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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第7章 闘え! 神に挑みし冒険者たちよ!
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086.一撃

 邪神が2本の大剣をエーデ師匠とジョーカーおじさんに向かってぶん投げてくる。


 エーデ師匠は鞭を振るい、ジョーカーおじさんは波紋を纏わせた手でそれを払いのける。


 そうして2人を牽制しつつ、再び地面に手をついて新たな武器を作り上げる。


 今度の武器は槍だ。


 邪神は槍を携え、狙いを僕に定める。


「ふっ!」


 邪神が繰り出す一撃は鋭く、【槍】スキルの【螺旋撃】の様だ。


 僕はその一撃を【回転】スキルで体を回転させながら、同時に剣を回転させつつその一撃をいなす。


 邪神にはそのつもりはないんだろうけど、回転技を使って僕を仕留めようとは随分と舐められたものだ。


 と、得意げに邪神の一撃を躱したかと思っていたのだけど、邪神は同時に魔法をも放っていた。


 邪神の背後から幾つもの火球が僕に向かって放たれていたのだ。


「うわぁっとっ!?」


 槍の一撃を躱した直後だったため、一瞬体が硬直した後で無理やり【回転】スキルで体を動かして火球を避ける。


 邪神は特に僕に固執している訳でもないので、槍の一撃を躱されつつもそのまま薙ぎ払いに移行する。


「そうら、神の一撃を喰らうがよい」


 どうやらそれはただの薙ぎ払いではなく、同時に【土魔法】を使った衝撃波を伴うものでもあったようだ。


 地面から土砂を噴出しながら衝撃波が牽制されていたエーデ師匠とジョーカーおじさん、最初の攻撃を躱していた僕を除いたパトル、モコ、『風雷姫』の3人に向かって吹き荒れる。


「ちぃ、あたしを守れ! 蟒蛇!」


 パトルは大蛇剣・蟒蛇を周囲に纏わせ土砂衝撃波を凌ぐ。


「【ストーンウォール】!」


 モコは【土魔法】で。


「【ウインドシールド】」


 『風雷姫』は【風魔法】の防御を。


 そうして動きを止めた3人に、邪神は足を鳴らし魔法を発動する。


 正面に気を向かせておきながら、足元からの【土魔法】【ストーンピラー】だ。


 今度は僕やエーデ師匠たち全員に向かっての地面からの一撃。


 僕はみっともないながらも転がる様に避け、警戒していたエーデ師匠とジョーカーおじさんは簡単にかわす。


 『風雷姫』も魔力纏装で身体強化しているので、寸でのところで【ストーンピラー】を躱す。


 避けられなかったのはパトルとモコだ。


「ぐぅう……!」


「きゃぁっ!」


 【ストーンピラー】の一撃を受けた2人は吹き飛ばされ、地面に転がされる。


「パトル! モコ!」


「今は2人の事より自分の事よぉ!」


 僕が2人の心配をして声を上げるが、エーデ師匠が今は自分の事を心配しろと声を荒げる。


 それもそのはず、邪神の槍の切っ先は再び僕に向いていたからだ。


「ギアを上げていくぞ。少しは抗って妾を楽しませるがよい」


 今度は一撃ではなく、連撃だ。


 1、2、3……くぅ、5連撃だ。


 僕は咄嗟にアイテムポーチからパチンコ玉を取り出し、【回転】スキルを加えた指弾を連続で放つ。


 勿論、それで邪神の5連撃を防げるわけではないが、軌道をずらすことは出来る。


 そうして軌道をずらした上で、僕は剣を振るい、隙間を作り上げそこに体をねじ込ませ致命的一撃を何とか躱す。


 邪神の宣言通り、息をつく暇もなく繰り出す攻撃は、段々と威力鋭さ供に増していく。


 時には1人を集中的に、時には全員を同時に、本当に攻撃の手を休めずに僕たち全員を相手しているのだ。


 ……あり得ないだろう!?


 いくら何でも依り代として人間の体を使っている以上、どこかで息をつかなければ体がもたないはずだ。


 それとも依り代だからこそ、体を無理やり動かしているのだろうか。


 邪神の連続攻撃を止める為にも、エーデ師匠や『風雷姫』がヴァリアブル王子様の体を厭わない攻撃を強いているんだけど、邪神はそれすらも余裕で凌ぎながらの連続攻撃を繰り出しているのだ。


 と言うか、エーデ師匠の無知攻撃は兎も角、『風雷姫』の【風魔法】や【雷魔法】を防ぐってどういうことだよ。


 あの人の魔法は、そんな簡単に防げるようなものじゃないはずなんだけど。


 ジョーカーおじさんだって時空波紋を使って瞬間移動もどきを使った攻撃をしているんだけど、それすらも防いでいる。


 最初に【ストーンピラー】を喰らったパトルとモコは、直ぐにモコの【治癒魔法】で回復して攻撃に加わっているんだけど、それでも邪神を押し切れない。


 まさに神の如く、だ。


 どうすればこの邪神に一撃を加えられる――?


 そう思いながら周囲に何か手はないかと見渡せば、僕たちの攻撃を離れたところで見守っているキュウベエの表情はとてもいい笑顔だった。


 ムカ。


 その笑顔、過ぎに歪ませてやるよ。


 そう、周囲に控えているのはキュウベエたち邪神側だけではないんだ。


 僕たちの攻撃は悉く防がれているけど、知覚の外からの一撃だったらどうかな?


 囮として、ジョーカーおじさんは時空波紋を起こす。


 邪神の注意はそちらへと向く。


 ジョーカーおじさんの時空波紋と同時に、反対側にもう1つの時空波紋が起こる。


 そこから飛び出してきたのはアリエスを乗せたマックスだ。


『ウォオオオオオオォンッ!!』


 背後からの一撃。


 それでも咄嗟に躱した邪神の反応は尋常じゃないよ。


 だけど、完全には躱しきれず、マックスの噛みつきは邪神の右腕を食い千切った。


「ぐぅっ!?」


「【ファイヤーボール】!」


 そして放たれる【極大魔力】で強化された制御無しのアリエスの魔法。


 ドゴウッ!!


 熱風を巻き起こし、邪神が火柱に包まれる。












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