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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第6章 示せ! 貴き血脈の誇りを!
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067.VSハチェット

「くらえぇぇぇっ!!」


 決闘開始の合図とともに、ハチェットが一直線に剣を立てて僕に向かってくる。


 今回の決闘は決闘法の1つである何でもあり(バーリトゥード)であり、「降参」か「気絶か死亡」、「立会人の判定」のみの決着となっている。


 その為、この決闘で使う武器も真剣使用が可能となっており、ハチェットの持つ剣も真剣で、マジで僕を殺しに来ていた。


 まぁ、愚直な丸見えの攻撃は当たるはずもないので、僕は軽くサイドステップでハチェットの攻撃を躱し、カウンターで突きを放った。


「うおぉぉっ!?」


 腐っても【剣術】スキルを持っているので、ハチェットは辛うじて僕の突きを躱した。


「ちっ、下等な地を這う蟲の癖しやがって、俺様の攻撃を躱し、あまつさえ反撃するだと……? 万死に値する!」


 相変わらず僕の事(冒険者)を見下しているなぁ。


 その後も攻撃を繰り出してくるハチェットだったけど、怒り任せな為か精度はお世辞にもいいとは言えない。


 僕は決闘前の、ヴァリアブル王子様の言葉を思い出す。







「決闘は何の心配もしなくていいぞ。あの貴族(バカ)のスキルは【剣術】スキルだ。しかもスキルに依存して、スキル任せの攻撃しかしてこないからな」


「えーと、決闘を仕掛けてくるんですから、何か秘策とかあるんじゃないんですか?」


「ははっ、無い無い。決闘で勝てる要素があるんだったらヴォルが居ない隙を狙って決闘なんてしかけてこないよ」


「おまけに訓練と称して自分より弱い人をいたぶる事しかできない情けない人ですわ。そんな人が決闘で勝てるわけないですわ!」


 ヴァリアブル王子様に続いてヴィスクドール王女様も、ハチェットの評価は最低変なものだった。


「精々、決闘の立会人に握らせて不正を行う程度じゃないか? まぁそれも、闘技都市で行うように手配するからそんな不正も出来ないがな」


 どうやらヴァリアブル王子様は僕が決闘に出ると決まると、相手の有利にならないように動くみたい。


 闘技都市セブスティティンはその名の通り、幾つもの闘技場を持っていて幾つもの決闘やら剣闘などを行っている町だ。


 その為、決闘の管理には最も信頼が置けるので、他の町の貴族やら商人やら冒険者やらが闘技都市で決闘などを行っている。


「ま、唯一の不安があるとすれば、あの貴族(バカ)は鋼斬剛剣流の使い手だって言うくらいだが……、ヴィヴィの言う通り、自分より弱い奴しか相手してないからまともな腕じゃないだろう」


「はぁ……」


 ヴァリアブル王子様はかなりハチェットを下に見ているけど、万一と言う事もあるから情報はもっと欲しいところだ。


 その鋼斬剛剣流の使い手だって言うのは結構重要な情報じゃない?


 まぁ、鋼斬剛剣流の使い手と言う以外、重要な情報はなかったけど。


「あの、ヴォル様。エイスベル子爵が相手とは言え、無茶はしないでくださいね……?」


 僕との婚約が決まった時から頬を染めながら僕を見ていたロクウェル様が、心配そうに声を掛けてきた。


「あ、は、はい。大丈夫です。話を聞いた感じじゃ冒険者で言えばD級くらいですので、僕に掛かれば完勝ですよ」


「それでも、心配で。巻き込んでおきながらこんなことを言うのはおかしいですけど」


「ははは、まぁ、最後には僕が決めたことでもありますから……うぐっ!?」


 などと、ロクウェル様と会話をしていると、横に座っているパトルが思いっきり肘鉄を喰らわせてくる。


 なんだよ、もう。


 そりゃあ確かに僕が貴族となってロクウェル様と婚約したのは突然な出来事だったけど、ヴァリアブル王子様が命と寿命を使ってそこまでしてくれたんだぞ。


 ちょっと仲間(主にパトル)との不穏な雰囲気を残したまま、僕はヴァリアブル王子様たちとともにハチェットとの決闘に備えた。







「こんな奴相手に使うとは思わなかったが仕方がない。俺様の鋼斬剛剣流の技を見せてやろう!」


 お、ここでやっと流派の剣を見せてくるか。


 ヴァリアブル王子様とヴィスクドール王女様の事前情報通り、ハチェットの剣は大したことが無かった。


 ここで鋼斬剛剣流の技を繰り出したとしても、それほど違いはないと思う。


 とは言え、油断はできないから慎重にハチェットの動きを観察する。


「これを喰らってまともに居られるといいな。くらぇぇ! 鋼斬剛剣流・烈火剛剣斬!!」


 剣から火を吹き出しながら鋭く思い一撃を放つハチェット。


 ……あれ? 確か烈火剛剣斬の烈火と言うのは激しいという意味合いで、火なんか吹かないはず。


 あ、よく見れば剣に細工がある。


 あー……、これは本当に大したことが無い実力で、鋼斬剛剣流も上辺だけの習得だね。


 本人は鋭い一撃のつもりの攻撃も、僕は【回転】でいなして攻撃を素通りさせる。


「う、おぉっ!?」


 標的が無くなって思わずたたらを踏んだハチェットに向かって、僕はこの茶番を終わらせるため、『ギジ・スラッシュ』を打ち込んだ。


「せいやぁぁぁぁぁぁっ!」


「がふっ!?」


 僕を舐めていたからか、はたまた貴族の矜持なのか、鎧を着こんでこなかったハチェットに大きな傷がつけられる。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 痛い!? 痛い痛い痛い痛い! ああ、あああああああ、血が、血があぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 普通ならここで決着なんだけど、これは決闘法に則った決闘なんだよね。


 決着の仕方は「降参」か「気絶または死亡」、「立会人の判定」のみ。


 ハチェットは降参を言う気はなさそうだし、立会人の判定は……今のところはまだいう気はなさそう。


 となれば、後は気を失うように仕向けないといけない、か。


 うーん……、死なないように手加減して気を失わせるのは、手間取りそうだなぁ。












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