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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第6章 示せ! 貴き血脈の誇りを!
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065.解決の一手

 まぁ、竜王国の王家とシクスセクス家に関わる問題は分かった。


 解決策が見出せなければ、将来各地の民に悪政が強いられるのは目に見えている……んだけど、僕たちにはどうしようもない事でもある。


 これは貴族としての問題であり、一般平民である僕たちに手出しできることじゃないから。


「はぁ、ヴォルが弟のヴォルだったら全部が解決だったんだがなぁ」


「そうですわ。ヴォル兄様がヴォル兄様だったらよかったのにですわ。と言うかロクウェル義姉さま、もうここに居るヴォル兄様が婚約者で良くないですか?ですわ」


 なんかとんでもないことを言い出したよ、ヴィスクドール王女様は。


 僕とヴォルテクス王子様を完全にごっちゃにしているし、ただの冒険者が貴族様と婚約なんてあり得ないんだけど。


 だけど、その言葉に反応したのはヴァリアブル王子様だ。


「……ヴォルが婚約者。そうか、その手があったか! ヴィヴィ、ナイスだ。ロクウェル、お前はこのヴォルの事を好きか?」


「こんなことを言うのも不謹慎かもしれませんが、このヴォル様をも好ましく思っております。私にはヴォル様が婚約者のヴォル様に思えてならないのです」


「そうかそうか。ならば今からこのヴォルがロクウェルの婚約者だ。いや、正確には5年前から、だな」


 …………っ!?


「ちょっ!? ヴァリアブル王子様!? 一体何を……!?」


「はぁぁぁっ!? ヴォルに婚約者だと! ダメだ! そんなのダメに決まっているだろ!」


 僕とパトルの抗議をどこ吹く風で、ヴァリアブル王子様は僕をロクウェル様の婚約者にした理由を話す。


 因みに、モコとアリエスも驚いてはいたものの、何故かパトルの方を心配そうに見ていた。


 ヴァリアブル王子様の解決策は以下の通り。


 5年前、行方不明になっていたヴォルテクス王子様を探して見つけたのが冒険者を目指していた僕で、ロクウェル様はヴォルテクス王子様にそっくりな僕に惹かれる。


 僕もロクウェル様を好きになり、互いに結ばれることを望むも、それは身分の違いにより引き裂かれた恋となる。


 だけど僕は将来冒険者として名声を得て、貴族の地位を賜り必ず迎えに行くと約束する。


 ロクウェル様は自分の両親と竜王国王家を説得し、ヴォルテクス王子様を忘れたわけではないが、僕との婚約を認めてもらう。


 と言うか、僕の正体はヴォルテクス王子様であり、何らかの理由で記憶・記録共に齟齬が生じているのではないかと認識する。


 とは言え、5年前時点では僕は平民であることから、公式には婚約者として公表はせずに、密かに婚約者となる。


 表向きは行方不明となったヴォルテクス王子様を婚約者とし、真の婚約者は僕と言う訳だ。


 幸いと言っていいのか、名前も同じヴォルなので他の貴族の目を欺くことが出来たと。


 そして現在、僕はザースディーンの町に蔓延っていた大盗賊団『十三番目の狐』の討伐と、邪教信者による邪神復活の阻止という偉業を成し遂げた。


 この功績をもって僕は準男爵となり、れっきとした貴族としてロクウェル様を迎え入れることが出来ると。


「と言う訳だ。これならあの貴族(バカ)の決闘にヴォルを出しても問題はない」


「いやいやいや、問題大ありでしょう!?」


「そうだ! なんでヴォルが貴族の決闘に出なきゃならないんだ! ヴォルに何のメリットもないだろ!」


 パトルさん、違う。そこじゃない。


 あ、いや。僕が決闘に出るのも問題だけど、僕がロクウェル様の婚約者になるんだよ。


 いくら僕を好ましく思っているからって迷惑じゃ……


 そう思ってロクウェル様を見れば、何故か顔を真っ赤にして僕を潤んだ目で見てくる。


 あ、ダメだこれ。


 僕が言うのもなんだけど、これ恋に落ちている表情じゃない?


 いいの? それで。


 ヴォルテクス王子様に申し訳ないとかないのか?


「確かにそれでしたらあの方の追及も躱しやすいですわ。ナナ義姉さまを追いかけて東大陸に来たのが3年前。ロクウェル義姉さまに鞍替えしたのが2年前。その時点で既にヴォル兄様が婚約者としていたので嘘は言ってないですわ!」


 確かに時系列で見れば文句のつけようもない解決策だけど、問題は2つ。


 1つは、いくら何でも言葉だけで婚約者が決まる訳じゃないので、正式な書類もなしに5年前から婚約者だったと認められないのではないか。


 その疑問はアリエスも思ったらしく、そこを指摘する。


「ふむ、確かに貴族の間ではそのような後付けのような契約があってもおかしくはないが、これは流石に調べればバレるのではないか?」


「大丈夫だ。そこは俺のスキルがある。俺のスキルは【神の覚書】だ。このスキルは色々制限があるが、過去の事象を書き換える力がある。このスキルで5年前に冒険者ヴォルがロクウェルの婚約だった(・・・)ことにする。そうすれば書類も自然に揃う(・・・・・)だろう」


 ちょっ!? 何そのチートスキル!?


「可能なのか?」


「ええ、ヴァリアブル様のスキルにはそれだけの力があるです」


 アリエスは隣のモコにヴァリアブル王子様のスキルの力を確認する。


 【ものまね師】でスキルを物真似するモコにはその真偽が確かめることが出来る。


 モコは難しい顔をしながらも、過去改変が可能だと認めた。


「よし! これで問題は解決だ!」


「解決してねぇよ! このクソ王子! なにヴォルを勝手に婚約者にしてんだよ!」


 ヴァリアブル王子様とヴィスクドール王女様は問題がこれで解決したと満面の笑みを浮かべ、ロクウェル様は恥ずかしさのあまり赤面して俯いている。


 パトルは納得がいかないとばかりに捲し立てるし、アリエスは上手い解決策だと頷き、モコはこれでいいのかなぁと疑問を浮かべるも、貴族には逆らえないのか黙っていた。


 そう、もう1つの問題は、僕の意思がスルーされているって事。


 あとついでに言えば、もう既に決闘に勝った気でいる事だね。












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[一言] パトル大慌て。
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