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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
特定危険指定区域<エリア鬼>編

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110/166

王都へ

 次の日の朝。

 学校はバタバタと人が行き交っている。

 二つの部屋に衣装が運ばれてくる。


「衣装の数は?」


「問題ないよ。」


「じゃあ、生徒達を呼びますか?」


「それは昼からだよ。」


 王都に行く生徒達の為に、職員達が作業をしている。

 衣装を並べたり、竜車の確認をしている。

 最終確認をするトーパ。


「衣装良し。靴良し。化粧道具良し。竜車も良し。小竜の身体検査も良し。」


「飾り物はどうします?」


「それは、私が選ぶよ。」


 女性は髪飾り、男性はネクタイ。

 おしゃれも礼儀の一つなのだ。

 衣装を着せるときに、選ぶようだ。

 こうして確認作業が終わる。


「職員の皆さんは、昼ごはんに移っちゃってね。」


「トーパ先生はどうします?」


「アメッサに仕事の引き継ぎがあるから、それが済んでからだね。」


 王都に向かうと言うことは、相方と離れること。

 その間の面倒は、アメッサが見る事になっている。

 その確認をしないといけないのだ。

 職員達が食事に向かう。


「見張り来ました。交代の時間です。」


「丁度ぴったりだ。お願いするねー。」


 見張りに来た職員と入れ替わるように、トーパが離れる。

 そのまま、ギルドマスターの部屋へ。

 ノックをして入ると、ギルドマスターとアメッサが話していた。


「トーパ先生、準備はどうですか?」


「完璧だよ。そっちはどう?」


「確認は終わったよ。後は、判子だけ。」


「ありゃー。遅かったか。」


 トーパが到着する前に終わったようだ。

 アメッサが紙に判子を押す。

 都市の学者を示す印が入った奴だ。


「出来ましたよ。」


「ありがとう。今日からお願いするよ。」


「はい。生徒達の大事な相方ですからね。」


 無事に引き継ぎが完了。

 今まで生徒達が相方の世話をしてきたのを学校が受け入れる。

 それを、アメッサに任せる事になる。

 契約を確認するトーパ。


「じゃあ、頼んだよアメッサ。」


「うん。トーパもしっかりね。」


「任せてちょーだい。」


 そう言って、部屋を後にしたトーパ。

 そのまま、食事に向かう。

 やるべき事はまだまだある。



 それから数時間がたった。

 着替えた女子生徒達が、校舎から現れる。

 お互いの衣装を自慢し合っている。


「どう? 意外に似合ってるでしょ。」


「いやいや、私の方こそ。」


 スカートを掴んだり、回ったりしている。

 そうやって、ドレスを確認している。

 いつもとは違う姿に、気分が上がっているようだ。


「でも。スカートって馴れないよね。」


「普段、ズボンだしね。引っ掛かるし。」


「でも。こういうのも良いかもね。」


 女子生徒達が同意する。

 効率よりも、理想の姿になれた事の方が勝ってるようだ。

 すると、着替えた男子生徒達が現れる。

 

「おっす。なかなか良い感じだな。」


「そっちもね。」


「だろ? 自分でもびっくりだぜ。」


 男子生徒も気に入っているらしい。

 何度も自分の格好を見ている。

 そうしていると、学校前に二台の竜車が止まる。

 派手な装飾に生徒達が驚く。


「もしかして、あれで行くの?」


「すごい。」


「もう、何も言えなくなるな。」


 生徒達が見入っている。

 赤の胴体に、金で装飾がされている。

 その横には、農業ギルドのマーク。

 異質なそれに目が離せないようだ。

 ドレスを着たトーパが生徒達を呼ぶ。


「はいはい。用意が出来た子から乗っちゃって。」


「トーパ先生は、どっちに乗るんです?」


「私は自前のだよ。客人も乗せなきゃだし。」


 トーパが見た方にもう一台の竜車がある。

 ギルドのとは違えど、豪華な装飾は変わらずだ。

 トーパがここに来た時の物だ。

 生徒達を誘導するトーパ。


「そんな事より、早く乗っちゃって。」


「靴は普段のままだけど。」


「靴は城の前で。だから、安心してね。」


 そう言って、トーパが生徒達を竜車に乗せていく。

 後は職員に任せて自前の竜車へ。

 そこに、二人の客人が現れる。


「トーパ。よろしくね。」


「よろしく頼む。」


「はいはーい。」


 客人の正体は、グレンとアリアだ。

 トーパと共に、王都へと向かう。

 すると、セシルがやって来る。


「あっ、グレンさんとアリアさん。あれ、他の皆さんは?」


「逃げた。」「逃げたわ。」


「?」


 城に行くのは二人だけのようだ。

 言葉通り、他のメンバーはいない。

 説明するアリア。


「カリネは、竜車の整備と新兵器の開発。コガラキは、知り合いと町巡り。ユーリアは、小竜から離れたく無いそうよ。」


「ユーリアに関しては、他に事情がありそうだけどな。あとの二人は、面倒だからいかないとさ。本当なら俺も行きたくはないが。」


「リーダーがいかないと意味が無いから、ってね。その結果、二人で行く事になったのよ。」


 二人の目的は、王様に頼み事をすることだ。

 チームとして会うのに、リーダーがいないという訳にはいかない。

 その説明に納得するセシル。


「そんな事があったんですね。」


「そうね。それで、トーパに連れて行って貰う事になったのよ。」


「ま、ついでだからねー。」


 竜車が無いのなら、自力で行く事は出来ない。

 だから、こうやってトーパと共に行くのだ。

 そう話をしていると、スーツを来たギルド長が来る。


「トーパ先生。準備は出来たか?」


「大丈夫だよ。後は、乗るだけかな。」


「そうか。先に行ってるぜ。」


「うん。後から着いていくからね。」


 ギルド長が竜車に向かう。

 職員と話して、竜車の前座に向かう。

 一つは、ギルド長が操縦するようだ。

 セシルも竜車に向かう。


「それでは、また向こうで。」


「うん。それじゃあ、私達も乗り込もうか。」


 三人が竜車に乗る。

 セシルもまた、ギルドの竜車に乗る。

 準備は出来たようだ。


「来たか、セシル。」


「待たせてごめん。」


「いや。まだ出ないようだぜ。」


 付き添いの職員が通信機の受話器を耳に当てている。

 こっちに来いと、生徒がセシルを手招きする。

 そこに座ると同時に、職員が受話器を置く。


「連絡が入りました。そろそろ出るようです。」


 前の竜車が動き出す。

 その後に、他の竜車も動き出す。

 学校から離れて門へ向かう。


「うおっ。とうとうか。」


「緊張するね。」


 門に着いた竜車が町を出る。

 畑を抜けた先の柵の門も抜ける。

 そして竜車は、整備された道に入る。


「王都ってどんな所なんだろ。」


「僕、行った事あるよ。」


「まじかよ。どんな所だ?」


 一人の生徒に他の生徒が食いついた。

 興味があるようだ。

 聞かれた生徒が説明する。


「店一つ一つが大きくて、沢山の物を取り扱っているんだ。しかも、人が多くて道が通れないんだ。」


「王都に集まる人が多いからな。その分、人も多いって事か。」


「そうだね。いろんなギルドの人がいるよ。」


 王都で商売をするギルドは多い。

 その分、人が行き交っているのは当然の事だ。

 他の生徒が聞く。


「豪華なお店が並んでる場所もあるって聞いたけど。」


「確かにあったよ。流石に行けないから、詳しくは知らないけどね。」


 お金持ちが行くお店の事だ。

 一般の人が行けないのは仕方がない。

 そんな話をして時間を潰していると、竜車が道を曲がる。

 すると、海が見えてくる。


「そろそろじゃね?」


「うん。分かれ道を曲がってすぐのはず。」


「もしかして、あの大きいな壁?」


 竜車の外を生徒達が見る。

 他の町のとは違う、大きな壁が前方にある。

 セシルは、それに見覚えがある。


「あ、あれだ。詳しい仲間が言ってた。」


「ハンターの仲間? へぇ、あれが王都なんだ。」


 一同が王都の壁を見る。

 大きいだけでは無く、派手な模様も付いている。

 近くに行くまで見続けていた。


「近くに来たら尚更だな。」


「圧倒されるよね。」


 近くで見る壁は、また見方が変わる。

 ギルドの竜車が門の前に着く。

 そこには、商人達の竜車が並んでいる。


「すごいね。竜車も豪華だ。」


「俺もいつかあんなのを引っ張りたいぜ。」


「出来ると良いね。」


 王都に入る豪華な竜車に憧れを持つ生徒達。

 そんな竜車の横を抜けて、要人用の入り口に入っていく。

 その門の中で一時停止する。

 先頭の竜車にいるギルド長が、まとめて手続きをする。


「入るよ。」


 手続きが終わると、竜車が動き出す。

 門を抜けて、王都の中へ。

 王都の景色が、生徒達の目に飛び込んだ。


「うわぁ。広い。」


「すげぇな。言っていた通りだ。」


 大きな道沿いに店が並んでいる。

 その一つ一つが横に大きい。

 しかも、形も違う。


「どうして形が違うんだ?」


「王都を作る際、建築ギルドの人達が競いあったそうだよ。」


「なるほど。さすが商人の子だな。」


「知識だけ、だけどね。」


 来た事がないとはいえ商人だ。

 知識だけはあるようだ。

 そんな商人でさえ目の前の景色に心が奪われている。


「なんかわくわくしてきた。」


「だね。こうして見ると実感が沸くよ。」


 直接見る事により、王都に来た事を意識し出したようだ。

 大通りを進んだ竜車が敷地に入る。

 巨大な噴水の横を抜けた竜車が、建物の前に停まる。

 そこもまた豪華で、横に広い。

 付き添いの職員が、生徒に言う。


「着いたよ。」


「ここは、何ですか?」


「今日泊まる宿だよ。」


「や、宿? 屋敷じゃなくて?」


 宿には見えない。

 それほど、立派な形の建物だ。

 前の竜車から生徒達が降りていく。

 職員が言う。


「さ、私達も降りよう。」


 職員に促されて、後続の竜車の生徒達も降りる。

 すると、同じく竜車から降りたトーパがやって来た。

 生徒達を呼ぶ。


「はーい。生徒達、おいでー。」


 招きながら、トーパが建物に入る。

 受付に話しかけて、生徒達を中に入れさせる。

 生徒達は、中を見回す。


「トーパ先生。本当にここに泊まるんですか?」 


「ん? もしかしてびびってる?」


「そりゃそうだよ。こんな・・・。」


 言葉に詰まる生徒。

 中の景色に圧倒されている。

 トーパが笑う。


「大丈夫。これも経験だよ。」


「なんの励ましにもなってないです。」


 生徒達は、完全に固まっている。

 しばらくして、各部屋に別れて過ごす。

 最後まで、生徒達の緊張は取れる事は無かった。

さすがにビルのような建物はありません。さすがに。

でも、職人が力を振るったせいで、建物の形は全て違います。

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