ドラゴンを倒せ。
一方、ドラゴンを誘導する四人。
シルファが追いかけられている。
追い付かれそうになると曲がって距離を離す。
「もうそろそろ良いと思うぜ。」
「うん。迎え撃つ。」
エリクとユーリアが頷き合う。
あれからかなり走ったはずだ。
シルファに伝える。
「先回りするぜ。次、右に曲がりなっ。」
「あいさっ。」
後ろを追う二人が、樹の群れの中に入る。
しばらく走ると、指示通りに右に曲がるシルファ。
ドラゴンが後に続く。
「おらっ、来いよっ。」
そこにいたのは、シルファではなくエリク。
迫るドラゴンに向かって走る。
そして、ドラゴンに槍を刺す。
「止まりなっ。」
普通なら、呆気なく飛ばされるだろう。
しかし、道を曲がったばかりのドラゴンに勢いはない。
少しばかり押されるも耐えるエリク。
すると、ユーリアが飛び出した。
「先陣は私。」
「続くんよっ。」
ユーリアの後にシルファも続く。
ドラゴンを止めたと同時に、二人がエリクの横を抜ける。
そして、左右から首を斬っていく。
すると、鱗が剥がれる。
「よし、簡単に剥がせたんよ。」
「感心してる場合かっ。来るぞっ。」
「分かってるんよっ。」
三人が下がった直後に、いた所を尻尾が通る。
かわされたドラゴンが雷を放つ。
エリクが前に出て槍で受ける。
「効かねぇなっ。」
エリクはびくともしていない。
身にまとっている鎧が、槍を伝って来る雷を防いだのだ。
シルファが感心する。
「さすが大竜の鎧なんよ。」
「凄い。」
「あぁ。乾燥地帯の大竜の鎧は、雷を流すってな。アリアの言う通りだぜ。」
アリアからのアドバイスだ。
実際、鎧が雷を流してたのだ。
シルファが駆ける。
「防げるなら怖くないんよっ。」
迫るシルファにドラゴンの牙が襲い掛かる。
それを、横に跳んでかわすシルファ。
代わりに現れたエリクが、槍をドラゴンの顔に振り落とす。
「もう一丁っ。」
さらに横に振って顔を飛ばす。
首の下に潜り込んで槍で刺す。
その間に、二人が背中に乗って翼を斬る。
「これでっ。」
「逃げれない。」
だめ押しとばかりに、破けた場所を裂いて開く。
翼を破いて、飛行手段を奪う。
すると、いきなりコガラキが叫ぶ。
「雷が来るっす。」
「おうよっ。」
大急ぎで飛び降りた瞬間、雷が放たれる。
二人がいた場所を、雷が駆け抜ける。
ギリギリで避ける事が出来たのだ。
「ちいっとばかし、長くいすぎたんよ。」
「雷のタイミングは、自分が分かるっす。これからは、あっしが指示を出すっすよ。」
「お願いね。」
遠くにいるからこそ、雷のタイミングが分かるのだ。
それならば、戦いに集中出来る。
三人が武器を構えるとドラゴンが突っ込んでくる。
「動き出したかっ。」
迫るドラゴンをエリクが跳んで避ける。
そこに向かって、ドラゴンが噛みついてくる。
それを、槍で逸らしていく。
「しぶてぇよっ。」
逸らした隙を狙って、懐に入り込む。
そして、上の首に向かって槍を突き上げる。
すると、ドラゴンが片足を下げる。
シルファが叫ぶ。
「尻尾が来るんよっ。」
「分かってらぁ。」
ドラゴンがエリクに向かって尻尾を振る。
それを避ける事なく、エリクは受ける。
強力な一撃を鎧で受ける。
「任せたぜっ。」
「おうさっ。」
シルファが駆ける。
回って硬直したドラゴンの足に一撃。
ドラゴンが転ぶと、ユーリアが駆ける。
「首、貰ったよ。」
双剣を刺して、左右に引き裂く。
ドラゴンの首から血が溢れる。
そこにシルファが剣先の返しを刺し込む。
「ほらよっと。」
勢い良く引いて傷口を開く。
さらに、血が溢れる。
すると、コガラキが叫ぶ。
「雷っす。」
それと同時に、二人が下がる。
その直後、雷が放たれる。
そして、ドラゴンが立ち上がる。
「雷で身を守ったんよ。」
「でも、避けれる。」
コガラキの合図で、雷は避けれるのだ。
冷静に対処すれば雷は怖くない。
そのはずだったのだが・・・。
コガラキが叫ぶ。
「雷っす。」
「させねぇ。」
エリクが二人の前に出て、雷に対処する。
しかし、雷が飛んでこない。
その代わりに、シルファとユーリアに雷が落ちる。
エリクを越えて、後ろに落ちたのだ。
「危ないんよっ。」
「セーフ。」
後ろに下がっていた為に、軌道が見えたのだ。
こっちに来ると分かった瞬間、二人は後ろに跳んでいたのだ。
そのお陰で、寸前でかわす事が出来たのだ。
「ふぅ。無事のようだな。」
「何とかなんよ。でも、雷を落として来るなんてねぇ。」
「って、次来るよ。」
ドラゴンは、雷をまとったままだ。
咆哮と共に雷が上へ飛ぶ。
そして、三人に向かって落ちる。
「くそっ。」
かわしたと同時にまた落ちる。
「まだ来るんよっ。」
またかわすも、さらに落ちる。
「しつこい。」
ひっきりなしに雷が落ちてくる。
それを、何とか凌いでいく。
すると、コガラキが叫ぶ。
「突進っ。」
「なっ。」
雷ばかりで、ドラゴンの動きを見ていなかったのだ。
気づいた時には、すぐに目の前に迫っていた。
それをかわしたと同時に、三人に雷が飛ぶ。
「ふざけっ!」「ちっ!」「くっ!」
とっさに構えた武器で雷を防ぐ。
直撃は免れたものの、武器を伝って電気が体を走る。
エリク以外には効いたはずだ。
「体が痺れてっ。」
「くうっ。」
体が動かない二人。
ドラゴンがそっちを見る。
すると、二人が煙に包まれる。
「エリクさんっ。」
「おうっ。」
横から刺したエリクが、ドラゴンを引き付ける。
エリクを見たドラゴンが、尻尾を振る。
避けたエリクが、ドラゴンの懐に入って槍で首を刺す。
「今のうちにドリンクを。」
「あぁ。」「うん。」
エリクが押さえつけている間に、二人がドリンクを取り出して飲む。
すると、痺れが感じなくなる。
体が動くようになる。
「よしっいけるんよっ。」
「同じく。」
あくまで、感じなくなるだけだ。
動いても力が入りにくい。
それでも、二人が前に出る。
「もう、無理だっ。」
槍が外れた勢いで、エリクが後ろにこける。
そこにドラゴンの牙が迫るが、ユーリアが逸らす。
「そこっ。」
懐に入ってもう片方の剣で首を刺すが通らない。
「力がっ。」
ユーリアが振り払われて後ろに飛ぶ。
そこに牙が迫るが、シルファが逸らす。
「おらっ。」
「そこだっ。」
ドラゴンの顔が逸れたと同時にエリクが刺す。
続いて、シルファが刺す。
そして、ユーリアも刺す。
「力が入らんよ。」
「これ以上はっ。」
二人はもう限界のようだ。
ボロボロの首すらもう切れない。
そして、コガラキが叫ぶ。
「雷っす。」
「下がれっ。」
エリクが叫ぶと同時に二人が下がる。
その直後、雷が放たれる。
間に合わず、雷が三人に降り注ぐ。
「「「・・・。」」」
もう悲鳴すら上がらない。
倒れたまま動かない。
さすがの鎧も、直撃には耐えれない。
ドラゴンが三人を見る。
「やばいっすっ!」
三人は動かない。
無慈悲にも、とどめとばかりに雷を放つ。
その直後、ドラゴンの顔が爆発する。
「間に合ったようだなっ。」
駆け付けたグレンが、ドラゴンの首にナイフを刺す。
三人がダメージを与え続けた場所だ。
すると、ドラゴンが暴れだす。
激痛に悶えているようだ。
「自分の雷の味はどうだ?」
ナイフを通じて雷が体内に入り込んだようだ。
さすがのドラゴンも、これには堪えたようだ。
近くで見ていたアリアが言う。
「上手くいったようね。」
「何が起きたの?」
「簡単な事よ。ドラゴン自身は雷の影響が無いのかと。そんな訳が無いわね。鱗と筋肉で守っているだけよ。ドラゴンにだって痛覚があるなら雷が効くのは当たり前ね。」
だから、筋肉の内側に雷を送らせたのだ。
鉄は雷を通す、だから大量の雷が流れたはずだ。
大剣を構えるグレン。
「来いっ。」
立て直したドラゴンが、グレンに向かって尻尾を振る。
それに、大剣を叩き込むグレン。
力を振り絞って、大剣を振り抜く。
「うおぉぉっ。」
尻尾が斬れて落下する。
そのまま一回転し、ドラゴンの足に大剣を叩き込んで転倒させる。
さらに一回転して、落ちたドラゴンの顔に大剣を振り下ろす。
「あっけないものだな。」
以前、あんなに苦労したドラゴンを圧倒している。
雷のダメージの影響があるとは言えど成長を感じる。
再びグレンが大剣を構える。
「後は、俺に任せて休んでな。」
後ろで倒れている仲間に言う。
三人は、充分に戦った。
そのお陰で、ナイフを刺せる事が出来たのだ。
すると、声が帰ってくる。
「ふざけんじゃ、・・・無いんよ。」
「あぁ、ちょっと休んでいただけだぜ。」
「まだいける。」
倒れていた三人が立ち上がった。
ふらついてはいるものの、武器を持つ。
それを見てがははと笑ったグレンが瓶を渡す。
「そう来ると思ったよ。飲め。」
効果が強いドリンクだ。
三人が一気に飲む。
そして、今度こそ武器をしっかり持つ。
「行くぞっ。」
立ち上がったドラゴンが、一同に雷を落とす。
すると、グレンが前に出る。
避けずにそれを受ける。
「リーダーっ。」
「気にするな。お前達が受けた痛みを俺も受ける。それだけだっ。」
「そうかい。でも、平気そうなんよっ。」
グレンの横を抜けたシルファが駆ける。
落ちてくる雷をかわしながら進んで行く。
今度は、噛みつきが迫る。
「それでこそリーダー。」
シルファが避けた代わりにユーリアが前へ。
首の下に入り込んで斬り上げる。
「だからって雷に耐えるなんてな。」
顔が逸れた事により、晒された首をエリクが刺す。
そして、シルファとユーリアが足を払う。
足を滑らせたドラゴンが前に倒れる。
「鍛えてるからな。」
グレンが首の横に立つ。
そして、大剣を振り上げる。
「では、終わらせようか。」
ドラゴンの首に大剣を振り下ろす。
それと同時に、エリクが顔を突き上げる。
それにより、ドラゴンの首がへし折れる。
「さらばだ。」
あらぬ方向に顔が向いたまま、ドラゴンの動きが止まる。
再び動く力はもう無い。
そのまま、ドラゴンは絶命する。
もう一度ドラゴンと戦う事によって皆の成長を書きたかったのです。
雷の激痛にも耐えれます。




