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ハンターチームの裏方仕事  作者: 鍋敷
学校編

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姫様を追え

「もしかしてハンターか?。」


「それは、俺が説明する。」


 一人残された男に、声がかかる。

 そこにいたのはグレンだ。

 男に近づいたグレンが聞く。


「あなたは姫の警護の騎士だな?」


「私は姫様に仕える騎士のリーダーであり、騎士を束ねている。」


「要するに、騎士団長って事だな?」


「そう呼ばれているな。」


 目の前にいる人物こそ、騎士の最高責任者である騎士団長だ。

 王家を直接守る立場ゆえ、姫と共に大陸を離れていたのだ。

 ならば、一連の事は知っているのだろう。


「姫様は、どうした?」


「さっきの奴に追い付かれ団員がやられてしまってな。私が囮に出て逃がした。」


「ならば、逃げれたと言うことだな?」


「そうだと祈っている。」


 騎士団長が顔を伏せる。

 心配しているのだろう。

 今度は、グレンが説明する。


「副団長と繋がりのある教授の応援で救助に来たハンターチームだ。」


「繋がり? 確か連絡にあったな。」


「姫様を助けたい、場所を教えてくれ。」


「私も知らない。なにせ急な事だったからな。」


 姫様達も必死なはずだ。

 どこに逃げるか、分からないのも仕方がない。

 アリアが竜車を近付ける。


「リーダー。車輪の跡を追いましょう。その先にいるはずよ。」


「分かった。すぐに行こう。」


「待ってくれっ。くっ。」


 騎士団長が膝をつく。

 よく見れば体が痙攣している。

 彼も雷を受けたようだ


「ほら。しっかりしろ。」

 

「俺の事はいい。頼む行かせてくれ。」


 騎士団長がお願いをする。

 すぐに姫の所に行きたいのだろう。

 グレンが頷く。


「分かった。乗れ。」


「あぁ、頼んだ。」


 グレンと騎士団長が竜車に乗る。

 濡れた地面にある車輪に沿って竜車が進む。

 車輪の跡は、左右に何度も曲がっていく。

 騎士団長が前座に乗り出した。


「あえて狭い道を通っているのか。」


「懸命ね。ドラゴンは、動きにくい場所を嫌うのよ。」


「優秀な奴を選んだからな。」


「でも、こんなに激しく曲がり続けたら・・・やっぱりね。」


 曲がった先に複数の竜車が倒れている。

 片方の車輪が外れているようだ。

 過度に曲がったせいで車輪が壊れたのだろう。

 それに巻き込まれたのか、竜車が散乱している。

 その周りには、投げ出された騎士が倒れている。


「姫様っ。」


 その近くに止まると、騎士団長が飛び出した。

 周りを見渡し、目的の竜車を見つける。

 すぐに、そこに駆け出した。


「姫様ーっ。」


 急いで竜車の中へ入る。

 その後を、アリアとグレンが追う。

 周りを見渡しながら進んでいく。


「全員怪我人か?」


「それだけじゃ済んでないようね。」


 中には怯えている者もいるようだ。

 体を抱えて震えている。

 気づいたアリアが言う。


「雷による激痛によって恐怖を植え付けられたようね。」


「意思を砕かれたんだな。」


「放り投げ出された事にすら分かっていないようね。」


 もう同じ目に会いたくない。

 その気持ちが、考える事すらも放棄させたのだろう。

 その騎士の中を二人が進んで豪華な竜車につく。

 しかし、その前で止められる。


「近づくなっ。」


「私達は、救助に来たのよ。」


「駄目だ。」


 二人の前を騎士が立ち塞がる。

 通す気がないようだ。

 騎士が集まり二人を追い払う。


「関係者以外立入禁止だ。」


「姫様と親身な人としか合わせられない。さぁ、出ていきなさい。」


 どうしても合わせないらしい。

 向こうは仕事をしているだけなのだ。

 アリアとグレンが素直に下がる。


「無理は言えないか。」


「仕方ないわ。下がるしか無いわね。」


「なら、代わりに私がいきましょう。」


 相談する二人に声がかけられる。

 そちらを見ると、トーパと大柄な男性が立っていた。

 その後ろには、複数の竜車がある。

 急に現れたトーパに驚くアリア。


「トーパ。どうして。」


「助けに来たんですよ。親身な相手なら私で大丈夫なはずです。」


「そうね。任せたわ。」


 トーパが前に出る。

 当然の事ながら、騎士が立ち塞がる。

 やはり、通れないようだが。


「なんだあんた。ここは通せないぞ。」


「私はトーパです。これを見て下さい。」


 懐からペンダントを取り出すトーパ。

 それを見た騎士が慌て出す。

 トーパに向かって敬礼をした。


「失礼しましたっ。どうぞこちらへ。」


「ありがとうございます。」


 頭を下げるトーパ。

 騎士に連れられ竜車に向かう。

 その前で止まり竜車へ叫ぶ。


「エル、私よ。トーパよ。」


 すると、竜車の扉が勢いよく開く。

 現れたのは、ドレスを着た女性だ。

 トーパに向かって駆け出す。


「お姉さまっ。」


 そのまま、トーパに抱きついた。

 トーパがそれを抱き締め返す。

 ドレスの女性は泣いているようだ。


「皆が私のために。私、どうすれば良いか。」


「もう、大丈夫ですよ。あなたが無事で良かった。」


 女性を慰めるトーパ。

 あの女性が、姫様なのだろう。

 姫様が落ち着くまで、あのままのようだ。

 それを見ているアリア達。


「ひとまずは、安泰ね。」


「あぁ。それで、これからどうする?」


「なんだ、聞いてないのか?」


 トーパと共にいた男性が割り込んだ。

 二人が男性を見る。

 アリアが男性に聞く。


「あなたは、農業ギルドの。」


「ギルド長だ。トーパ先生に頼まれて来たぜ。」


「そう。って後ろの竜車って。」


「ん? あぁ、生徒達だよ。」


 竜車を操っているのは、職員ではないようだ。

 その証拠に、制服を着ていない。

 その一つからセシルが現れた。

 手にはウルフの子もいる。


「リーダーっ。」


「セシルか。どうしてここに?」


「トーパさんに言われて来ました。人手が足りないからって。」


 全ては、トーパの計画らしい。

 生徒達を連れてここまで来たようだ。

 ギルド長が説明する。


「助けを呼ばれたけど、ギルドの竜車は嵐対策で使っててな。そこで、生徒達を使う事になったんだ。」


「なるほど。でも、生徒達をこんな危険な場所に連れてくるなんて。」


「俺もそう言ったんだが、問題ないってさ。だから連れてきた。でも、それだと責任放棄だから、俺も来たって訳だ。」


 生徒達に何かあったら、決めたギルド長の責任だ。

 預かっている身としての役目なのだろう。

 戻ってきたトーパが説明する。


「そういう事です。では、お願いします。」


「おうよ。」


 ギルド長が竜車や馬車を招き入れる。

 その間に、騎士団長と姫様が近づいて来る。

 騎士団長は、慌てているようだ。


「まさか、姫様を見習いの竜車に乗せるのか?」


「いえ。ギルド長の竜車に乗せるつもりです。」


「待ってくれ。先程から森の生き物が騒いでいる。危険だ。」


「じゃあどうするんですか? ここにいるつもりでしょうか。」


 ドラゴンの雷にビビった生き物が、先程から飛び出している。

 変に動けば衝突するかもしれない。

 姫様が騎士団長を止める。


「騎士団長。ここは、任せましょう。」


「姫様?」


「今は怪我人を安全な場所に運ぶのが先決です。」


 怪我人は多い。

 あちこちから、呻き声が聞こえている。

 このまま、嵐の中に置いておく訳にはいかない。


「仕方ない、か。」


「大丈夫ですよ。彼がいますから。」


「えっ。」


 トーパがセシルの肩に手を置いた。

 行きなりの事でセシルが驚く。

 騎士団長が聞く。


「彼がどうしたんですか?」


「彼もまた私達のお抱えのハンター。グレンさん、セシルさんを借りますね。」


「あぁ、構わないが。セシルは、どうだ?」


「やります。皆が戦っているから自分も戦います。」


 ドラゴンの事を知っているのだろう。

 自分だけが戦わない事を気にしているようだ。

 頷いたグレンがチームの竜車に戻る。


「カリネ。セシルの武器を用意してくれ。」


「はいはーい。ほい、投げるね。」


 前座から武器とポーチを投げるカリネ。

 受け止めたグレンがセシルの下に向かう。

 そして、セシルに渡す。


「一度決めた事だ。しっかりやり通せよ。」


「はい。」


 セシルが装備していく。 

 すると、ギルド長が戻ってきた。

 準備が出来た事を伝える。


「いつでも行けるぜ。」


「分かりました。怪我人を運びましょう。」


「おう。」


 ギルド長が生徒達の竜車に戻る。

 指示を受けた生徒達が降りてくる。

 それを見たアリアが言う。


「トーパ。後は、任せて良いわね?」


「えぇ、必ず守ります。」


「そう。リーダー行きましょう。」


 竜車に戻るアリアとグレン。

 すぐに、竜車を動かす。

 向かう先は雷は鳴る場所。


「頼みましたよ。」


 見送ったトーパが呟いた。

 そして、セシルと共に救護に参加する。

王家直属の騎士がいてそのトップの騎士団長が指示を出しています。

しかし、ドラゴンには勝てるほどではありません。

基本、戦闘をするよりかは戦闘を避けるのが仕事です。

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