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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第6章 示せ! 貴き血脈の誇りを!
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062.証拠と問題

 僕は改めてロクウェル様とヴィスクドール王女様を見る。


 ロクウェル様は、金髪碧眼でやや釣り目だけど終始にこやかな表情が穏やかな雰囲気を醸し出している。


 ……なぜか今はその笑みが背筋が凍るように感じるのは気のせい?


 背は僕と同じくらいで、ボンキュッボンとスタイルもよくておっぱいも大きいけどパトルと比べるとそこまでではない。


 美少女と言えば美少女なんだけど、普段パトルを見慣れている僕としてはそこまで畏まるほどの美少女とは思えない。


 もう1人のヴィスクドール王女様は、黒髪黒目と確かにどことなく顔立ちが僕と似ている。


 10歳くらいに見えてまだ幼い顔立ちだけど、将来美人になることは間違いない美少女でもある。


 おっぱいは流石にそこまで大きくなく、将来に期待である。


 そんな2人が僕を兄や婚約者だと信じて話してくるんだけど……


 うーん……、これ真実を告げるのはかなり酷な気がするなぁ。


「あのー……、僕の事をヴォルテクス王子様だと言う前提で話が進んでいる気がするんですけど、僕、ヴォルテクス王子様じゃありませんよ」


「そんなことは無いですわ! ヴォル兄様は間違いなくヴォル兄様です! 血の繋がった私にはわかります」


「そうですね。ここまで条件がそろっていて、違うと言う事はないでしょう。寧ろなぜそこまでヴォル様が王子であることを否定するのかの方が分かりません」


 まぁ、確かに物凄い奇跡のような確率で僕がヴォルテクス王子様である条件が揃っているけど、ただ1点だけが違うんだよ。


 そしてその1点が、僕がヴォルテクス王子様と違う決定的な点でもある。


「僕の出身はフィーフスディルン村です。でも生まれは港町フォルスです。そこでAlice神教教会にちゃんと生誕の記録として戸籍が載っています」


 僕のその言葉に2人はピシリと固まる。


 流石にこればかりは否定しようにも否定できない証拠だからだ。


 僕が東大陸の玄関口でもある港町フォルス生まれなのは、Alice神教教会が証明してくれる。


 つまり、僕は西大陸の竜王国ヴェルザンディ生まれじゃないから、ヴォルテクス王子様じゃない証明でもある。


「そ、そんな……。Alice神教教会の記録が間違いじゃ……。いえ、それはあり得ませんね」


「え? そんな、それじゃあヴォル兄様はヴォル兄様じゃないの……?」


 ロクウェル様はAlice神教教会の記録間違いを指摘するも、直ぐにそれを否定する。


 それだけAlice神教教会の信頼度は計り知れないからだ。


 ……尤も、最近少しだけその信頼度は揺らいでしまったけど。


 ヴィスクドール王女様は僕がヴォルテクス王子様じゃない事に動揺している。


「ふむ、ヴォル王子は東最速の開拓村のフィーフスディルンの出身か。それならば、港町フォルスからフィーフスディルン村に向かうまでに入れ替わったと言う事はあり得るんではないか?」


 だから僕は王子様じゃないって。


 モノクローム様は僕が開拓村への移動途中でヴォルテクス王子様と入れ替わったんじゃないかと疑っているけど、それだと誰がどうやって入れ替わらせたんだと言う疑問も残る。


 まぁ、ヴォルテクス王子様が唐突に行方不明になった原因もはっきりしていないんだけど。


「あり得ません。間違いなく、僕はお父さんとお母さんの子です。港町フォルスに居たのは3歳くらいまでですが、フォルスに住んでいた時の記憶もありますし、フィーフスディルン村に向かう途中の旅の記憶もあります」


 ヴィスクドール王女様とロクウェル様がモノクローム様の入れ違いの可能性を示唆した時は希望が見えたと喜びを露わにしたけど、間髪入れずに僕がそれを否定すると再び落ち込んでしまった。


 パトルはそれを見ては得意満面の表情を浮かべる。


「うむ……、そうすれば困ったな。ヴォル王子が見つかった事で問題が解決したと思っていたんだが……」


「問題、ですか?」


「私や太陽王国ではなく、ロクウェル嬢やヴィスクドール嬢、引いては竜王国に係わる問題でな」


 あ、これ聞いちゃいけない奴だ。


 おそらく貴族とか王族に関係する平民は関わっちゃいけない問題だ。


「失礼ですが、なぜモノクローム様はそこまで今回の事情に詳しいのです?」


 それまで状況を見守っていたモコがここで口を挟んできた。


 確かに、いくら何でもモノクローム様は今回の事情に詳しすぎるよ。


「先ほど太陽王国の問題ではないとは言ったが、影響はあると言う事だ。シクスセクス家の子孫繁栄の影響力は君たちが思っているよりも大きいのだ。我が太陽王国もその影響を受けている。それが今回の問題で、悪い方に向きそうなのだ」


 シクスセクス家の娘が嫁いだ先の貴族の家は必ず繁栄するって言ったっけ。


 それが悪い方へ向くと言う事は……、悪者、あるいは評判の良くない貴族の家に嫁いじゃうって事かな?


「それが、ヴォルさんがヴォルテクス王子様だと解決した、と言う事です?」


「は……い……。ヴォル様が行方不明になっていたヴォル様で、ヴォル様の武勇があれば問題は解決していました」


 ロクウェル様が気落ちした声で答えてくる。


 って、なんか聞き捨てならない言葉も出て来たよね?


 武勇って何?


 何か武勇を振るう必要がある問題って事?


 ……でもまぁ、僕はヴォルテクス王子様じゃないから関係ないよね!












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