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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第7章 闘え! 神に挑みし冒険者たちよ!
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073.S級パーティー

 クロム・ハートから情報を貰い、冒険者ギルドに戻ってきたんだけど……なんだか騒がしいな。


 興奮しているような、浮ついているような、怯えているよな、そんな雰囲気が冒険者ギルド内に漂っていた。


「なんかあったのかな……?」


 僕はすぐ傍の若い男の冒険者に何かあったのか聞いてみる。


「物スゲェ人物がイーストザースディーンの冒険者ギルドに来たんだよ」


「物スゲェ人物?」


「ああ! 冒険者ならだれでも知っている憧れの人たちだよ」


 誰だろ?


 有名どころの冒険者は何人かは居るけど、ここまで騒ぎ立てるような冒険者っていたっけ?


「ちょっと興味あるな。覗いていくか?」


 僕がその冒険者について考えていると、いつの間にか戻ってきていたパトルが話しかけてくる。


「パトルも戻ったんだね。その冒険者はちょっと気になるけど、今はハチェットの方が先だね。こっちは急いだほうがよさそうだし」


「だな。あたしが聞いた話だと、このままだと行方が掴めなくなりそうだしな」


 僕たちはモコとアリエスたちとの待ち合わせ予定の冒険者ギルドに併設された、酒場のいつものテーブルに向かう。


 だけどその前に、受付嬢のタンジェさんに引き留められてしまった。


 周囲の冒険者同様、どこか興奮しているように見えるのは気のせいかな?


「ああ! ヴォル君! 待ってたのよ! ヴォル君に会いたいって人が来てるの! その人はなんと! S級パーティーの人なのよ!」


 S級と聞いて、僕たちは思わず身構える。


 S級冒険者『風雷姫』イチカ・ファーストクラスと戦ったのは、まだ新しい記憶だ。


 そんな僕たちの心情はお構いなしに、珍しくタンジェさんは僕たちを強引にそのS級冒険者に会わせようとする。


「こっちよ、こっち! 随分と前から待っているから気を悪くしていないかしら」


「なんだよ、あたし達がいつ戻ってくるかもわからないのに、ギルドで待っていたのかよ」


「そうなの。私も、暫くザースディーンを離れているからって言ったんだけど、それでも待つって」


 随分と気の長いS級だね。


 一応、決闘騒ぎで暫くザースディーンの町を離れる事をタンジェさんに伝えてはいたんだけど、それは本当にいつ戻って来れるか分からなかったからだ。


 なんせ貴族がらみの決闘だしね。


 事実、ただの貴族の決闘では収まらず、結果として邪神教とのいざこざに巻き込まれた形になる。


 ……この場合は、いざこざに首を突っ込んだって言った方が正確かな?


 ともあれ、本当にいつザースディーンの町に戻ってこれるか分からなかったのに、それでも待つと言っているそのS級は変わり者だ。


 尤も、S級冒険者は変わり者が多いけど。


 タンジェさんがギルド内の奥の重要な会合などで使う部屋に僕たちを案内する。


 こんな奥の部屋に連れてこられるなんて初めての事だ。


 それだけこの部屋の中に居るS級冒険者は重要人物と言う事だろう。


「お待たせしました。『躍る冒険者ダンシングアドベンチャー』のヴォル君とパトルさんをお連れしました」


「おお! 待ってたぜ。お前さんがニコライを倒したドリルボーイか。で、そっちの相方が大剣二刀流使いの脳筋ちゃんか」


 部屋の中で待っていたのは商人風の衣装に身を包んだ人懐っこい男の人だった。


 但し、口が悪っぽい。


 初対面の僕をドリルボーイなんて呼ぶし、パトルに至っては脳筋ちゃんだ。


 確かに、パトルはどちらかと言えば力で解決しような節があるけど、正面と向かって脳筋ちゃんは無いと思う。


 やっぱりS級冒険者は変わり者が多いみたい。


 って、あまりの口の悪さに聞き逃しそうになったけど、この人今、ニコライって言ったよね。


 ニコライの事件を知っているって事は、もしかして邪神関係の事で待っていたのかな?


「えっと、『躍る冒険者ダンシングアドベンチャー』のヴォル・ヴォイドです」


「パトル・バトル・ハドルだ」


 脳筋ちゃん呼ばわりされたパトルは、挑戦を受けたとばかりに不敵な笑みを浮かべていた。


 ……頼むから喧嘩を吹っ掛けるような真似はしないでよ?


「おう、俺はオズだ。ランクはS級。二つ名は『錬金』。所属は『収集家の集い(コレクターズ)』だ」


 …………………………は?


 え? え? え? ちょっと待って。


 『収集家の集い(コレクターズ)』って、世界で唯一S級冒険者で構成されたパーティーだよね!?


 そう言えば、さっきタンジェさんがS級パーティー(・・・・・・)だって言ってたっけ。


 『収集家の集い(コレクターズ)』が有名なのは、全員がS級冒険者だけだって訳じゃない。


 メンバー全員が使えないとされていたコレクター系のスキル持ちで、彼らが名を馳せたのは魔王を討伐した勇者と供に戦ったパーティーであり、邪神大戦で最も活躍したパーティーでもあるからだ。


「なんでそんな有名人があたし達に……」


 流石のパトルも超有名人を目の前に、呆然としながらも質問をする。


 いや、オズさんが『収集家の集い(コレクターズ)』なら僕たちを訪ねて来た理由が分かる。


 さっきも言ったように、邪教関係についてだろう。


「なぁに、大したことじゃないさ。お前らが倒した邪教騎士――ニコライって言う邪教信者についてちょっと話を聞きたくてね」












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― 新着の感想 ―
[一言] オズ登場。ということはジル達も街にいるのか。
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