表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第7章 闘え! 神に挑みし冒険者たちよ!
83/101

080.千載一遇

「助けに行くって、どうやって?」


『こうやって?』


 なんてことない様にナナ様を助けに行くと言うマックスにどうやってと問うと、前足を描くように宙に動かす。


 すると、空間がたわわんで波紋が起こった。


 時空波紋!?


「うおっ、これって時空波紋か? マックス、お前フェンリルじゃなかったのか?」


『フェンリルだよ。ただちょっと属性が普通と違うけどね』


 いやいやいや、神狼フェンリルの時点で普通じゃないから。


 だけどパトルの言う通り、神狼フェンリルには時空波紋を起こせるなんて聞いた事が無い。


「ナナ様を捜せるのです?」


『えっと、その人ってあそこのヴァリアブルって男の人の婚約者なんでしょ? あの人から女の人の匂いがするからそれから追っていけるよ』


 おおー! それならマックスにナナ様の救出を頼もう。


「よし、それじゃあマックスはナナ様を探して助け出してくれ」


『了解ー。ちょっと待っててね』


 そう言いながら、マックスは時空波紋を潜り抜けて空間を超えてナナ様を捜しに行った。


「いやー、まさかマックスにあんな能力が備わっていたとは。伊達にS級パーティーメンバーじゃないって事か」


「そうだね。ジル師匠も人が悪い。マックスに時空波紋を起こす能力があるのなら一言言って欲しかったよ」


「だけど、そのお陰でことがスムーズに運びそうでう」


「……いや、事はそう上手くいかないみたいだな。見ろ、邪教信者キュウベエたちの準備が整いつつあるみたいだぞ」


 アリエスに促されて見れば、確かにキュウベエは邪神復活の儀式の準備を終えつつあった。


 祭壇を保護していた結界は解除され、中に渦巻いていた魔力は祭壇の中心に集まりつつあった。


 そしてその祭壇の中心に、いつの間にか薬か魔道具で眠らされていたヴァリアブル王子様が横たわっている。


 他にも地面にはいくつもの魔法陣が書かれており、祭壇の周辺には儀式用の魔道具やら装飾が施されていた。


 後は邪神像を祭壇に添え、復活のための呪文を唱えるばかりの様に見えた。


「おい、ちょっとこのままマックスを待っていたらマズいぞ。どうする? やるか?」


「確かにマックスを待ってたら間に合いそうにないけど、だからってこのまま無防備に突っ込むのは悪手だよ。それにナナ様を盾に取られたら手を出せないよ」


 パトルは焦って今にも飛び出しそうだけど、僕はそれを押しとどめる。


「ふむ、儀式が始まれば貴族ナナ嬢の人質の価値は下がるだろう。それに、気付かれずに近づき王子ヴァリアブル氏を連れだせば問題はない」


「その気付かれずに近づくってのが難題じゃね?」


「なんだ、汝パトルよ。もう忘れたのか? 協力者サンドラの妹御ミッツを助け出した時、どうやって近づいた?」


 パトルはアリエスにそう言われ頭をひねる。


 そうなんだよね。


 あの時はニコライに掛けられた【存在の証明】の非存在を掛けられた僕がミッツを助けたんだ。


「あ! そうか、存在を忘れられるあれをかければ気付かれずに近づける!」


 そう、そして【存在の証明】を使えるのはなにもニコライだけじゃない。


「私が【存在の証明】で非存在を掛けて近づけば無問題(モーマンタイ)です」


「モコ、それって複数に掛けられる?」


「今の私では後1人が限界です」


「……よし、ヴァリアブル王子様を助けに行くのは僕とモコの2人だ。パトルとアリエスはここから援護を頼む」


 僕の作戦にパトルは不満を露わにするも、文句は言ってこなかった。


 パトルとしては前線に出て暴れたいんだろうけど、今回は隠密行動勝つ救出活動がメインだからね。


 それに、パトルには大蛇剣・蟒蛇があるからここからでも援護が可能だ。


「っと、あまり時間はないね。じゃあ行くよ。モコ、お願い」


 こちらで作戦を立てている間にも儀式の準備が終わり、最初からこの場で準備をしていた邪教信者が復活の儀式の呪文が唱え、儀式が始まった。


 キュウベエは術者から数歩下がった場所で儀式を見守っている。


 他の邪教信者や護衛としてきた邪教騎士は周辺で待機していた。


 そして僕とモコは、【存在の証明】の非存在を掛けて祭壇の中心へと向かう。


 いくら存在が無くなって見つからないだろうとしても、身を低くしながら迂回するように用心して近づく。


 あと数歩と言ったところで儀式を見守っていたキュウベエが声を発する。


「やはり来ましたか。ですが無駄な事です。誰にも儀式は邪魔をさせません。クーロン、ノウェム、ノネット、エニアド邪魔者を排除しなさい」


「「「「はっ!」」」」


 って、え!? 気付かれている!?


 邪教信者1人と邪教騎士3人が僕とモコに襲い掛かる。


 僕は咄嗟に剣で邪教騎士の攻撃を受け止める。


 モコも如意金剛・千変万化を剣に変化させ、攻撃を凌ぐ。


 だけど、なんか変だ。


 体の動きがどことなく違和感がある。


 モコの動きも精細さを欠いていた。


「……っ!? な、なんでです!? スキルが、スキルが発動しないです!」


 ……え? あ! 本当だ、【回転】のスキルが発動しない!?


 僕たちは何とか初撃を捌き斬り、何とか距離を取ってキュウベエたちと対峙する。


 くそっ、もうちょっとでヴァリアブル王子様の元へ辿り着けたのに。


「ここではスキルは使えませんよ。なぜなら、私のスキル【千載一遇】が効いてますから。スキルを無効化するスキル。それが私のスキル【千載一遇】の効果です」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] きゅーちゃんのあの切り札の使い手がこんなところに。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ