表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第7章 闘え! 神に挑みし冒険者たちよ!
96/101

093.百花繚乱のデメリット

「これならどうだ!?」


 懲りもせず、邪神は僕に向かって攻撃を続ける。


 ん? 今度は直接的な攻撃じゃなく、捕縛系のスキルかな?


 だけどそれも無駄な事。


 僕に纏わりつこうとする影や蔦なんかは、僕に届く前に空間が捻じれるように纏められ圧縮されて消える。


「いい加減に諦めたらどう? 今の(・・)あんたじゃ逆立ちしたって勝てないよ」


「妾は神ぞ。下等な人族如きに行く手を阻まれるなどあって溜まるか」


 やっぱりわかってないよ、この邪神様。


 確かにほとんどのスキルが使えるチートスキル【百花繚乱】は凄いけど、それ、ちゃんと使いこなせていないから。


 女神Alice様に指摘されたことを目の当たりにすると、確かになぁとは思う。











「【百花繚乱】スキル――大抵のスキルを使える事に惑わされていますね。ですがよく考えてごらんなさい。沢山のスキルを使えると言う事は、それだけ1つ1つのスキルを使いこなせていないという事ですよ」


「どういうことですか?」


「ヴォルさんが【回転】スキルを鍛えてレベルを上げるのに、どれだけ時間が掛かりました? 1つのスキルを使いこなすのにそれだけ時間が必要なのに、複数の、それも把握しきれない数のスキルを超越者とまでは言わなくても、それなりに使いこなすのは不可能だと思いません?」


 ……言われて見れば、確かに。


 1つのスキルを使いこなすのに凄い努力が必要なのに、それを無数鍛えなければならないとかどれだけ時間や努力があっても足りないよ。


 よく考えれば邪神も【回転】スキルが使える。


 【百花繚乱】スキルは【回転】スキルも使えるのだから。


 でも、邪神は僕みたいな【回転】スキルは使えない。


 比べてみれば良く分かるね。


 邪神の【百花繚乱】スキルはお粗末なレベルだと言う事に。


 そう考えると、実は【百花繚乱】は使えないスキル?


「ヴォルさんの考えていることは分かりますけど、要は使い手次第と言う事ですよ。不死神は今回の件や10年前の邪神戦争の折も、ヴォルさんの世界に顕現して実質1か月も満たない時間しか過ごしてませんから。そんな短い時間で【百花繚乱】を使いこなす訓練なんかできませんよ」


「使い手次第……。そうですよね、【百花繚乱】スキルは複数のスキルが使えるのが強みですもんね。それをどう使うかは使い手次第ですし」


 【百花繚乱】の上位スキルの【森羅万象】は全てのスキルが使えるんだから、スキルの組み合わせ次第でとんでもないことも出来たり?


 でも、その全てを把握出来なければ意味無いし?


 【百花繚乱】もだけど【森羅万象】を使いこなすことが出来る人が居たらそれはもう無敵じゃないかな。


 と言うか、使いこなせたらもうそれは人じゃないような気がする。










 邪神は僕を攻撃スキルで倒そうとすることしか頭にないのか、殆どのスキルか使えると言う利点を殺している。


 もっと【パワーダウン】とか【スネア】【精神誘導】とかの搦手のスキルを使えばいいのに。


「スキルを使いこなせていないお前は敵じゃないよ」


「妾が、スキルを使いこなせていないだと?」


「そうだよ。だってもし使いこなせているのなら『風雷姫』の『閃風』『天雷』とか使えるよね? それが出来ないと言う事は、そう言う事でしょ?」


 『風雷姫』の【風魔法】【雷魔法】は普通に汎用スキルだから、【百花繚乱】スキルで使うことが出来る。


 出来るのに、邪神は『閃風』や『天雷』を使ってこない。


 否、使えないのだ。


「ねぇ、『風雷姫』。一朝一夕で出来るほど『閃風』や『天雷』は簡単なの?」


「【風魔法】や【雷魔法】はありふれたスキルですけど、だからと言って『閃風』や『天雷』は簡単に使えるほど甘くありませんよ。ああ、だからですか。途中から邪神が恐ろしく感じなくなったのは」


 僕は遠巻きで戦いを見守っている『風雷姫』にどれだけスキルを使いこなすため苦労したのかを聞く。


 そして『風雷姫』は答えてくれている間に気が付いた。


 複数のスキルを使っていることに目を奪われていたけど、ただそれだけだったのだと。


 もし本当に複数のスキルを使いこなしているのなら、エーデ師匠たちはもっと追い詰められていたのだから、と。


「じゃあ、坊主を殺しかけた一撃は何だったんだ?」


「それは、ただの魔力(ちから)任せの一撃ねぇ。わたくしたちが邪神のスキルに戸惑っていたのもあるけどぉ」


 ジョーカーおじさんの言う僕に致命傷を与えた一撃。


 それ以外にも最初の猛攻に押されていたのもただ単に、魔力(ちから)任せの攻撃と僕たちの邪神が複数のスキルが使える事による動揺が原因だ。


 邪神が連続でスキルを放っていたのだって、よく思い出せばありふれたスキル連携だ。


 数人で行うそれを、ただ1人でやっていただけ。


 邪神が1人でやっていたことに僕たちが動揺して隙を見せていたにすぎない。


 攻撃の威力だって魔力(ちから)任せだ。


 邪神本人の魔力が凄いのか、依り代になったヴァリアブル王子様の魔力が凄いのかは分からないけど、技の研鑽による攻撃じゃなく、ただ単に出力を増やしていただけ。


 まぁ、それも動揺して見破れていなかったんだけど。


 でもそういう精神的状態は結構重要だったりする。


 戦争とかでも圧倒的不利な状況なのに、士気次第で戦況がひっくり返ったりするのと同じだ。


 今は邪神が只の転生者でチートスキルを使っていると分かったから、状況は逆転した。


「認めない……、認めない、認めない認めない認めてたまるか……! 妾は不死神Sunring! 死を超越し、世界に永劫に君臨する邪神なるぞ! 貴様らは妾に黙って跪いておればいいんだ!」


 これ以上、邪神のたわ言は効く必要はないね。


 そろそろ決着を付けようか。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ