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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第7章 闘え! 神に挑みし冒険者たちよ!
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075.『爆弾魔』『天剣』『操り人形』そして『幻』

 僕たちがオズに連れてこられたのは、イーストザースディーンの中級区にあるちょっとした屋敷だった。


 ちょっと拍子抜けだ。


 世界に名声を轟かせるS級パーティーとしては大人しすぎるから。


「そんなに豪華な拠点は要らねぇんだよ。ずっとここに住むわけじゃないしな。要は体を休め飯が食える場所と資料やらアイテムやらを補完できる場所があればいいんだ。実際、この拠点を買ったのは3年前で、ここを使うのは2回目だな」


 そんな僕の考えを読んだかのように、オズがなんでこの程度の拠点なのかを教えてくれる。


「もしかして、こういった拠点はあちこちにあるの?」


「ああ、東大陸にはもう12個ぐらいあるな」


 前言撤回。


 ちょっと規模が違い過ぎるよ。


 流石はS級パーティー。


 僕たちはオズに促されるまま屋敷の中へ入る。


「あー! やっと帰って来たですです! 3日間どこをほっつきあるいていたのですです!?」


「うっせーな、ちびっ子。こっちも情報収集をしてたんだよ」


 リビングで寛いでいたドワーフの女の人が、オズの顔を見るなり食って掛かる。


 他にも、寡黙そうな男の人に、金髪ドリルヘアーのお嬢様も居た。


「その人たちは誰なのなの?」


ニコライ(邪教騎士)の邪神復活の儀式を止めた奴らだよ」


「え? もしかしてニコライ動いたなのなの!? ニコライは邪教信者の可能性は低かったはずですです。だから私たちも放置していたのですです」


「だが奴は邪教信者だった。それをこいつらが止めてくれたんだよ。で、俺はこいつらから邪教騎士の情報を聞きだしていた訳だ。遊んでいた訳じゃないぜ?」


 ドワーフの女の人は腕を組んで首を傾げる。


「それじゃあ、祭壇と生贄の巫女はどうやったのですです? あ! もしかして聖騎士に保護されていたと言う【神眼】スキル持ちが、なのなの!?」


「そう言う事だ。Alice神教教会預かりなら安心だと思い込んでいた裏をかかれた訳だ。ついでに祭壇も魔女の森の奥にあったらしいぜ。これも俺らの調査から漏れていた訳だ」


「むー、魔女の森はエーデリカさんのテリトリーだから後回しだったはずはず。これは仕方ないですです。【神眼】の巫女は誰が持ってきた情報でしたっけなのなの」


 あれ? エーデ師匠の名が出て来た。


 まぁ、魔女の森を拠点としていたから、名前が出てきてもおかしくないけど、なんか知り合いっぽい……?


 そんな僕の疑問を余所に、オズたちは話し合いを続けていく。


「俺だ。Alice神教教会預かりだから、詳細までは。俺のミスだ、スマン」


 寡黙そうな男の人が頭を下げる。


「まぁ、調べたのが剣バカなら仕方ないさ。と言うか、邪教騎士が聖騎士だと言うのを考えれば【神眼】の巫女を握っているって気が付かない俺らが間抜けだったんだよ」


「ニコライがやり手だったって言うのもあり得ますわ。あたくし達にその存在を気付かせないなんて、まずあり得ませんわ」


 金髪ドリルヘアーのお嬢様が憤然としながらもニコライの手腕を褒める。


 僕は金髪ドリルヘアーのお嬢様の言葉にニコライのスキルを思い出す。


「あ! ニコライのスキル【存在の証明】……!」


「ああ、俺もこいつらから邪教騎士の話を聞いたんだが、そのスキルの所為だな。俺らが見逃していたのは」


 簡単にだけど、オズはニコライの事件のあらましをドワーフの女の人たちに説明をする。


 僕はその間にオズのパーティーメンバーの名前を思い出す。


 ドワーフの女の人が【ボトルコレクター】の『爆弾魔(ボマー)』のララクレットかな?


 で、寡黙そうな男の人が【ソードコレクター】の『天剣』のアベレージ・アトランダムだと思う。


 金髪ドリルヘアーのお嬢様は【ドールコレクター】の『操り人形(マリオネット)』のフランチェスカ・ドトールっぽい。


 後1人、【ストーンコレクター】の『幻』のジルベールは不在みたい。


「厄介なスキル持ちなのなの。私たちでも対処できたかどうか怪しいところですです。そう考えれば彼らがニコライを倒してくれたのは僥倖ですです」


 そう言いながらララクレットは僕たちに向かって「ありがとう」と頭を下げる。


「いえ、そんな頭を上げてよ。ニコライと戦ったのだって成り行きな様なものだし」


「それでもですです。ですが、そうだとすれば彼が動き出したのは納得なのなの」


「お? ちびっ子。やっぱりこっちにも動きがあったのか?」


「ですです。オズさんが居ない3日間の間に彼が動いたなのなの。今、ジルベールさんが調べに向かっているですです」


 彼と言うのは、おそらくキュウベエの事だと思う。


 そっか、オズはザースディーンの町に居たから闘技都市セブスティティンでのキュウベエの事は知らないんだ。


「噂をすれば、ですわね」


 フランチェスカが視線で示した方には、いつの間にか1人の女の人が部屋の隅に立っていた。


 長身のくすんだ金髪をポニーテールにしている女の人だ。


 胸元には透き通った銀色の不思議な宝石が埋め込まれたペンダントがあるのが目を引く。


 と言うか、僕はその女の人を良く知っていた。


「え? もしかして……ジル師匠!?」


「あれー? ヴォル少年だー。久しぶりだねー。こんなところで何をやっているのー?」


 その女の人は、僕のもう1人の師匠。


 スキルの師匠であるジル師匠だった。


 ……あれ? ここにジル師匠が居るって事は……、ジル師匠って『幻』のジルベールって事!?












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[一言] ヴォル、ジル師匠が幻のジルベールだと知らなかったのか。
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