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僕はヴォル! スキルは【回転】!  作者: 一狼
第5章 暴け! 闇に潜みし邪教徒を!
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053.臨時パーティー

「ところで、こいつどうする?」


 そう言いながらパトルは顎をしゃくってへたり込んでいるゴール(ガマガエル)を見る。


「邪教信者ですので、衛兵に連絡です。証拠もありますですし」


 モコは幾つかの書類をアイテムポーチから取り出し、ゴール(ガマガエル)へチラつかせる。


 それを見たゴール(ガマガエル)は青ざめた顔から一転、真っ赤にして怒りだす。


「バカなっ! 何故それがここにある!? はっ!? さては貴様ら、私を護衛すると偽ったスパイだな!?」


「あら、今頃気が付いたです? 尤も、一番の目的はヴォルさんと会う事ですが。貴方の事はついでです」


「許さん、許さんぞ! 私を虚仮にしおって! この町で住めないようにしてやる! 私にはそれだけの力がある! 大商人の力を思い知れ!」


 えーっと……


 それって、今までの立場だったらって話だよね?


 その前提がすでに崩れているんだけど。


「こいつ、今自分がどうなっているか分かってないぞ」


「ここから俺たちをどうにかできるなら兎も角、その証拠が領主の手に渡れば町に住めないのはお前の方だぞ」


 パトルは呆れ顔で、ヨンタナはここから逆転の一手があるのかと少し警戒しながらゴール(ガマガエル)を見るが、怒りのあまり状況がよく見えていないようだ。


 因みに、パトルはこうゴール(ガマガエル)を見下しているけど、実はさっきまで本来の目的(僕との接触)を忘れ、本気でゴール(ガマガエル)の用心棒をやってたりする。


 だから、登場時のセリフが「どこのどいつだ、旦那の屋敷に忍び込んだ大馬鹿は!」

になった訳だ。








 その後、追加の戦力が現れることはなく、事前に衛兵に警戒を促していた為、直ぐに表れた衛兵にゴール(ガマガエル)を引き渡す。


 明日になればフィフスフィスク商会は噂の的だね。


 盗賊団の勢力に続いて、ここでも勢力の図版が書き換わりそう。


 僕たちはゴール(ガマガエル)を引き渡した後、本来の目的のニコライの行方を追うため、魔女の森の奥へと向かう事となった。


「なんでそんなところに……」


 ここんところ、何かと縁がある魔女の森の奥地。


 今回もまた、そこに向かう事になるとは。


「ゴールの書斎を調べて出てきた書類によれば、魔女の森の奥地には邪神の祭壇があるらしいです」


「その祭壇に、邪神像と生贄を捧げれば邪神が復活すると言われているらしいな。吾輩に言わせれば虚言に踊らされていると思うが」


「はっ! そんなのどっちだっていいよ。邪神が復活? だったらその邪神もぶっ倒せばいいんだよ。あたしとしてはヴォルにしたことの落とし前を付ける方が大事だよ」


 今はモコの【ものまね師】のお陰で【存在の証明】の存在消去法を無効化しているけど、現在進行形で僕の存在は忘れ続けられているからね。


 パトルの言う通り、ニコライには落とし前を付けないと。


 と言うか、魔女の森の奥地に邪神の祭壇?


 そんなの今まで見たことないんだけどなぁ。


 まぁ、魔女の森の奥地の全てを知っている訳じゃないから、あり得ない話じゃないけど。


 もしかしたらエーデ師匠は何か知っていたのかも。


「それで? こいつらは信用できるのか?」


 パトルは僕たちと一緒に付いてきているヨンタナとサンドラの2人を胡乱気な表情で見る。


「おいおい、俺たちがいなけりゃ、ヴォルはどうなっていたか分からないんだぞ」


「それに、私達の目的は同じニコライよ。一緒に行動する方が得だと思うけど?」


「寧ろ足手まといじゃねぇのか? さっきの体たらくを見ればな」


 パトルのサンドラの見る目には殺気が籠っているよ。


 そりゃあ、確かにさっきは蛇嫌いで情けない姿を見せたけど、そこまで目の敵にするほどじゃないと思うけど。


「パトル、いいじゃない。共に戦ってくれる協力者は貴重だよ。特に僕の存在が危うい状態だと尚更だね」


「……ヴォルがそう言うんなら。だけどあたしは忘れねぇからな。てめぇがヴォルにしたことを」


 そんなパトルをサンドラは何か思い当たったのか、睨まれているのにも関わらず、ニコニコしながら答える。


「あー……、ゴメンね。あれはそういうんじゃなくて、ただ単に蛇が嫌いで近くの物に飛びついただけだから。だから貴女の物を取ったりしないわよ」


「ばっ……! ちがっ……! そ、そんなんじゃねぇよ! と言うか、ヴォルの居る前で何を言ってやがるっ!?」


「あれ? 貴方達ってそうなんじゃないの? そんなに怒るんだからてっきりそうなんだとばかり」


「パトルの一方通行なのです。本人の自覚も半ばだし、相手も気が付いていないと言う落ちです」


「えっ、そうなのっ!? あれだけ分かりやす表示をしているのに!? えーー……」


 パトル、サンドラ、モコと女の子チームで何やら言っているけど、何のことか良く分からないや。


 だけど、さっきよりは随分と仲良くなっているように見えるね。


 うん、これからの戦いの事を考えればいい事だよ。








 僕たちはウエストザースディーンからイーストザースディーンを抜け、魔女の森の前に立つ。


「時間が惜しいな。このまま足で奥地に行くのには時間が掛かるぞ。ヴォルのあれで行くにしても5往復もしなければならないぞ」


 魔女の森の奥地に行くのにはバイクは必須だけど、流石に5往復もしてられないよ。


 どうするのか考えていると、そこにモコから提案があった。


「そこはちょっと無理をしますですけど、移動手段が無いわけじゃないです。ヴォルさん、あれをもう1つ作ってもらうようにお願いしていたですけど、どうなったです?」


「え? うん、モコに言われてもう1つ作ったけど……って、そうか」


 そう、モコはバイクを見た後、僕にもう1つバイクを造ってもらうようにお願いされていて、ついこの間2つ目が完成したところだった。


 バイクは【回転】スキルで動かす乗り物だ。


 僕でなければ動かせない……って訳じゃない。


 何故ならモコは僕の【回転】も【ものまね師】で使えるのだから。












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