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道標ない旅-8

 これまでにメールを送ってくれた学校や人たちにチャット開設の案内を送った後、五十六は由貴子を呼んだ。


「なんですか?」由貴子

「あの、例の女の子。なんか言ってきた?」五十六

「いえ、別に」由貴子

「そうか」五十六

「なにか?」由貴子

「気になるんだ、ちょっとね」五十六

「おい、五十六」横にいた健太郎が話に入ってきた。「まさか、ハッカーじゃないだろうな。女の子を装って、本当はハッカーとか」健太郎

「それはないだろう」五十六

「でも、断定はできないだろ」健太郎

「そんなことは、どうでもいいんだ。問題は別のとこにある」五十六

「どこだ?」健太郎

「まぁいいさ。返事が来るまで待つか。さぁ、みんな、これで準備ができた。予定より一週間も早く仕上がったのは、みんなの頑張りのおかげだと礼を言わせてもらおう。しかし、今週の土曜日、本番だ。ここが、一番大事だ。基本的な返答はマニュアル化してある。これは問題ない。それ以外の対応は、ここに書いたように、美弥、五十六、健太郎、由貴子の順に対応する。翔と早樹は、アシスタントな」五十六

「はーい」早樹&その他


 解散の前に、由貴子が五十六に話し掛けた。

「あの、五十六先輩」由貴子

「なに?」五十六

「さっきの女の子のことだけど、気になるんなら、メール送ってみたらどうですか?メールアドレスはわかるし」由貴子

「いいんだ。たぶん、あの子はチャットを見てる。とりあえずは、それでいい」五十六

「……あのぉ。訊いてもいいですか?」由貴子

「なにを」五十六

「なにが、気になるんですか?」由貴子

「…影だ」五十六

「え?」由貴子

「影。あの子の文章の裏に隠れている影が気になる」五十六

「影…ですか?」由貴子

「あの子は家のコンピューターを使ってアクセスしてきてる。だけど、交流を広げたいとか知見を広めたいとか、そんなじゃない。もし、そうならちゃんと自分の名前も記しているはずだ。あの子は影にいて、自分を見せないように声を掛けてきてる。それが、気になる」五十六

「…引きこもり…とか」由貴子

「…ん、まぁ、ちょっと気になるだけなんだ」五十六

「そう、ですか…」由貴子

「まぁ、それより、土曜日頼むよ。マニュアルはちゃんと記憶しておいてね」五十六

「…はい」由貴子


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