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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第5章 暴け! 闇に潜みし邪教徒を!
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055.生贄

「なるほどな。あたし達と一緒にニコライの野郎を狙っていたのは、妹が捕まっていたからか。確かに2人より3人、6人の方が助けられる確率が高くなるからな」


 祭壇に横たわっているサンドラの妹を見ては、納得したパトルはそう呟く。


「まぁそれもあるが、サンドラのスキル【サードアイ】の【神託眼】でヴォルと行動した方がいいって出てな」


「僕無しじゃ妹さんを助けられない、と?」


「そこは良く分からないのよ。【神託眼】は元々直接的な事じゃなく、曖昧な表現が多いからね。ただ、貴方を助けることがミッツ――妹を助ける事に繋がるって神託だったの」


「【神託眼】か。あのスキルによってもたらされた神託はまず間違いはない。仲間ヴォルと一緒に居る事で協力者サンドラの妹御が助けられるのならその通りなのだろう」


 どうやらアリエスが【神託眼】の事を知っていたらしく、その確実性を証明してくれる。


「あれは、生贄にされようとしているの……?」


「うん。邪神の復活には邪神像のほかに、或るスキルを持つ乙女の生贄が必要な見たいなの。その条件に合ったのがミッツだったの。2年前、ミッツが攫われてから私はずっと探したわ。そしてようやく見つけた。これが最後のチャンスでもあるの。お願い、力を貸して」


 サンドラが沈痛な表情で頭を下げてくる。


「勿論協力するよ。サンドラとヨンタナには助けてもらった恩があるからね。それに……ミッツを助ける事でニコライに一泡吹かせられるんなら尚更だね」


「ミッツさんを助ける事で邪神の復活を阻止できるのなら、助けるのも吝かではないです」


「吾輩は、邪神復活の儀式に興味あるが、まぁ、それは敵ニコライを倒してからでも十分だ」


 ……ちょっと、邪念が入ってないかな? アリエス。


「なんだよ。あたしもお前の妹を助けるのには賛成だぞ。尤もニコライの野郎をぶっ潰すついでだけどな」


 パトルさん、ツンデレ入ってまーす。


「……ありがとう」


「俺からも礼を言わせてくれ。ようやく見つけたミッツを助けるのに、確実にしたいからな」


 成り行きでヨンタナ達と臨時パーティーを組んだんだけど、僕たちの中にはここで見捨てると言う事を言う人はいない。


 そんな協力的な僕たちにサンドラは少し涙目に、ヨンタナは有難いと頭を下げる。


「いいって事よ。で、結束が固まったところでどうする? 今なら奴らも準備に夢中で奇襲には持って来いだけど」


「確かに奇襲にはおあつらえ向きだが、流石にあそこまで行くのに気が付かれぬか?」


 アリエスの指摘通り、中央には祭壇がありニコライ達が準備に集中しているけど、そこに至る道はかなり拓けていて丸見えなのだ。


「こういう時は【隠密】や【影潜行】とかのスキルが欲しくなるな」


「【迷彩】とか【透明化】とかな」


 確かにヨンタナやパトルの言う通り、気付かれないで移動したいときは欲しいスキルだよね。


 ん? 気付かれない?


「……あ、何だよ。持って来いのスキルがあるじゃないか。我が軍には」


「我が軍って……」


「ふむ、仲間モコの【ものまね師】による【石法師】の事だな。仲間パトルよ」


「正ー解ー!」


 あー! 『十三番目の狐』の頭領カウボーイのスキル【石法師】か。


 確かにあれならニコライ達に気付かれずに近づくことが可能だ。


 と言うか、そのまま暗殺もしちゃえるんじゃ?


 【石法師】の【路傍石】は暗殺向けのスキルだしね。


 僕はモコのスキルを良く知らないヨンタナ達に簡単に説明をする。


「って、何だ余所のスキル。反則(チート)だろ!?」


「そっか。だからさっきから私達のスキルの理解が早いわけね」


 こんなに便利になったのはつい最近なんだけどね。


 大器晩成型過ぎるよ、【ものまね師】。


「それじゃあ、私が【路傍石】で隠れながらミッツさんを助けつつ、邪神像の破壊、ニコライ達を仕留めればいいのですね?」


「出来ればあたしの手でニコライをぶっ飛ばしたかったけど、まずは人の命が優先だからな。ニコライをぶっ飛ばす役はモコに譲るぜ」


「お願い。ミッツを助けてください」


「頼む。それが最善の手なら、あんたに任せる」


 モコに託す。


 でも、何か忘れているような?


 【路傍石】以外にも近づく手段があったと思ったんだけどな。


 そんな僕の疑問を余所に、モコが【路傍石】を使いニコライ達に近づこうとする。


 だがその前に、アリエスが待ったをかけた。


「待て、汝モコよ。どうやら吾輩たちは周囲の調査を怠ったようだ。見ろ、祭壇を中心に魔法陣が展開している。巧妙に隠されてはいるがな。あれは侵入を阻むと同時に注意(アラート)を促す結界だ。あのまま近づけば逆に手痛い反撃を受けていただろう」


 ……あ、確かに。


 よく見れば魔法陣が敷かれている。


 【路傍石】は確かに周囲の人に認識されなくはなるけど、そこに存在するのは間違いないから。


 だから、そのまま無警戒に魔法陣の結界に近づけばヤバかった。


 そうだよ。いくら何でも無防備に構えている訳ないじゃん。


 僕たちが追いかけてくるのも警戒しているだろうけど、それ以外の追手や本当の聖騎士を警戒して当然だ。


 何故なら、ニコライ達がやろうとしているのは女神Alice様に仇を成す邪神の復活なのだから。


「やべー、危なかった。……でもどうする? 【路傍石】が効かないんじゃ、どうやって近づく?」


「見えなくなるだけじゃなく、魔法陣にも反応しない方法か。と言うか、そんな都合のいい方法があるか!」


 ああっ! ヨンタナが逆切れを起こしちゃった。


 まぁ、一度は【路傍石】で行けるとぬか喜びをさせちゃったからね。


 でも確かにそんな都合のいい方法、または存在が居るわけが……って、あっ!!


 居るじゃん! ここに!


 さっき引っかかっていたのはこれだったんだ。


 そう、存在が忘れられている存在、今の僕ならニコライ達や魔法陣の結界に反応せずに近づくことが可能じゃん!












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[一言] ニコライ自分のスキルでやられるのか。
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