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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第6章 示せ! 貴き血脈の誇りを!
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069.邪神分体

 最早既に人じゃなくなったハチェットが、立会人に向かって膨れ上がった腕を振り下ろす。


「ちっ!」


 僕が助けるまでもなく、立会人はハチェットの攻撃を躱しながら宣言をする。


「エイスベル子爵の違法アイテムの使用により、この決闘はヴォイド準男爵の勝利とする!」


 ちょっと予想外の結果だったけど、これでハチェット――エイスベル子爵家にロクウェル様を狙われることはなくなったよ。


 まぁ、当の本人はそんなのは気にしなくなってしまったけど。


「っと、決闘は決着ついたけど、これを何とかしないと」


 ハチェットの膨れ上がった体は3mもの高さになり、元々手に持っていた剣は対比でショートソードの様に見える。


 錯覚で小さく見える剣を振り回しながら、ハチェットは近くに居る僕と立会人を攻撃してくるけど、理性を失った攻撃は躱すのは容易い。


 なので、攻撃をする隙はいくらでもあったので、カウンターを幾らか決めているんだけど、その傷は直ぐに塞がっていく。


「うーん、やっぱり同じかー」


 邪神――不死神の名の通り、邪神のアイテムの使用者に不死身の体を授けるみたいだね。


 とは言え、本当に不死身になる訳じゃないはず。


 これまでに邪神のアイテムを使用した人はいるだろう。


 本当に不死身になるんだったらアイテムを使用した人達は今もどこかで不死身となって存在し、その事件とか聞こえてきているはずだ。


 そんな事件は聞いた事が無いので、不死身になると言うのは錯覚だ。


 おそらく、超回復能力とかそう言う再生系がずば抜けているんだろう。


 怪物となったハチェットを倒すには、その再生力を上回る攻撃が必要だ。


「警備兵! 騎士団の出動を要請しろ! 天の闘技場にて決闘者の怪物化が発生した! 至急速やかに討伐を求むと!」


 立会人は怪物ハチェットを制圧するため闘技場に詰めている警備兵に指示を出していく。


 ならば僕の役割は、闘技都市セブスティティンの騎士団が来るまでにこの怪物ハチェットを押しとどめておくことかな。


 怪物ハチェットが腕を振りかぶり――持っていた剣は既に粉々になっている――僕に振り下ろそうとするが、その腕に分割された剣が絡みついていた。


 パトルの大蛇剣・蟒蛇の蛇腹剣モードだ。


 怪物ハチェットは止められた腕を力任せに引っ張り、パトルはその力と蛇腹モードを元に戻す力を利用して僕の隣に降り立った。


「よう、決闘は決着ついたみたいだし、あたしが参戦しても問題ないよな?」


「寧ろありがたいね。これを僕1人で押しとどめるのに、ちょっとばかし苦労しそうだったからね」


「はは、あたし達はパーティーなんだ。助けるのは当たり前だろ」


 そう言って、パトルは観客席からこちらへ向かってくる2人を見る。


 モコとアリエスだ。


 アリエスは通常よりも幾分大きい(とは言っても、1つで1mもの大きさ)【ファイヤーボール】を4つ携えて、怪物ハチェットへと狙いをつける。


 モコも、アリエスの攻撃の援護として、【ウインドエッジ】で怪物ハチェットの脚を切り裂き動きを阻害する。


 ドドドドドッ!


 アリエスの【ファイヤーボール】が炸裂し、怪物ハチェットが炎に包まれる。


「ふむ、先ほどまでの様子を見る限り、これでも倒せはしまいだろう」


「一体何のアイテムを使ったのです? 普通じゃあり得ない変化です」


 あー、そうか。


 モコたちには僕とハチェットの会話は聞こえてないから何のアイテムを使ったか分からないか。


「邪神のアイテムを使用したみたいだよ」


 僕の言葉にパトル、モコ、アリエスが驚いた顔を見せるも、直ぐに納得した。


「なるほどな。化け物じみた再生力も頷ける」


「ここでまた邪神ですか。あまり嬉しくない因縁です」


「む、だが全く無意味なわけじゃなさそうだな。見ろ、再生力が落ちている」


 アリエスの言葉に僕は怪物ハチェットを見る。


 うん、確かに僕が付けた傷よりも、アリエスがぶつけた【ファイヤーボール】の方が傷の直りが遅い。


「火が効果的みたいだな。だったら……魔剣・炎武帝! 炎よ踊れ!」


 パトルが持つ魔剣・炎武帝が刀身に炎を纏う。


「おらぁっ! 【三連十字斬り】!」


 体を回転させながら、魔剣・炎武帝と大蛇剣・蟒蛇の十字斬りを怪物ハチェットに3回たたきこむ。


 燃やしながら斬りつける。


 思った通り火の攻撃は効果的で、明らかに傷の直りが遅くなっていた。


「よし、僕とモコはパトルの援護だ。アリエスは隙があり次第【ファイヤーボール】で怪物ハチェットを火だるまにして」


「分かったです」


「了解」


 モコも【ものまね師】を使えば火を使った攻撃も可能だけど、この場合はパトルを自由に動かした方が効果的だ。


 寧ろ、【ものまね師】は応用が色々利きやすいのでサポート向きだから、こっちの方がモコに合ってたりする。


「おおおおぉれrrrrrれsssssさsままmmmままmmに、sssssさかららrrrrううなnnnぁ!!」


 生前の意識がまだ残っているのか、まだ権威を振りかざそうとする怪物ハチェットは火傷で直りが遅くなった傷を、強引に治しながら攻撃を仕掛けてくる。


 しかもその再生の際、まだ体の変化が完了していないのか、まだ体が肥大化していた。


 ちょ、どこまで大きくなるんだよ。


 と言うか、その質量とかエネルギーとか何処から来てるんだ?


 邪神のアイテムだからと言えばそれまでだけど。


 まぁ、それは倒した後で考えればいいか。


 今は、怪物ハチェットを倒す方法を考えないと。












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