。


「どうか楽しんでいってくれると、用意した我々も嬉しい。では、既にした人もまだの人もご一緒に。乾杯。」


 人々が乾杯と声を上げる。

 そして、近くの人とグラスをぶつけ合う。

 こうして、パーティが始まった。

レベリアラという噛みそうな名前の人は、前章の最後で言っていたトーパの友達です。

あと、いつ書いたか忘れましたがアリアの苦手な人です。

何故トーパが姫様と知り合いなのかも含めて、次で説明出来ると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ