40、誤爆
仁一郎「話し合いは終了だ。
これより一切の会話を禁止する。
日が暮れて、容疑者を処分する時間がやってきた。
これから人狼だと思う者に投票してもらう。
投票順は自由。心の決まった者から投票ボタンを押せ」
今日は戦局が真っ二つに割れた。
占い師、桜真。霊能者、夢咲士。騎士、初日の勢力か。
もしくは、占い師、兎摘。霊能者、星彦。騎士、舞雪の勢力。
言うならば昨日のライン戦に騎士が加わった形。
判定するのは、美雨、霊時、ななしの3人だ。
美雨「あの、今日も票が集まりそうな人ほど早目に投票してほしい。早さも少しは信用要素に入れるから」
仁一郎「美雨、話すなら投票時じゃ」
美雨「はーい、ごめんなさい」
舞雪「投票します!」
ほう、いきなり入れるか。
疑われてるから早めにということか。
仁一郎「柊舞雪の投票だ」
舞雪「……うぅ、ごめん。
本当は考えがまとまってない。
何で兎摘さんから白が出てる初日が騎士なんて言うのか……本当はわけわかんない!
でも、本当に私が騎士なの!!」
ななし「……」
舞雪「信じて!本当に信じてほしい!!
ただそれだけ」
舞雪が肩で息をする。
初日がやれやれと手のひらを宙に向けた。
舞雪「月影初日に!初日に入れます!
とにかく!間違いないことは……あいつは絶対偽物なの!」
仁一郎「月影初日に1票じゃ。では次」
……それは悪手だろ。
円卓は、占い師潜伏説を切っていた。
つまり客観的に見て初日は本物の騎士か、あって狂人という認識。つまり人狼の線も切っているんだ。
他の者からは入れたくない位置だ。
少し熱くなり、混乱しているようだな。
星彦「投票する」
続けて、舞雪側の星彦か。
仁一郎「笹川星彦の投票」
星彦「舞雪、大丈夫だ。
俺はお前の仲間だ。桜真が偽物なのは俺もわかっている。
続くぞ、みんなも月影初日に入れてくれ」
仁一郎「月影初日に2票目」
星彦もか。確かに彼は桜真と敵対している。
つまり舞雪の味方だ。
星彦は初心者だから仕方ないところはあるが、こちらも初日に入れるべきではない。
桜真「投票させてくれ」
桜真が挙手する。
仁一郎「月影桜真の投票じゃ」
桜真「みんな、今の見たか?致命的なミスだ。
舞雪も星彦も票の入れ方がおかしい。
自分達が本物だと言うなら、入れるべきは俺だった」
舞雪「……あ」
桜真「俺は対抗が噛まれた占い師。人狼3匹がはっきりした仕事の終えた占い師だ。
それに比べて、兄貴は客観的に見て人狼の可能性は極めて低い。
投票する意味が薄いこともわからないか?」
私が言いたいことを桜真が言ってくれた。
桜真「それに星彦に言いたいが、兄貴を何だと思って投票したんだ?
兄貴は、占い結果で人間と言われていることは把握してるのか?お前のお仲間の兎摘からだぞ?」
星彦「……ちっ」
桜真「さらに、俺が言うのもなんだが……
俺は狂人で、舞雪に“誤爆”している可能性がある」
そう。狂人の桜真は、舞雪が人狼と知らずに誤爆してしまった可能性が残っている。
つまり星彦から見れば、兎摘占い師、桜真狂人、初日騎士、舞雪人狼という内訳もありえる。
桜真「わかるか?俺と敵対したからといって、舞雪が君の仲間とは限らないんだ。
そこにも頭がまわらず、機械的に舞雪に味方してることこそ、この2人が人狼仲間だと言う決定的証明だ」
美雨「……」
霊時「……」
ななし「……」
桜真「舞雪へ入れてくれ。舞雪は兎摘が本物であろうが人狼の可能性が高いからな」
仁一郎「柊舞雪へ1票」
初日「よっしゃ、じゃあワイも投票するで」
仁一郎「月影初日の投票じゃ」
初日「ホンマに……自分らアホやろ?
美雨と霊時の推理聞いてたか?
2人は占い師潜伏説を切ってたやろ?」
舞雪「……」
星彦「……」
初日「ってことはワイが人狼の可能性は切ったってことや。テンパるんはわかるけど、周りの意見も聞いてなあかんで?
あ、投票はもちろん人狼の舞雪ちゃんな」
仁一郎「柊舞雪に2票目だ」
美雨「あー投票します」
仁一郎「片桐美雨の投票だ」
美雨「うん、そうだね。桜真くんの言う通り。
今ので星彦くん本物に見えなくなっちゃったよ。
桜真くん占い師、初日くん騎士。むーくん霊能者の方に考え傾いたな」
美雨が、昨日投票した夢咲士へ目を向ける。
申し訳なさそうに。
美雨「ただ、騎士に関しては迷うな……
なんか舞雪ちゃんの驚き方とかすごくリアルで、なんか信じちゃいそうなんだよねー……はぁ、どうしよ」
仁一郎「美雨、お前は投票の意思を見せたろう?
早く決めなさい」
美雨「はーい……私は笹川星彦くんに入れます!
舞雪ちゃん側が怪しいと思う人は星彦くんに入れるのありだと思うよ。
私は騎士より霊能者の方が優先度は低いと思うから」
ここで星彦か。
確かに一理ある。舞雪に入れても星彦に入れても人狼側を落とせるなら、星彦に入れても同じこと。
騎士は1ターン泳がせるのもひとつの手。
仁一郎「よろしい。笹川星彦に1票目」
さて、あと2票。
最終票の怪盗ななしと、月影霊時。
そうか霊時か。また長くなるかもしれないな。
霊時「あ、あんた最後なんだろ?
なら俺、と、投票する」
仁一郎「月影霊時の投票じゃ」
霊時……
涙目に震える手。だが目はしっかりと開いていた。
霊時「お、俺は……
月影桜真に入れるよ。り、理由は兎摘さんが殺されたから」
桜真「……そうか」
霊時「あの、今日人狼になったつもりでよく考えてみたんだ。
そうしたらやっぱり占い師。占い師が怖い、と思う。俺が人狼なら占い師を殺す……と思う。
だから、兎摘さんが本物だったんだと考えた。
つまり月影桜真……あんたは偽物だったと思います」
拙い考察だが、ついに心を決めたことに着目する。
人を殺して生き残るということを覚悟した目だ。
仁一郎「よろしい。月影桜真に1票目じゃ」
ただ、やはりこれは悔やまれる。
つまり霊時は、舞雪と星彦側を信じたということ。
霊時からの1票があると見込めていたなら、舞雪と星彦は初日ではなく桜真に入れるべきだった。
3票入れば桜真は殺せたかもしれないのだから。
まあこの4日目は、役職達によりかき乱された混乱状態だった。票が散るのは仕方ない。
仁一郎「では、最終票。
怪盗ななし、どこに入れる?」
ななし「……」
現在、舞雪2票。星彦1票。桜真1票。初日2票。
大きくばらついた。
方法としては、舞雪か初日に入れて決めてしまうか。
もしくは星彦か桜真に入れて決選投票を3人で行うか。
彼は、桜真側の主張が腑に落ちていない様子。
なら、桜真に入れることがベストだろうか?
ななし「……んーかなり悩んだけど、決めたよ」
さあどこに入れる。
ななし「実はね、ずーっと嘘ついてる奴を1人知ってるんだ。僕が投票するのはね……」
ななしの指が宙を舞い、ゆっくりある人物に向く。
4日目、昼のターン
01、月影初日
02、柊閏悟………死亡、2日目処刑
03、柊雛…………死亡、1日目襲撃
04、月影桜真
05、片桐兎摘……死亡、3日目襲撃
06、片桐美雨
07、笹川星彦
08、晩花火………死亡、1日目処刑
09、赤村満月……死亡、2日目襲撃
10、月影霊時
11、源夢咲士……死亡、3日目処刑
12、柊舞雪
13、怪盗ななし
残り7人




